聖アンブロジオ(340~397年)ミラノの司教
『詩篇解説』
「なぜ、み顔を背けられるのですか。※1」 自分が苦悩の中にいて、心が闇に覆われ、目がふさがれ、真理の輝きを見ることが出ないとき、私たちは神が顔を背けられたと思っている。事実、神が私たちの理性に目を向け、私たちの精神を訪れてくださるならば、何事も私たちを闇で覆うことはできないと確信している。人間の顔は体の他の部分よりも輝いており、私たちが誰かを注視するとき、私たちの視線を逃れることができないその人は、知っている人か知らない人かを見分ける。まして神の顔は、神が見ておられる人を照らすのである。
使徒パウロの言葉はすべて優れているが、この問題についてもみごとな事を言っている。彼はキリストのことをよく説明する人であり、そのキリストをできるだけふさわしい言葉で私たちに理解させようとしている。彼は言う。「『闇から光が輝き出よ』とお命じになった神は、私たちの心の内に輝いて、イエス・キリストのみ顔に輝く神の栄光を悟る光を与えて下さいました。※2」 こうして、私たちの中のどこにキリストが輝いておられるのかを、私たちは聞いたのである。キリストは人々の心の永遠の輝きである。父がキリストを地上に遣わされたのは、以前は地上の闇に覆われていた私たちが、天上の永遠のことがらを眺めることができるように、その顔によって私たちを照らすためであった。
使徒ペトロが、生まれながら足の不自由な人に、「私たちを見なさい※3」と言い、その人がペトロを注視して信仰の恵みによって照らされたのだから、キリストについて何を語ればよいのであろうか。確かに、あの人は心から信じなかったとしたら、癒されることもなかったであろう。
・・・
「なぜ、み顔を背けられるのですか」と歌われているが、主よ、たとえあなたが私たちから顔を背けても、「主よ、み顔の光は私たちの中にしるされている。※5」 私たちはその光を心の中に保ち、光は心の深みに輝いている。あなたが顔を背けるならば、だれも存在し続けることはできないからである。
年間第十六木曜日
第一朗読 2コリント4:5-18 使徒の弱さと強さ
第二朗読 聖アンプロジオ 『詩篇解説』
※1 詩編44:25
なぜ、御顔を隠しておられるのですか。我らが貧しく、虐げられていることを忘れてしまわれたのですか。
※2 2コリント4:6
「闇から光が輝き出よ」と命じられた神は、わたしたちの心の内に輝いて、イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました。
※3 使徒言行録 3:4
ペトロはヨハネと一緒に彼をじっと見て、「わたしたちを見なさい」と言った。
※5 詩編4:7
恵みを示す者があろうかと、多くの人は問います。主よ、わたしたちに御顔の光を向けてください。
聖アンブロジオ
340年頃、ドイツのトリールでローマ人の家庭に生まれる。ローマで勉学に励み、シルミウムで執政官になる。374年にミラノ在住の折、突然同市の司教に選出される。12/7に司教叙階を受けた。司教の職務を誠実に果たし、すべての人に大きないつくしみを示し、信者たちを見事に指導し、教えた。また、教会の権利を皇帝に対して力強く擁護し、アレイオス派に対して著作と行動で正統信仰を守った。397年の聖土曜日にあたる4月4日に死去。
正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会の聖人(聖アンブロジウス、聖アムブロシイ)
聖アンブロジオ(女子パウロ会の聖人カレンダーへ)
http://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=120701
ベネディクト十六世の「使徒の経験から見た、キリストと教会の関係の神秘」についての連続講話でアンブロジオについて話されました。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/benedict_xvi/bene_message256.htm
『詩篇解説』

使徒パウロの言葉はすべて優れているが、この問題についてもみごとな事を言っている。彼はキリストのことをよく説明する人であり、そのキリストをできるだけふさわしい言葉で私たちに理解させようとしている。彼は言う。「『闇から光が輝き出よ』とお命じになった神は、私たちの心の内に輝いて、イエス・キリストのみ顔に輝く神の栄光を悟る光を与えて下さいました。※2」 こうして、私たちの中のどこにキリストが輝いておられるのかを、私たちは聞いたのである。キリストは人々の心の永遠の輝きである。父がキリストを地上に遣わされたのは、以前は地上の闇に覆われていた私たちが、天上の永遠のことがらを眺めることができるように、その顔によって私たちを照らすためであった。
使徒ペトロが、生まれながら足の不自由な人に、「私たちを見なさい※3」と言い、その人がペトロを注視して信仰の恵みによって照らされたのだから、キリストについて何を語ればよいのであろうか。確かに、あの人は心から信じなかったとしたら、癒されることもなかったであろう。
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「なぜ、み顔を背けられるのですか」と歌われているが、主よ、たとえあなたが私たちから顔を背けても、「主よ、み顔の光は私たちの中にしるされている。※5」 私たちはその光を心の中に保ち、光は心の深みに輝いている。あなたが顔を背けるならば、だれも存在し続けることはできないからである。
年間第十六木曜日
第一朗読 2コリント4:5-18 使徒の弱さと強さ
第二朗読 聖アンプロジオ 『詩篇解説』
※1 詩編44:25
なぜ、御顔を隠しておられるのですか。我らが貧しく、虐げられていることを忘れてしまわれたのですか。
※2 2コリント4:6
「闇から光が輝き出よ」と命じられた神は、わたしたちの心の内に輝いて、イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました。
※3 使徒言行録 3:4
ペトロはヨハネと一緒に彼をじっと見て、「わたしたちを見なさい」と言った。
※5 詩編4:7
恵みを示す者があろうかと、多くの人は問います。主よ、わたしたちに御顔の光を向けてください。
聖アンブロジオ
340年頃、ドイツのトリールでローマ人の家庭に生まれる。ローマで勉学に励み、シルミウムで執政官になる。374年にミラノ在住の折、突然同市の司教に選出される。12/7に司教叙階を受けた。司教の職務を誠実に果たし、すべての人に大きないつくしみを示し、信者たちを見事に指導し、教えた。また、教会の権利を皇帝に対して力強く擁護し、アレイオス派に対して著作と行動で正統信仰を守った。397年の聖土曜日にあたる4月4日に死去。
正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会の聖人(聖アンブロジウス、聖アムブロシイ)
聖アンブロジオ(女子パウロ会の聖人カレンダーへ)
http://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=120701
ベネディクト十六世の「使徒の経験から見た、キリストと教会の関係の神秘」についての連続講話でアンブロジオについて話されました。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/benedict_xvi/bene_message256.htm