そらはなないろ

俳句にしか語れないことがあるはずだ。

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ちぐはぐ☆30

2008-09-18 23:53:02 | Weblog
蜘蛛を喰む愛犬ダックスフントかな 高崎壮太
公園に鳥居冷たくなってゐる 上田拓史
してもらうつもりの顎や蛇苺 森川大和

 俳句甲子園出身の三人が、毎月30句ずつアップし、その新作を世に問うHP「ちぐはぐ☆30」が先日開設した。

ちぐはぐ☆30 http://a.locoboard.net/?chiguhagu30

 三人の俳句は、それぞれ方向性がばらばら。その自由闊達さがいい。高崎氏は、目に見えないものをどうにか追い回して言葉に固定しようとする。上田氏は、自らの感傷を大事に育てる詩人気質。森川氏は、自在な季語使いと口語と文語の混在によって存在感のある句づくりを実践している。

 蜘蛛を食べている犬、というのもすごいが、このタイミングで「愛犬」という語をさしはさむ絶妙さ。公園なのに鳥居がある、というちぐはぐな事実の発見、そして、意味性を剥奪された鳥居の冷え。何をしてもらうつもりかは分からないが、「してもらうつもりの顎」と言われると、勝気に上を向く若い女性のするりとした口元が見えてくる。この季語の「蛇苺」はどこか暗喩的に使われていると読むことができよう。「苺」では可愛すぎるが、「蛇」の一字が、「こいつは○○してもらうつもりなんだろう」という作者の予想(期待?)を裏切る可能性を秘めていて面白い。

 ただし、各々難点はある。高崎氏は言葉の飛躍を回収しきれない憾みのある句が散見される。上田氏の句は、若干インパクトに欠けるか。森川氏は、句法上のさまざまな技術におぼれがちではある。これらの点が今は僕の眼には難点と映るが、極めればまた違うかもしれない。今後、どう変わってゆくか注目したい。

 コメントすると、他の人にもコメントが公開されるのでこちらの鑑賞眼も試されるというこの企画。まだ始まったばかりだが、初回から各人それぞれなかなか飛ばしており、楽しませてくれそうだ。
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