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やまぎわ大志郎が政治の現場で日々感じた事を綴ります。

1月9日(火)エルサルバドルカジノ計画

2007年01月09日 | Weblog
 エルサルバドルの首都サンサルバドルに着いたのは暗くなってからだった。日本の援助で建設したジャンボが飛べる立派な飛行場から数十分車で走るとサンサルバドル市街に入る。トランジットのための一泊の滞在ではあるが、せっかくの機会なので大使館で夕食を摂りながら現況を伺った。
 エルサルバドルは人口が700万人だがそのうち250万人がアメリカに出稼ぎに行っているとのことで、その仕送りが最も大きな収入になっている。社会問題としてはとにかく治安が悪く、世界の中でも有数の危険地帯であるとのこと。しかし発展する可能性は大きなものをもっていると感じる点があった。それは人の気質である。まじめでよく働く性質をこの国の人々は持っているとのこと。実はこれ以上の財産はないと思う。直接は優秀な人材とは関係ないかもしれないが、サンクトジュベリの奥さんや、ノーベル数学賞を受賞し、ビューティフルマインドという映画にもなった、精神を病んだ著名な数学者の奥さんがエルサルバドル人だとのこと。これはすなわち我慢強くご主人をたてる古き良き大和撫子的な女性が多いことを意味しているのだろうか?ま、単に余談である。
 余談ついでに「星の王子様」の中に出てくる3つの火山のエピソードはジュベリが奥さんからエルサルバドルにある3つ連なった火山の話を聞いて、物語の中に織り込んだものだそうだ。
 話を本題に戻そう。この国を発展せしめるにはどのような道があるのか、大使に伺うと、中米のハブ(重要な中継ポイント)として発展する道を目指しているとのお答えであった。なるほどたしかに立派な空港があり、それも海岸に近い場所のため離発着の問題も全くない。しかしそれだけでは中米のハブには弱い。何より治安が悪いのは致命的だ。しかし治安の維持には資金がいる、その資金がこの国にはない。そこでさらに話を伺うと国際会議を誘致できるようなコンベンションセンターとしての役割を担うアイデアがあるとのこと。どこかで聞いた話だ。空港の周りは平地でかつすぐ近くにはきれいな海岸がある。リゾートとしての条件は揃っている。コンベンションセンターとカジノをミックスした複合型のカジノリゾートを作っている企業がマカオに進出した話。この地におけるカジノによる国興し、これも悪くないアイデアではなかろうか。瓢箪から駒ということもある、帰国したらその大手カジノ企業のオーナーに水を向けてみよう。
 それにしても日本の外交官は質が高いと思う。エルサルバドル人よりもエルサルバドル国のことを真剣に考えている。もちろんその先には永続的な関係強化による日本の国益があるわけだが、現場で汗をかく外交官によって日本の世界における地位が幾分保たれていることを忘れてはならないだろう。まじめに仕事に取り組む外交官の皆さんがきちんと評価される世の中にしていかなくてはならないと思う。