河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑――少し秋

2023年08月20日 | 菜園日誌

人が火の上で火あぶりになっているという怖ろしい漢字がある。

ではなかった。
火の前で人が祈りを捧げているのである。
古代中国では「火」は穢(けがれ)をはらう力があるとされていた。
それを表した漢字が「赤」である。
そこから赤色には炎や太陽の力、血液の力が宿っていて、魔除けになると考えられていた。
江戸時代に、疱瘡(ほうそう=天然痘)が大流行した時、人々は赤一色で画かれた「疱瘡絵」を買い求め、平癒を祈ったという。
お守り袋に赤が多いのも、還暦祝いの赤いちゃんちゃんこも、巣鴨地蔵通り商店街で赤い下着が人気なのも、赤色には偉大なパワーがあるからだ。

そこで、畑の中で赤いものを探した。
人参のような薄い赤ではなく、唐紅(からくれない)のような真っ赤な赤。
あった!
唐辛子。
実に見事な唐紅。
家に持って帰って魔除けの唐辛子飾りを作ろう。

ついでに、縁起のいい赤い動物はいないだろうかと探した。
いた!
赤とんぼ。
赤とんぼ羽をとったら唐辛子。
少し秋!

※『女三十六気意』専修大学図書館蔵
※『國芳芳藤疱瘡繪帖』東京大学総合図書館

コメント
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