そらはなないろ

俳句にしか語れないことがあるはずだ。

上野吟行

2008-03-19 19:50:32 | Weblog
3月18日

13時半、JR上野駅公園口集合。来るのは8人の予定だったが、1人は40分くらい遅れると連絡があったし、1人は連絡つかないので、結局6人で行動開始。

この日は、関西から学会のために東京に来たクルシマさんを迎えて、吟行会を行なったのである。妖怪とハイロウズが好きなクルシマさん、とっても気配り上手な方なので、京都限定のお菓子を参加したみんなに持ってきてくれた。さらに、幹事の僕には地震予知をする草の種をくれた。

まずは西洋美術館。初来日というウルビーノのヴィーナスに会いに行く。

今回の吟行、実はちょっと普通のものとは異なる趣向を取り入れてみた。美術館に入る前に、みんなに短冊を一枚ずつ配り、中で句を作ってもらって、美術館を出たところで回収。普通の吟行とは異なり、吟行のポイントごとに句を出してもらうことで、強制的にネタを絞る、というのと、考える時間を与えずその場で作る、というのを試してみたかったのである。短冊一枚では足りないという人には、何句でも出句してもらう形にした。

ウルビーノのヴィーナスの前に立ったら、ついつい彼女と目が合ってしまって、そうしたら目を背けることができなくて、ちょっと誘惑される。

個人的には、アドニスという男にすがりつくすっぱだかのヴィーナスや、その瀕死のアドニスをかき抱いて悲しみに頬をまっ白にしたヴィーナスの姿が胸に沁みた。

美術館を出るころには40分遅れてきた人とも合流できて、7人で移動。美術館を出たら、上野の山をくだり、アメ横に入る。その入口でも短冊を渡す。みんなでパインやらメロンやら串刺しのカットフルーツをほおばりながら歩く。7500円と表示された鮪の切り身が1000円で売られていた。

御徒町から湯島へは、歩いて10分もかからない。三回目の短冊を手渡したのは、梅の散りかけの湯島天神の前だった。美術館よりアメ横より梅や神社のある方が俳句を作りやすかったらしく、一人平均二句以上出していた。

受験期直後の天神様、さすがに絵馬がどどどっと大量に吊り下げられていた。中学受験、大学受験、さらには資格試験や就職活動、定期考査に至るまで実にさまざまなお願いが書かれてある。

湯島駅近くの喫茶店で句会。みなさんに丁寧に句評を言ってもらっていたら少々予定時間をオーバーしてしまったが、集まったメンバーがみんな一癖二癖ある方々で、いろんな視点から鑑賞してくれるので、大変楽しい句会となった。

句会も終わるころ、連絡のつかなかったもう一人の参加者から連絡が。今起きた、と言う。時刻は夕方の6時半。まあ、春ですから、そういうこともありますよ。とりあえず二次会から参加、ということになる。

×××

二次会で飲んだあとは、残ったメンツでカラオケに繰り出す。またもやオール。夜な夜な、クルシマさんたちと俳句の鑑賞について議論を交わす。文学とは、文藝とは、感動とは、第二芸術とは。そして、俳句とは、なんなのか。

あんなに俳句について熱く語ったのはここ半年くらいなかった。午前五時、解散。