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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『オマールの壁』-パレスティナを分断し、青春と人生を分断する「アパルトヘイト壁」

2016-12-23 22:39:57 | 最近見た映画

         【 2016年12月11日 】

 もうだいぶ前、10年ほどにもなろうか、『パラダイス・ナウ』という映画を見た。今日の『オマールの壁』を見たらその映画のことを思い出した。調べてみたら、同じ監督の作品だった。

        ○          ○          ○

 映画に登場する「分離壁」は、パレスチナ人がヨルダン川西岸地区とイスラエルを自由に行き来できないようにする目的で、イスラエルが2002年から一方的に建設を進めており、文字通りイスラエル市民とパレスチナ人を分断している。イスラエルは、パレスチナのテロリストが起こす自爆テロから自国民を守るという名目で築いており、彼らは「セキュリティ・ウォール(フェンス)」と呼んでいるが、地図で見る通り、パレスティナ人の地域であるヨルダン川西域に深く入り込んでいてその土地を分断している。

                             

 ヨルダン川西域はガザ地区と同様に、パレスティナ人の「自治区域」のはずなのに、その中を網の目状の毛細血管のように【C地域】が張り巡っていて、そのあちこちに血塊状の【イスラエル人の入植地】が点在している。入植者の通行を保証するように【C地域】(B地域にも)は、説明にあるようにイスラエル軍が常駐していて、たえずパレスティナ人を監視し尋問している。


               
                     【 見上げるような高い「分離壁」】

 オマールはここを乗り越え、自分の土地を移動しているだけなのに...。

     

 尋問されるのは日常茶飯事なのだ。
                                                 
       


 このような社会環境で、【葛藤】があり、恋があり、日常の生活がある。


                  

 そして事件が起こる。(「パラダイス・ナウ」もこのような状況を描いていた。)

 この映画の《圧巻》はこの後だ。

 犯人を割り出し、根こそぎ検挙しようとする《イスラエル警察》の拷問と、それを上回る陰湿な工作と手口。

    


                              


 そして最後の、《衝撃的結末》。


 今という時代に、同じ地球上で、このような現実があると思うと、しばらく呆然とせざるを得なかった。






   『分離壁-パレスティナ情報センター』の特集ページ
 
   『分離壁』に関するレポートサイト






   
   『オマールの壁』-公式サイト

   『パラダイス・ナウ』-公式サイト   


   『パラダイス・ナウ』-マイブログ

   『壊された5つのカメラ』-マイブログ

   『もうひとりの息子』-マイブログ




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