goo blog サービス終了のお知らせ 

のほほんブログ

今日も今日とて、変わり映えしない日々。
ボケ防止と備忘録にブログをやってます。

読んだ本「お登勢」

2024年02月22日 | 

再放送のドラマ「お登勢」を見て、原作が読みたくなり
図書館で借りてきました。

 

王政復古が実現しても権力闘争の裏を見て、政治運動に嫌気がさした津田貢は侍を辞め、
一介の平民となり、お登勢と2人で北海道に骨を埋める覚悟で一緒に海を渡るところでテレビドラマは終わったが、
原作本ではまだ半分あたり。
この先は北海道篇なのだ。

原作では、貢は先発隊で一足早く出発し、お登勢はあとの一団で出航したが、
途中で船が遭難したりして、やっとのことで貢のもとに辿り着く。

稲田家に与えられたのは日高の静内、
農地の開墾もなかなか進まず、厳しい自然と先の見えない極貧生活でやはり貢は徐々に挫折していく。
それでも、お登勢は野生馬を捕獲して少しでも生活の糧にしようと奮闘するが、
お登勢の心の強さを前に、貢は一層敗北感を覚え
お登勢には同調できずにいた。

そんな時にまたしても志津の出現で心はお登勢から離れていく、
結局、志津と貢は駆け落ちして、逃亡途中で志津の情夫に斬殺されてしまう。

なんというラスト!

入植してから、過酷な自然に立ち向かうお登勢は終いには野生馬を乗りこなしたりして
逞しすぎて別人格になったようだった。
それに引き換え、貢はやっぱり甘くて弱かった。
お登勢を連れてきておいて元妻と逃げるなんて、無責任過ぎる。

しかし、この地を駿馬の産地にするという夢を見出したお登勢は、
その夢の実現に向かってしっかりと前を向くのであった・・で終わったが、
調べてみると続編があるようです。

すでに絶版されていますが、図書館にあるみたいなので、早速取り寄せました。

読み応えあるわぁ。

 

 

 

 


読んだ本「石狩平野」上・下

2024年02月02日 | 

NHKで再放送していた『お登勢』を観たので、
他の物も読んでみたくなり図書館に予約。
閉架図書に保管されてた。

かなり古いです、、

しかも、ページを開くと、

上下二段で細かい字が423ページに及ぶ、、、

読めるのか・・?

挫折するかもしれないので、別の本をもう一冊借りてきたが
意外や、
次から次へと史実に基づく事件が起こるし、
過酷な自然災害に打ちのめされる人々の様子、
息をもつけないその描写に圧倒されつつ、
複雑に絡み合う登場人物の動向に、飽きることなく読んでしまいました。
と言っても、集中力が持続しないので、
上巻下巻でずらして借りて、貸出延長しながら7週間もかかりましたけど・・

 

新潟から開拓移民として両親と北海道に渡ってきた13歳の鶴代。
小樽の大火に始まり、北海道の過酷な自然と貧困の艱難辛苦に耐えながら
前向きに懸命に生きる鶴代は信念に生きた人だ。
世の中は明治から大正、昭和へと移り変わる中、
戦争景気に沸き、そして・・
日中戦争、太平洋戦争へと軍国主義は日本を破滅の淵に追い込んだ。
鶴代の子も孫も徴兵されたり空襲で犠牲になった。
が、その中で長男は軍の手先になって工作員のような事をやっていた。
そのことで鶴代は母として心を痛める。
戦況が悪くなり、その長男も自殺してしまう。
鶴代は雪子の手紙でひ孫を迎えに東京に出てきていた。
空襲が激しくなり、雪子夫婦も爆撃で跡形もなく吹き飛ばされてしまった。
そして、東京大空襲の焼野原に立ち、一人残ったひ孫を連れて、
北海道に戻っていくところで話は終わった。
鶴代、77歳。

 

もう、何と言うか、
この読後感はNHKの映像の世紀を観た後のように
どーっと疲れたが、読みごたえがあった。


読んだ本「藩邸差配役日日控」

2023年12月06日 | 


神宮寺藩江戸藩邸差配役を務める里村五郎兵衛の日々、、
差配役とは、会社の総務部長みたいな?
藩邸内の何でも屋に要請される大小さまざまな問題事に
頭抱え、奮闘する。
登場人物それぞれが、どこにでも居そうなサラリーマン風で面白い。
シリーズものなのかな、今後が楽しみだ。
ただ、砂原さん、
武家言葉が煩わしい・・


読んだ本「なんかいやな感じ」

2023年11月21日 | 

ラジオで知った砂鉄さん、
落ち着いた語り口だが、するどい洞察力で
ハッとさせられたり、共感したり。
思わず、「それそれ!」とラジオに言ってしまう。
で、この本が紹介されていたので、
図書館本の順番を待って読んでみました。

疲れた。

文章になると、ややこしい人。
ていうか、私の読解力がないだけなんですけどね・・。
でも、こうやって、武田さんに思い起こさせてもらって
そういう事だったのか、と改めて考えさせられる事もありました。
自分に関係ないことなどないんだけど、考えないもんなぁ。。

「昭和の末期に生まれ、平成を生き、令和で何年か過ごした自分は、
社会という枠組みを希望的に見つめた経験に乏しい。
かといって、悲観しきってるわけでもない。でも、なんか、ずっと、いやな感じがある。」

と言う風に、事件やニュース、政治家の言葉への違和感とか・・
武田さんがずっと感じている「いやな感じ」をこねこね綴ったエッセイです。


 


読んだ本「生きる」

2023年10月26日 | 


図書館本。
3編収録、表題の「生きる」は直木賞受賞作。
初読みの作家さんでしたが、読み易かった。
もっと楽に生きられたかもしれないのに、
武士としての矜持に苦しむ。

「生きる」
家老より追腹禁止令を順守するよう密約を受け、藩主亡き後生きることを続ける老武士。
生きていればいたで世間からは臆病者と蔑まれ、苦悶する日々を送るが
気丈に生きていく中で、常に胸を張り堂々と白眼を見返すことで、
生きていることを恥じと思わないようになる。
人間の値打ちとは、そんな事ではないのだ。

「安穏河原」
安穏な暮らしにありながら、武士としての信念を貫いた結果、家族は零落した。
武士は食わねど高楊枝、、それではとても生きてはいけない。
妻は病臥し追い詰められて、娘を遊郭に売った父の悔恨。
しかし娘はその父の教えを守り、遊女に落ちぶれても凛として生きる。
父は娘の様子を聞くために、仕事で知り合った若い浪人に金を工面しては娘のもとに通わせるのだ。
自分で娘を売っておきながら、、
結局、娘を救い出すには自分の命と引き換えにするしかなかった。

「早梅記」
出世の為に献身的な側女を捨てた。
重職にまで上り高禄を得、望みを果たした今、
隠居の身になり、残ったものを見た時、これでよかったのか・・と
我が人生を振りかえり、犠牲にしたものに思いを馳せる。
都合よく捨てておいて、勝手だ。





読んだ本、「 行きつ戻りつ死ぬまで思案中」

2023年10月04日 | 

垣谷さんは同年だし、共感するところが結構あるので、
いろいろ読んでいますが、エッセイは初めて。
というか、雑誌に連載されていたのが本になって4月に出ていたので
図書館に予約して、やっと順番がきた。
小説の方も、だいたい身の回りのことにブツブツ言ってるので
同じ感覚になってしまう。
面白かった。
年を重ねたからこそ書けることってあるよね。

それと、
その中の話題でなるほど~と思ったことのひとつ、
漢字を捨てた国、、韓国とベトナムは以前は漢語だったのに今はハングル語とアラビア語。
今や日本は漢字が残っている唯一の外国らしい(中国から見て)
カタカナだけじゃ何がなんやら分からんよ。

たしかに漢字を見ると大体のイメージが湧いてくるのは漢字を習っているからだ。
そして、それらを組み合わせて更に新しい言葉が生まれ続けている。
新しい熟語が出来て一言でその意味が伝わるのだ。
しかも使われる漢字でその微妙なニュアンスの違いも分かるしねぇ。
そんな言葉って他にある?
それと、ある時にはひらがなやカタカナで書いたりもするし。
英語は覚えられないけど、日本語って素晴らしいわ。


読んだ本「高瀬庄左衛門御留書」

2023年09月22日 | 

私もこの空気感に浸りたくて図書館に予約して借りてきました。

文中に静かな空気が流れる。

内面に秘めた激情も、私欲を捨てて覚悟を決める、
貧しくも凛とした、
そんな庄左衛門の生き方。
相手の心情を推し量り、おのれの行動を律するという
かつての日本人の美しさがそこにある。

私利私欲にまみれた世の中に、
こういうお話は、心が洗われる。


胸に響いた言葉はいろいろあったが、

「選んだ以外の生き方があった、とは思わぬことだ」
「・・・だれかのせいなどというものは、ござりませぬ」
「人などと申すは、しょせん生きているだけで誰かのさまたげとなるもの。されど、ときには助けとなることもできましょう‥‥均して平らなら、それで上等」

それでいいんだ。

武家言葉と回りくどい掛け合いがちょっと疲れた。

 

 

 


読んだ本「ちょっと今から仕事やめてくる」

2023年09月14日 | 

実家に行った時、姉が借りていた本の中に見た記憶があったので
短かったし、借りてきた。
そういや、映画化もされてたね。

読み易くて、すぐ読めた。


パワハラ、モラハラ、セクハラ、プレッシャー、ストレス、過労、、、

自殺するくらいなら辞めればいいのに、、

と、いつも思う。


みんなやれてるんだから、これくらいで逃げてはいけない。
やっと入った会社だし、次があるとは思えない。
変わる事への不安、、、

そんな強迫観念にかられて頑張り続けてしまうのだ。
真面目なんだな。
家庭を持つと尚更だし。

私なんかが言えたことではないが、

でも、死ぬくらいなら離れればいい。

 

 


読んだ本「虚心」

2023年09月08日 | 

「雨に消えた向日葵」の奈良刑事にまた会いたいと思い読んでみました。
話は、
土砂崩れで一人が行方不明となる事故が発生。
瓦礫からは不法投棄の産業廃棄物が発見された。
事故ではなく悪質な不法投棄による事件と判断、捜査を始めるが、その土地の所有者は
16年前に産廃の最終処分場建設の賛成派と反対派で揺れる町で起きた殺人事件の容疑者だった。
その時は結局逮捕には至らず、事件は迷宮入りした。

結局、16年前の犯人はその時目星をつけた人間ではなかったし、
不法投棄は別の会社がやっていたのだが、
一度持ったイメージを払拭するのは難しい。

産業廃棄物の問題、差別の問題、利権がらみの問題、仕事斡旋の闇等々、
話があちこち振られて、一向に前進しなくて
読んでて、ちょっと嫌になったわ。

ただ、私たちが出した大量の一般廃棄物がどのように分別されて最終的にどうなっているのか
そこまで見届けている人は少ない、というか、いないでしょう。
環境に悪いと反対、反対派=正義という単純なものではない。
ゴミは出してスッキリしたら終わり、、ではないのだ。