【2008年8月25日】 京都シネマ
映画館に行って驚いたのは、深刻な内容のにもかかわらず、この手の映画に珍しく、人がいっぱいなのだ、ウィークデイの昼間にもかかわらず。客層も広範にわたっている。30分前に行ったのに完全入替制の席が危うく満席になりかけ、入場者から自分がはじかれそうになり、この意外性はどこから来るのかと戸惑った。
題材は、タイを舞台とする児童売買春と臓器提供を伴った人身売買である。
「題名のない子守唄」、「この道は母へとつながる」でも同種の社会問題を別の角度から描いた作品を見たが、遠い外国の話ではなく日本人がかかわることの出来る近いアジアが舞台だし、実際日本人がかかわっている問題だから、衝撃は大きい。
お金を払って命を買おう-延命しよう-とする人間がいて、それを仲介する商売が成り立って、臓器ばかりでなく命そのものを奪われる子供がいる。
歪んだ快楽のために子供が物のように売り飛ばされ犠牲になる。
お金が支配すると、人間が見えなくなり、人と人の関係が閉ざされ、一人の良心ではどうにも出来なくなる。
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臓器移植の賛否に関しては、それぞれの立場から意見があると思うが、それとは次元の違う問題をこの映画は訴えかけている。
「闇の子供たち」-公式サイト