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のほほんブログ

今日も今日とて、変わり映えしない日々。
ボケ防止と備忘録にブログをやってます。

読んだ本「雨降る森の犬」

2024年06月04日 | 



馳星周さんは直木賞受賞作の「少年と犬」を読んでから2冊目。

自分勝手な母親、そんな親に翻弄されるのが嫌で
立科の伯父のもとに身を寄せることになった中学生の雨音。
伯父の愛犬バーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルと暮らして
徐々に犬からの信頼を得ていく。
見返りを求めず、愛し、相手の気持ちを汲み、
辛い時や悲しい時には余計な言葉は口にせずただ寄り添ってくれるワルテル・・
自分も誰かに対してそういう存在でありたい、と思えるように成長していく雨音。
都会育ちの雨音が山岳写真家の伯父の影響で登山の楽しさを知っていく。
ワルテルとの別れは辛かったが、動物を飼うとはそういう事だ。
いつかは別れる時が来る、だからこそ、一瞬一瞬を大事にしたい。

アルプスの情景を思い浮かべながら読めてよかった。
犬はいいね、山もいい。





 

 

 


読んだ本「まいまいつぶろ」

2024年05月30日 | 

昨年12月に図書館予約、やっと順番がきました。

聞き慣れない難読漢字と武家言葉に挫けそうになりながら
何とか読了。

麻痺を抱え廃嫡を噂されていた若君は、いかにして将軍になったのか。

生まれつき障がいのある長福丸(家重幼名)は、言葉が不明瞭で誰もそれを聞きとれず、
思いが通じずによく癇癪を起していた。
麻痺で筆談も出来ない。
時には失禁してその歩いたあとが「まいまい」(かたつむり)のようであったと。
「まいまいつぶろ」とは、九代将軍徳川家重を蔑んだ表現、暗愚と疎まれた。
そこに、ただ一人彼の言葉を聞き取れる小姓が現れる。
我が口となる大岡忠光という唯一無二の友を得る。
周囲からは忠光の代弁する言葉が本当に家重の言葉であるのか疑われたが
忠光は家重の口になる事のみに徹して、自分が家重の目や耳に入れることは決してしなかった。
父である吉宗は将軍の座を優秀な弟に継がせるべきか悩んだが、
家重の子の家治がこれまた聡明で、吉宗は家治を大変可愛がり期待していたので
いずれは家治を将軍につかせるために、それまでの繋ぎに家重を九代将軍に据えることに決めた。

皆に務まらぬと見下されている家重が実は聡明で権勢をふるうことになるのは小気味良かった。




読んだ本、「ロシア点描」

2024年05月14日 | 

ロシアがのウクライナ軍事侵攻が始まってから2年も過ぎた。
あれから毎日のようにテレビに登場している小泉悠さん。
最近はイスラエルのガザ攻撃のニュースで以前ほどでもなくなったか?
はぁ、、どちらも誰も止められんのかよ~

その小泉さんの本、

2022年4月に出てますが、今頃ですが、読んでみた。

ロシアの市井の人たちが戦争起こしてるわけではないけど、
ロシアと言う国のイメージはやっぱり怖い。
この本読んでもクレムリンに行ってみたいとは思わない。

どうも、信用できない。
それも致し方ないわ、
ロシア人が一番信用しないのがロシア人なんですもん。

 

それよりも、一番衝撃的だったのは、
小泉さんが落語をやっていたことがあるということだったかも(笑)

 

 


半生の記

2024年05月08日 | 



意外にも藤沢さんは随筆も数篇出されているのですね。
山形県鶴岡市の農家の次男として生まれる。
旧制中学の時に終戦をむかえ、それまで漠然と戦争に行くものと思っていたのが
自分の人生を自分で決めることになり、山形の師範学校に進む。
映画館通いや同人誌の発行に加わったりと、友人や先生にも恵まれ
学生生活はそれなりに充実していたようだ。
というのも、二年生からは授業をサボり小説ばかり読んでいたようだ。
が、無事に卒業し、中学校に赴任した。
教員生活にも意義を感じていたところ肺結核となりやむなく休職。
その後、東京東村山の病院に転院し手術、療養。
退院後、教員への復職は難しく、業界新聞の記者になる。
同郷の8歳年下の女性と結婚し長女も生まれるが、
妻が急性の癌で急死する。
母親を呼び寄せ、暫くは3人の生活が続く。
その後、再婚すると本格的に作家生活に入った。
山形での少年時代、学生時代には文芸に親しみ、療養時には読書に親しみ、
作家としての下地が作られたと思う。


読んだ本、「帰艦セズ」

2024年05月06日 | 

図書館で吉村さんを物色、

間宮さんには特に興味もなかったが吉村さんついでに借りてみた。

「帰艦セズ」は7編の短編が収録。

派手な展開があるわけでもないが、
妙にリアルで心理的に身近に感じた。

表題の「帰艦セズ」のほか、「白足袋」「果物籠」も
ずしりときて面白かった。

 

「間宮林蔵」は樺太を探検し海峡があるのを発見した人ですが、
間宮林蔵に特に興味が湧いたわけでもないので、途中止めで返却。

 

あと3冊借りてしまってるので早いとこ読まなくちゃ


飢餓海峡

2024年04月24日 | 

また古い本を借りてきた。


読者には犯人が分かってて、刑事の推理と捜査で事件の全容を解明していくと言う犯罪小説だった。
根底には戦後の混乱と世の中の底辺で生きる者のどうしようもない貧困があった。

娼妓の杉戸八重の純真さに引き替え、
犯人の犬飼多吉こと樽見京一郎が語る最後の供述は、
自己弁護に満ちてたように思う。
そのくだりの文章も説明っぽくて、くどいように思えた。

それより、
YouTubeで⇩これを見つけて、

面白そうだったので、どうせなら原作を読んでから見ようと
まずは急いで原作を読んだ。
映画もドラマも見たことがなかったので、内容も知らなかったけど、
原作読んでから⇧の二人の動画を視聴したら、
バカうけしたわヾ(*≧∀≦)ノ彡

坂本 頼光

なん?この人!

 

 


読んだ本、「雪の花」

2024年04月05日 | 

吉村昭「雪の花」が映画化、

松坂桃李主演で来年1月公開されるらしい。

調べたら、こちらに収録されていたので借りてきました。
吉村昭歴史小説集成 (第7巻)

この中の「雪の花」だけ。


今では絶滅された天然痘、
私財を費やし民を救おうとした医師、
石つぶてを投げられても決して諦めなかった
自分の命をとしても、事を成し遂げようとする笠原良策の無私の精神に
世の中にはこんな人間もいるのだなぁと、感動する。


痘苗を京都から福井に持ち帰るため、雪の山越えをするあたり、
映画で再現されるのでしょうか・・
異国から伝わった種痘と言う医術を受け入れてもらえず、
目の前で大勢の人が死んでいくのを見ながら、
いたずらに年月が過ぎるだけの歯痒さ、
無知であることと、役人の事なかれ主義と保身に苛立った。



それから、こちらは
芝居小屋であった仇討ちを、6名の語り調で綴られており
読むのがきつくなった。
予約があるので途中止めで返却。
なので、話のオチが分からない。。。


 


読んだ本「破船」

2024年03月22日 | 

やる事がないので、また本を読んでいました。
また、古い本です。先日借りてきていました。

貧しい浜辺のその村では冬になると暗夜に浜で塩焼き(海水を炊いて塩を作る)をする。
塩は村で消費するためだが、他に目的があった。

何故、夜になのか・・

それは時化で難破の危険にさらされた船の者たちが
塩焼きの火を見て人家のある浜と思い、船を岸に近づけるのだが、
そこは岩礁が入り組んでいるので、たちまち船底を砕かれてしまう。

船には食物や嗜好品、道具や繊維類が積まれているのが常で、
村人たちはそれを奪い、村人の暮らしを十分に潤した。

かくて、村人たちは海の荒れる季節になると
塩焼きの炎で船を引き寄せることを始めたのだ。
破船の積荷がない年が続くと、身売りをしなければ家族を飢死をさせることになる。
村人たちは破船を「お船様」と呼び、その到来を願う祭事も行った。
しかし、これは立派な犯罪で、おかみに知れたら重罪だ。

村ぐるみで犯罪を犯しているのだが、
秘密が漏れることにビクビクしながらも、生きる為には止められない。

破船は「福」をもたらしてくれるが、
場合によっては「災厄」が降りかかる危険もある。疫病だ。

廻船問屋の船が破船し、相当な恵みがあった翌年、
流れ着いた老朽化した船には何人もの死骸が転がっており、
皆、赤いものを身につけていた。
赤い衣など、とても手にすることのない村人は
それを引き剝がして幼い女児と女たちに分け与えられた。

その死人たちが天然痘にかかって死んだ者たちとも知らず・・

その後、村には恐ろしい疫病が蔓延すると言う・・話でした。
吉村作品ということで、全くのフィクションではないだろう。

 

吉村昭作品で「熊嵐」というのがある。
読んでみたいような、読まない方がいいような、、、

 


読んだ本「続お登勢」

2024年03月18日 | 

「契り橋」の前に、実は ↓ を読んでいました。

NHKの再放送で「お登勢」を観てからというもの、
船山馨の原作本を読み、続編がある事を知り、
探していました。

お登勢の続編はこちらでした。
船山馨小説全集第9巻 出版1975年、閉架図書に入っていました。

本編では、
武士を捨て、志を持って北海道入植をした津田貢だったが、
極寒の厳しさと餓死と隣合わせの極貧生活は続き、
幾度も自然界に打ちのめされ、徐々にやる気を失う夫の貢。
貢が無気力になっても、お登勢はなんとか彼を励ましながら
野生馬を捕獲して買い上げてもらい、僅かながら生活の足しにしているうちに
新たに牧場を作ると言う夢が芽生えた。
そういう生きる力を持ったお登勢に貢は返って敗北感を覚えたのかもしれない。
その貢が元妻の志津と不倫の末に駆け落ちをし、志津の情夫に山中で惨殺されるという
ショッキングな終わり方だった。

明治新政府になって尊皇派が実権を握れば、勘違いする下っ端役人たちの傲慢さ、
農民はやっぱり死なない程度に扱われるだけであった。
それでも、中には優れた人間もいて、お登勢たちの為に尽力する者もいた。

八丈島に流刑されていたお登勢の元奉公先の若旦那、陸太郎もご赦免になり、
お登勢を追って開拓民として北海道に移ってきた。
かつて、嫉妬心から思わずお登勢を斬ってしまった陸太郎だけど、
今は無理強いをすることもなく、お登勢の側にいるだけでいいという
自分を捨ててお登勢を愛する男になっていた。
貢と違い、陸太郎は一途にお登勢を愛していた。
そんな陸太郎をいつしかお登勢も心惹かれていくのだった。
いろいろあって、陸太郎は西南戦争に徴集されたが運よく帰還することができた。
開拓地の静内に帰り、お登勢と結婚。
陸太郎38歳、お登勢30歳だった。


時代の混乱に翻弄され、まるで操り人形にように権力者たちに使い捨てにされた人々。
いつの時代も戦争の憂き目を見るのは普通の人々だ。

結果、長い長い話でしたが、
ところどころに史実が絡み合って、今更ながら知ったこともあり、
歴史に疎い私は勉強になる。
大河小説って面白い。

 

 

 


読んだ本「契り橋」あきない世傳金と銀 特別編(上)

2024年03月15日 | 

本編を読み終わってから1年以上たった。
続編が出ていたのに暫く知らないでいたから
図書館予約も遅れ、やっと順番がやってきました。
ところが、前回の内容が頭に残ってない!
仕方なく、13巻をまた借りて来て流し読みする始末・・



前回、最後にチラチラ出てきた惣次らしき男、江戸の両替商の主人になっていた。
どういう経緯でそうなっていたのか、
今回はまずその話から始まって、
支配人の佐助さんの祝言、
老いを感じるお竹が決めた今後の身の振り方、
他の道(医師)への心残りと奉公人の身で苦悩する大七、
そして、賢輔がついに幸への思いを告白。
幸は賢輔が4人目の夫となるんだな、、

惣次はほんまに商いが好きなんだね。
伴侶は亡くしてしまったけど、惣次には井筒屋というビジネスがある。
名実ともに江戸一番の本両替商に育て上げるという目標が。

特別巻〈下〉ももう出版されているけど、いつ読めるかな~