中目黒再開発の事実

中目黒の再開発・工事について。少しでも事実を伝えられれば…。

「上目黒一丁目再開発」の概略

2007-12-28 09:08:59 | 中目黒再開発
このブログを立ち上げて以来、ずっとガード下の工事を中心に記述してきた。これはあくまで話題の中心がそちらにあったからなのだが、そうこうしているうちに「上目黒1丁目再開発」についても、ちょっとした誤解を書いている人を見つけた。
というわけで、今回は少しサワリだけ説明しようと思う。

誤解の内容とは以下のようなものである。
おそらく、ブログなどで文字にしなくても、同様の誤解をしている人は少なくないと思う。

中目黒ゲートタウンの山手通りを挟んで向かい側の再開発地域に、旭化成さんの45階建ての高層マンションが出来るようです。
http://miraiyosozublog.blog112.fc2.com/blog-entry-146.html

まず、上記は正確ではない。正しくは「45階建てのマンションを中心とした、計4棟の建物」が出来るのであり、旭化成は45階建てのマンションの上層階(約30階より上)を分譲する販売会社に過ぎない。低層部分はUR(都市機構)が賃貸として貸し出す。

従って「旭化成の再開発」というように捉えるのは(あの広告看板を見れば当然の誤解だが)誤りである。

再開発にもいろいろな形態があるが、中目黒の再開発は「第一種市街地再開発事業」という法定再開発というものである。再開発の推進は「再開発組合」が担う。

では、再開発組合とはどういうものかというと、一般に以下のような団体からなる(以下、私もまだ勉強が半端なので、間違いがあるかも知れない点、ご承知おき頂きたい)。

立場団体名役割
地権者土地所有者・借家人土地を提供する。組合の要職を担い、再開発の決定権を持つ
設計コンサルタント日本設計依頼を受けて設計の提案を行う
ゼネコン鹿島設計・施工についてアドバイスする。施工する。
自治体目黒区公共施設について指導する。「都市計画」などを策定して再開発に法的裏づけを与える。
販売会社旭化成・都市機構新たに出来る家を販売したり、賃貸に出したりする。再開発資金を立て替える

他にも、銀行なども入っていると記憶しているが、単純化して理解するなら、上記が分かれば良いだろう。

上記で分かるとおり、再開発で実際の設計を行うのは設計コンサルタントであり、それに承認を出すのは地権者を中心にした再開発組合、という構図だ。旭化成やURは「売れるマンション」にするためにアイディアは出すが、大した権限があるわけではないのだ。


これまた噂ですが、現在、東横線のガード下のお店はほとんど立ち退いたのですが、中目黒の改札も新たに目黒川側に出来て駅もきれいになるとか。

再三述べている通り、上目黒1丁目の工事と、ガード下の工事は全く関係がない。新たに改札が出来るという計画も今の所はない。何か決定事項であるかのような噂が流れているが、単なるデマである。

もちろん高層ビルだけで450戸、総戸数ではたしか500戸近いマンションができるのであるから、新しい改札を作った方が良いのは道理である。よって再開発組合では、東急に対して正式に改札口の建設を申し入れている。また地元の区議も東急に対して申し入れを行っている(⇒かもしだ区議)。要は交渉継続中ということであり、可能性はあることはある。

ただ、あのケチ東急が申し入れだけで簡単に首を縦に振ることはないだろう。資金面での補助を要求してくるはずだ。上一町会再開発にそんな金はないから、区がどれだけ出すがが鍵かもしれない。

旭化成さんどうか地域のことを考えた開発にしてください。都内の人々が一度は行ってみたいと思うような開発を願います。

既に書いたように、旭化成は単に「できた物を売る人」であって、何を作るかを決める権限は殆どない。あくまで権限は再開発組合にあり、地元地権者にある…はずなのだが、上一再開発ではそれがちょっと怪しい。

「設計コンサルタントは設計の案を提示し、地権者が承認する」と言えば、イメージとしては
  • 設計コンサルタントが複数の案を提示する
  • 地権者がその案から、一番良い案を選ぶ
  • 選んだ案を地権者が修正する

という流れを想像するだろう。

しかし、私が知っている限りでは、コンサルタントから複数の案が出てきたという記憶はない。私が説明会に行った時は、既に「こんなものを作ります」という状態であった。また、その案に対して地元地権者が修正意見をつけても、「工期が延びるので」「事業費がかさむので」「都との調整が」と多くは潰されてしまった。

これでは、果たして「地元地権者に決定権があり、地権者が開発の責任を負う」と言えるだろうか。結果、地元民の中には「俺たちは設計に関わってないし、そんなんで街づくりの責任を問われてもなぁ」「コンサルタントの言うことを認めるしかないんだろ」という倦怠感が形成されていると言っても過言ではない。
じゃあ、コンサルタントが「再開発で作る街の責任を負います」と言うかと言えば、それも無いだろう。

じゃあ、誰が上目黒一丁目の街づくりに責任を持つんだ??

結局「上目黒一丁目をどんな街にするのか」というマスターコンセプトもなく、それを作る権限を誰が持つのかも不明なまま、工事が進んでいるのが、上目黒一丁目再開発の現状なのだ。このままで、再開発が成功に導かれるかは、少々、覚束無い状況なのが課題である。

ともあれ、多くの人が興味を持っているのが「どんな店が入るのか」ということたろう。これは現状では未定としか言えない。

再開発によっては、区域の一等地を組合で取得し、組合主導で「どんな店を入れるか」という店舗計画を立てるものもあるようだ。例えば、代官山アドレスでは、当初より「スーパーマーケットを誘致し、それを核にした街づくり」を計画していたそうである。そういう再開発では、割と早い時期から街のイメージが形成されやすい。

ところが、上一の再開発では、区域の一等地は地権者に配分されることになっている。そこを地権者がどう使おうが勝手なのだ。したがって、再開発後の将来像が知りたければ、各地権者に聞いて回るしかない。ここでもまた、区域のマスターコンセプトが不在である。

ただ、再開発前にあった店舗は戻ってくるのが基本としてはある。したがって、ラーメン横丁だとか、文房具屋だとか、時計屋、本屋といったものが、店舗ゾーンに入る可能性は高いとは言える。

再開発の歴史や、再開発の詳細については、また述べることにするが、とりあえず概略はこんな感じだ。若干「グダグダ」化している状況がお分かりいただけたであろうか。

中目黒あかりまつり

2007-12-27 03:22:57 | 中目黒再開発
12/10から12/24まで、中目黒GTでは「あかりまつり」なるイベントが行われていた。
また最後3日間は、大階段を閉鎖してのコンサートなども行われたようである。




それなりの人出もあり、そこそこ賑わっていた。



要はクリスマスイルミネーションなわけだが、それを「あかりまつり」と命名してしまうあたり、中目黒の垢抜けない感じが出ていて良いのではないかと思う。GTにある謎のオブジェも並べられていることも不思議だが、それがあまり効果的なイルミネーションと言い辛いところも、野暮ったくて中目黒らしい。



オリジナルクリスマスツリーのイベントと思しきものもあったが…。
「まぁ、アートなんですよね、コレ」って感じで(苦笑)。



「再開発されると中目黒らしくなくなる/なくなった」と人はしばしば言うが、本当にそうだろうか?普段、そういう話を聞かされて、頭に「再開発=元の街が失われる」と刷り込まれてはいないか。実際の街を素直な目でみることなく、色眼鏡で「再開発とは、そういうものだ」と決め付けてはいないだろうか。

中目黒以上に「個性ある街」とされ、また再開発でゆれている下北沢について、漫画家のしまおまほさんという方が面白い見解を述べていた。

なんか再開発とかで、チョット騒いでますけど、何年経ってもシモキタ精神は変わんないんじゃないかなあと。 みんなが心変わりしなければ。心変わりせずに、レコード屋とかあり続けてそれを追い求める人がいるなら。もし開発されてもなんとなくシモキタであり続けるんじゃないかなと思いますけどね。
http://house.aol.co.jp/interview/21shimao.html

街を作るのは、建物というハードだけではないはずだ。そこに住む人・集まる人がいて、その精神性というものもまた、街の文化の形成に大きく影響しているはずである。そして、その精神性が変わらなければ、新しい街の端々にも元の街が残っていくのではないか。そして、また同じような「街の文化」の形成が成されてゆくのではなかろうか。

そんなことを感じた「あかりまつり」であった。

理由がまぜこぜ

2007-12-26 03:35:16 | 中目黒再開発
以前から述べている通り、町の再開発(上目黒一丁目再開発、上目黒二丁目再開発)と駅高架下工事を混乱している人はかなり多い。
この方もその一人なのだが…。


中目黒の高架下もついに再開発が始まった。昭和63年に立ち上がった計画がいよいよ本丸へ。周辺建築物の老朽化、木造建築物密集による火災の恐れ、駅前の混雑解消、土地活用、商業発展など目的や名目はさまざま。
(略)
地権や利権を巡る思惑もあるだろうし、地域の発展に貢献もするだろうし、なにが正しくてなにがいけないことなのか判断するのは難しい。やみくもに異を唱えるつもりはないけど、風景なども含めてせめて環境のことは考えてほしい。
http://blog.goo.ne.jp/toshihiko_mnb/e/00bd24bc92f0a4ce6c6d9e25599f9321

文章としてはいかにも「もっともらしい」内容である、が、根本的に間違っている。その点で、ある意味、非常に悪質な間違いとも言える。

そもそも「昭和63年に立ち上がった計画」は街の再開発に関する計画であり、そして「周辺建築物の老朽化、木造建築物密集による火災の恐れ、駅前の混雑解消、土地活用、商業発展」というのは、「上目黒一丁目の再開発」について区がまとめた分析結果である(⇒中目黒地区整備課のページ)。再三、言っている通り、ガード下の工事とは全く関係のない別の案件だ。別の案件なのに「本丸へ」も何もあったものではないのである。

にも関わらず、それをこの方は半端に聞きかじって、ゴチャゴチャに混ぜ合わせ、ガード下の工事に関するもっともらしい文章をでっち上げてしまったわけだ。いわば、外国の新聞紙社が、安部前総理の写真で、福田総理の記事を載せるようなもの。なまじ事実が元になったしっかりした文章だけに、読んだ人が間違いを信じてしまうリスクが高い。

しかも、このページは東京グルメのほか、あちこちのページにトラックバックしている。よってこの文章は目に付きやすく、これを読んだ人は「そうか、ガード下は再開発なのか」と信じ込む。

おそらく、書いた本人は全く悪気もなく、むしろ自分の文章のまとまりの良さを自画自賛しているのではなかろうか。それで、間違いがもっともらしく広められてしまうというのは、ハタ迷惑な話である。

「東横線中目黒駅拡張工事」 (その2)

2007-12-22 06:47:41 | 中目黒再開発

■おさらい


ガード下の工事については、前回(その1)では

  • 工事は基本的に耐震補強工事であって、再開発という確証はない。しかし、不自然な面も否定はできない。
  • 工事の第二の目的「2012年に東横線と新しい地下鉄が直通運転を始めるための準備工事(ホーム延長と拡幅)」がポイントかも知れない。

という所まで述べた。

今回は「拡幅」とは一体どういうことかということについて考察しようと思ったのだが、どうも、それ以前の初歩的な情報について確認が必要に思えてきた。

たとえば、いくつかのブログで以下のような記述が散見されるのである。


東急東横線中目黒駅ガード下の風景です。
東横線の地下化でこのガード下の風景を見る事はできなくなります。
http://ayuwill.exblog.jp/6473348/


中目黒駅はどうやら地下鉄になって、池袋までつながる?とか。
http://g-wagaku.cocolog-nifty.com/wagaku/2007/12/post_e24c.html


中目黒もすっかり変わってしまってるし、今も線路が地下に潜るとかでガード下のお店が無くなっちゃってるし…。
http://inufuna.way-nifty.com/rouhi/2007/05/post_e565.html


その他、以前挙げたこのブログなども、どうも「東横線が地下になるので、中目黒の高架が無くなる」と思っているように読める。

結論から言えば

中目黒駅は地下駅にはならない。今までと同様の高架駅である

ということになる。
すなわち、今回の工事が終了して、仮に東急が「以前と同様に飲み屋を入れよう」と考えるとすれば(可能性はあまり高くなさそうだが)、以前と全く同じ「庶民的な」「サラリーマン街的な」雰囲気が戻ってくるのである。

前出のブログは、どこかから半端な情報を仕入れてきてしまったようだが、ここまでいかなくても「どうやって乗り入れするのか、知らない」という人も少なくなさそうだ。
少し、東急の発表内容を中心に整理しよう。

■まず、東横線がどうなるのか


来年、2008年6月、東京地下鉄(旧・営団地下鉄)の新しい地下鉄「副都心線」が開通する(⇒東京地下鉄のページ)。この地下鉄は、渋谷から池袋を経由し、東武東上線の和光市駅までを結ぶ。池袋~和光市間は、既に開業している地下鉄有楽町線と区間・線路を共用する。



ちなみに、副都心線の範囲については「渋谷~池袋まで」という情報と、「渋谷~和光市まで」という情報があり混乱している。これは

  • 有楽町線新線として開通している「池袋~小竹向原」
  • 有楽町線として開通している「小竹向原~和光市」

が、本来「副都心線」であるためで、この区間を副都心線と改名するのかどうかが不明だからである。ただし、運転区間は「渋谷~和光市」である。

そして、東横線は2012年(予定)よりこの副都心線と直通運転を開始する。
直通区間は、公式発表が確認できていないが

東武東上線・西武池袋線から東京メトロ有楽町線・副都心線を経て、東急東横線及びみなとみらい線までがひとつの路線として結ばれ、首都圏の広域的な鉄道ネットワークの一翼を担うこととなります
http://www.tokyu.co.jp/railway/railway/east/pr/13go.html

とされていることから、地下鉄副都心線を経由して、東武東上線や西武池袋線との直通運転も実施されるものと推測される。

つまり、将来、東横線には「川越市」行きや「小手指」行きが走る可能性があるということだ。

副都心線に関しては、以下のサイトが極めて詳しい。
興味のある方は参考にされたい。

●参考資料
情報交通ホットライン/副都心線沿線情報館

■地下化の内容


この直通運転に伴い東急東横線は、渋谷駅、および、渋谷~代官山駅の手前までが地下化される。代官山駅はホームが若干(1メートル程度?)半地下になる見込みである。

渋谷駅手前~代官山にかけては、現在の東横線の真下にトンネルが掘られる。この工事は、目黒線の地下化やみなとみらい線への直通工事でも用いられた「直下地下工法(STRUM工法)」が用いられると予想される。

この工事については、東急より詳細な工事予定図が公開されている。以下、当ページを見られている方の利便のために、図を転載する。




※東急電鉄発表の図より改変転載(必要部分の抽出・サイズ変更)
※※クリックすると転載元の東急のページに移動。

渋谷駅は建築家の安藤忠雄デザインの「地中船をイメージした駅」になる。場所は地下3階になるため、JR線や銀座線、井の頭線などとの乗り換えの便はかなり悪くなりそうだ。逆に、田園都市線・半蔵門線との乗り換えの便は向上する。また、東急文化会館の跡地は再開発され、新・渋谷駅と連結される。

新・渋谷駅については、以下のサイトが詳しい。
興味のある方は参考にされたい。

●参考資料
ケンプラッツ:ぴろり、の土木日記
シブヤ経済新聞:新渋谷駅は「地宙船」をイメージ-安藤忠雄さんデザイン
シブヤ経済新聞:渋谷・文化会館跡地の再開発計画明らかに-高層ビル建設へ

■では、中目黒駅の工事は何か?


上記の通り、地下鉄との接続のための工事が行われるのは代官山までであり、中目黒が地下化される計画など、全く存在しない。

では、何の工事が行われているのかというと、既に何度か述べている通り

  • 高架橋の耐震工事(国土交通省の指示のため)
  • 高架橋の拡幅工事(地下鉄との乗り入れのため)
  • ホームの延長工事(地下鉄との乗り入れのため)

である。
特にポイントとなるのは「ホームの延長工事」だ。

地下鉄副都心線は10両編成で運転される。ところが、現在の東横線は8両編成での運転である。そこで東急では、特急・通勤特急・急行列車を10両編成に伸ばすことにしたのである(各駅停車は8両編成のまま)。

このため、2012年までに東横線の特急・急行停車駅の全ての駅で、ホームを2両分(40m)延長する工事が行われる予定となっている。手始めとして、中目黒のホーム延長工事が始まった、というわけだ。
ところが、中目黒のホームをそのまま延長することはできない。40mのホームを建設するだけの用地が無いからである。そのため、高架橋の拡幅工事が必要となるのである。

こういう背景を知っていれば「そのうち学芸大学のガード下商店街でも似たような立ち退き騒ぎが起こるかもしれない」という予想が成り立つ。学芸大学もホーム延長があるのは同じだし、おそらく拡幅が必要になるのも同じだ。とすれば…というわけだ。もちろん、立ち退き無しで工事が実施される可能性もある。

今回はここまで。
次回はようやっと、拡幅の考察ができそうだ。

なお、副都心線との直通運転のための工事に関する情報は、以下の東急の発表からも得られる。

●参考資料
東急からのお知らせ
東急線の取り組み:東京メトロ副都心線との相互直通運転に伴う東横線渋谷~横浜間改良工事

→その3へ

駅がそんなに拡張しないって

2007-12-21 02:24:47 | ブログ突っ込み
かなり古いブログ記事だが。


何かとお世話になっていた愛すべき定食屋、このたび中目黒の駅の開発で立ち退きが決まりこの日閉店最後の日ということで、、、ってなんでだ!!!!!
みんなにあんなに愛されてたのに!!!駅なんか拡大しなくていいよ!!!
⇒そのブログへ

この店は、私も山手通り拡幅の件の時に取り上げたラーメン屋である。で、その店の位置は以下の図に赤で示した所なのであるが…。


google mapより作成

いったい、どんだけ駅を拡張すると思っているのか。これだけ駅から離れているビルが、駅の拡張で立ち退きって、少しは「おかしい」って気づかなかったんだろうか?

実際の所、私もこの店の閉店理由は知らない。したがって、あくまで推測するしかないのだが、「山手通り拡幅工事」の方の影響と考える方が普通であろう。少なくとも、この店舗が山手通りの拡幅予定地に建っているのは間違いない事実である。

それはさておき。

もしかすると、私の指摘を見て「そんな細かい理由の違いなんかどうでも良いじゃん。この人が好きだった店がなくなるのは事実なんだし」と思う人も少なくないかも知れない。確かに、それは一理ある。

ただ、そんなに大好きな店が無くなるのであれば、「その憎っき理由が何なのかをキチンと調べたい」となぜ思わないのか、が私には不思議なのである。

例えば、自分の大事な物が壊されたとしたら、その犯人が誰なのか、知りたいと思うのではなかろうか。「大事な物が壊れたのは事実なのだから、犯人なんか誰でも良い」という人が皆無とは言わないが、あまり居ないのではないかと思う。

もちろん人それぞれで良いのだけど、私には不思議でならないのである。

東急さん、って言われても

2007-12-21 00:10:29 | ブログ突っ込み
ブログやページを見ていて「ちょっと気になるなぁ」というものがある。
「事実誤認」というほど大げさでもないけど「ちょっと違うんだよ」というような。

そんなわけで「突っ込み」カテゴリーを作ってみた。


近い将来、変貌を遂げる自宅の最寄り駅付近といい、中目黒といい、
再開発しすぎもどうかと思うよ、東急さん。
⇒ブログへ

うーん。今まで書いてきたとおり、ガード下の工事を「再開発」と括っちゃうのは、ちょっと違うし(最終的には新規の店を入れるとは言え)。
駅前の再開発は東急がやっているわけじゃないし。

地元の人に聞いた話は、みんな事実か?

2007-12-09 15:07:08 | 中目黒再開発
先日、初めてのコメントがあったが…(苦笑)。

そのコメント者の愚かさについては既に立証した通りであるし、大半の部分については改めて述べるまでもないだろう。ただ、1点、「私は当事者から聞いているのだ」という部分に対して「必ずしも当事者というほど、情報を持っていないだろう」と否定的に返答した部分については、補足が必要だと思う。

実際、当事者だからといって、必ずも正確なことを言うわけではないという証拠をお見せしよう。これは、あるお店に掲げられた、移転の挨拶である。



既に説明した通り、今回のガード下の工事は、基本「耐震補強」なり「ホーム延長」なりというべきであって「再開発のため」に移転したわけではない。この挨拶を出した店舗は、自分がなぜ移転するのかを、正確に理解できていないのである。

では、なぜ、こんなことがおきるのか。私の言う「必ずしも当事者というほど、情報を持っていないだろう」とはどういうことが。

そのヒントは、以下の記述にある。

実際に立ち退きの交渉をしているのは東急ライフィアである。
(略)
また、ガード下を長年賃借して営業している人でも東急電鉄は転借人(賃借人から賃借している人)とは交渉しないと言う。東急電鉄は契約名義人だけと立退きの交渉をする方針と説明し、実際に営業している転借人が問い合わせても一切対応しないという。。
東急電鉄の中目黒ガード下立ち退き要請に反発

つまり、ここで述べられている「ガード下の交渉の状況」を図にあらわすと、以下のようになる。

東急側が転借人(店の人)と直接話しをしないということは、店の人の持っているのは「伝言ゲームの末端部」の情報でしかない。

店長=賃借人(名義人)という店であれば、店の人の言うことは、それなりに信用できるかもしれない。しかし、店長が転借人だったり、ましてや単なる雇われ店長だったりした場合、彼らの知っている情報の信憑性は極めて心もとない。伝言ゲームの途中で間違ったり憶測が入ったりした情報を、さらに客は伝言ゲームで聞くのである。

コメントの言う「当事者(みせ)の声を聞いているからこうゆう話になっている」がいかにアテにならない話かお分かり頂けただろう。

そもそも、関係者だからといって、再開発や工事の全容を知っているわけではない、というのは、私自身が証拠なのだ。なにしろ、私は(ガード下の方ではないが)街の再開発については「当事者」だというのは、既に述べた通りである。
その私が「全部はワカラン」と言っているのだ。

自分が直接の当事者である再開発についてすら、私は半分も詳細を知らないと思っている。定期的な会議の案内は必ず来るが、平日の昼間に開催しているため、私は出たことがない(出席しているのは、地元の地主や自営業、定年後の人が中心である)。その理事会でだって、重要な議題について検討するものであって、ゼネコンの裁量に委ねられている部分については、取り上げられない部分も少なくないようだ。

もちろん、私も含め、地元の関係者は「××の資料を見せてくれ」といえば、結構、いろいろなことを調べられる立場にある。逆に言えば、相当に能動的に調べようとしない限り、自然に詳細な情報が入っているわけではないということだ。

直接の関係がある話題についてすら、こんな状態なのだから、他の案件(私から見るとガード下の工事や、山手通りの拡幅など)については、詳細については、まるで分からないと言わざるを得ない。居住が長い分だけ多く背景を知っており、入ってくる情報の信憑性をより正確に判定できるという程度の話だ。

だからこそ、ブログ開設の挨拶で「私の知っているのは、20%か30%程度だ」と述べているのである。

関係者だからといっても、知識のレベルはこんなものだ。まして、単に「地元の人」というだけでは、再開発や各種工事の正確な知識など、あまり期待できたものではない。それこそ「目黒銀座の商店街のオッチャン」程度では、どこまで正しい知識を持っているかなど、極めて怪しいものなのである。

当ブログからの各種ポリシー

2007-12-04 10:25:34 | トラバ・コメント・引用ポリシー
当ブログから、他ページに対する各種ポリシーは、まだ完全には決めきれていない。トラバやコメントを嫌う人もいるだろう。逆に、それらが無いほうが「影でこそこそやられているようで嫌」という印象を抱く人もいるだろう。

とりあえず、以下のようにする。

■基本方針


そのページ、ブログの方針が決まっている時は、基本的にそれに従う。
ただし「リンク禁止」「引用禁止」との定めには従わないことがある。

リンクについては「自由に張って良い」とする立場と「制限可能である」という立場とあるが、古くからのネット上の慣習、および、文化庁見解(政府答弁)著作権情報センター見解に基づき、当ブログは「リンク制限の根拠はない」との立場を取る。

引用については、著作権法上の定めに基づき、「引用禁止の法的根拠は皆無である」との立場を取る。以下の参考リンクを参照のこと。

もちろん、「事前に知らせてほしい」ということが明示されているのであれば、(可能な限り)それに従うのがマナーでもあろう。

■引用


引用しないと話が進まないことが多いため、著作権法の定めの範囲で、引用は行う。
引用する時は、「出所明示」として、そのページへのリンクを張るものとする。

■記事の運用


記事(エントリー)については、無断で追加や修正を行うこともある。基本的な方針は以下の通り。

  • 誤字脱字など、単純な修正は特に断らない。
  • 文章の論旨・結論などが変わるものについては、別のエントリーを起こして訂正するか、コメント欄に訂正情報を残す。
  • 記載内容の重要な修正・誤記訂正については、コメント欄に訂正情報を残す。
  • 論旨・結論が変わらない軽微な修正や、説明の追加・詳細化は、エントリーの文末に情報を残す。


当ブログに対する各種ポリシー

2007-12-03 22:51:24 | トラバ・コメント・引用ポリシー
クレームがあったのを機に、各種ポリシーを明確にしたいと思う。

当ブログに対する各種ポリシーは以下の通りである。

■トラバ・リンク


中目黒、または、記載内容になんらかの関連があるものであれば、自由。
ブログトップへのリンク、および、個々のエントリーへのリンク、共にOKとする。
ただしトラバについては、
  • 関連がないもの。
  • アダルトサイト、宣伝のためのサイト。
  • 当ブログからのトラバを受け付けず、コメント欄など他に当ブログへのリンクを張る手段がない場合。

は削除する可能性がある。当ブログに批判的なトラバであることを理由に削除することはない。

■引用


著作権法が示す引用の要件を満たす限り、許可する。ただし、必ず引用元として当ブログに対してリンクを張ること。条件はリンクのみとし、リンク時に当ブログの名称を明記するかどうは自由とする。

引用を、肯定的・批判的のどちらの文脈で使用しても構わないが、趣旨を誤解したものについては、補足のコメントや反論などを行うことがある。

■コメント


中目黒、または、記載内容になんらかの関連があるものであれば、自由。
コメントに返信するかどうかは当方の都合しだいとする。
トラバと同様に、宣伝などは削除する可能性がある。

また、当方の情報収集能力にも限りがあるため、中目黒に関する情報については随時歓迎する。エントリーの内容と関係なく、任意のエントリーにコメントして構わない。ただ、情報の出所を可能な限り示し、公式な内容か、単なる噂か判別できることが望ましい。

■当ブログに対する反論・批判について


トラバ・コメント・引用などにおいて、当ブログに対して批判的な内容や、誤りを訂正する内容を取り上げてくださることは歓迎する。
ただし、反論とは第三者にも理解・検証可能明確な根拠に基づいて行われるべきものである。以下のような記載は、記載者の知性を疑われるだけなので、ご遠慮なさることをお勧めする。コメントであれば削除する可能性もある。

  • 「私の周りでは、みんな貴方が間違っているって言ってます」(自分の周りが論拠。間違っているという根拠が不明)
  • 「多数派は××と言っている。だからお前の意見は誤りだ」(多数派=正しいとの妄想に基づく論理)
  • 「私はお前が間違っているとしか思えない。だからお前は間違いだ」(個人的な主観を論拠に、客観的な正誤を論ずる)
  • 「おまえ全然分かってないな。話にならない」(「分かってない」の具体的論拠なし。幼児が喚くのと同レベル)
  • 「うちの爺さんが『こんな馬鹿見たことない』って言ってたぜ」(検証不能。個人的主観。具体的論拠なし)

コメントの長さや、時間の都合により、一時的に根拠なしの反応(=反論と呼ぶに値せず)になることを責めるつもりはないが、なるべく速やかに「反論」とよべるレベルに引き上げて頂ければと思う。

■リンクを張り合う理由


上記において「当ブログへリンクを張ること」を条件としたものがある。また、当ブログは引用時、引用元ブログにリンクを張ることを基本とする。これは、アクセス数を稼ぐなどという理由ではない。

引用や紹介には、引用・紹介者が「都合の良い部分のみ取り上げ、引用元の趣旨を歪曲する」という危険を持つ。よって、ブログの読者が、自分の目で、引用元全体の趣旨を確認できるようにすることを目的とする。
他に、読者が異なる多数の視点で物を考えるのを手助けする、アクセス解析などで紹介されたことが認知できるようにする、などの理由である。

ブログで発言することと、その責任

2007-12-03 03:52:21 | 中目黒再開発
先のエントリーで「このブログの目的は、あくまで中目黒の開発・再開発の真実を知ってもらうことであって、他者をこきおろすことではない」と自分に縛りをかけたのだし、あまりキツいことを書くのも、我ながらどうかとも思うが…。

ブログ開設の挨拶において、「多くが思い込みに基づく間違いばかりである。例えば、このブログなど、いくらなんでも、間抜けにも程がある。(詳細な理由は後のエントリーで語る)」と書いて、そのままになっていた。他人を間抜けよばわりし、「理由は後のエントリーで語る」と言った以上、その責任は取らねばなるまい。

そのブログの内容とは、中目黒の魅力を「おしゃれ、混沌、閑静、自然。 色んなものが混じりあっているから面白い」とした上で(なるほど)、「だけど、駅近くの高架下の再開発。 次々と店が閉まっていく。 今日、ついに吉野家も閉鎖」とし、「名店も沢山消えた。便利にはなるのだろうけど、寂しい」と記載したものである。

最後の結論に対して、どうこういうつもりはない。
むしろ、気持ちは分かる。

しかし、吉野家はたまたま店内改装で数日間だけ閉店していただけにすぎない。入り口にもそういう張り紙がされていた。要は、工事の内容もよく確認せず、工事を見ただけで「ここも再開発かよ!」と早とちりしてしまったわけだ。
そもそも、ガード下の工事が何であるかを知っていれば「吉野家が工事範囲に入るのは変だ」と気づいただろうし、自分のブログに早とちりを書く前に「ちょっと工事の内容を確認してみよう」と冷静になることもできただろう。

そういうことも含めて「早とちりすぎ。間抜け」という意味であった。
まぁ、それを取り立てて非難する気もない。人間だもの、時に間抜けな早とちりをするのもご愛嬌だ。

ところが、先日、そのエントリーを見てみると、件のエントリーは削除されていたのである。

私が指摘したからかどうかは定かではない。たまたま、私の指摘のタイミングと一致しただけで、自分の早とちりに気づいて消しただけかもしれない。ただ、いずれにしても、何の一言もなく記載内容を消すというのは、悪く言えば、証拠隠滅を図ったと言われても仕方ないのではないか。

先日書いた「中目黒の商店街は再開発で駅前ビルに入れる人、立ち退きでそのまま行き場のない人が出て、分裂状態らしい」という話も同じだ。私の説明に対し、そのブログの筆者からは何らのアクションもない。誤った内容を記述してしまったことに対して、謝罪はもちろんのこと、訂正や弁明すらないのである。

確かに、耳にした噂が間違っていただけのことだし、謝罪するほどの話でもないから「謝罪、謝罪」と騒ぐつもりもないが、丸っきり「言いっぱなし」というのは如何なものだろうか?

私に対して謝罪だの弁明だのしろというのではない。そんなものは不要だ。

しかし、誤った内容で非難してしまった相手や、自分のブログの読者に対して、なぜ責任ある対応を取らないのだろうか?
たとえ個人のブログであっても、間違いはキチンと後始末するのが、物を書く者、情報を発信する者の良識であり、責任ではないだろうか。

…というようなことを下書きしていたら、駅の工事の件で引用したブログよりクレームがついた(どのブログかは見れば分かる話だが、リンクを張る是非が不明なので張らないで置く)。

いわく
  • ブログは勝手気ままに「ごく個人な意見」を発信するもの。主観の域は出ないにせよ、責任は持って然るべき。
  • しかし、他人のブログを引用して議論を展開させるのはいかがなものか。
  • 使うのなら、事前にコメントなどするべき。それがモラルだと思う。

というものだ。

この筆者が上記のように考えているのは理解した。が、私は、あまりに身勝手な意見だという印象を禁じえない。いろいろ細かな反論は(コメントしろと言うので)そのブログに記載したが、何よりも言いたいのは

自分が発言することに対して、甘えがあるんじゃないの?

ということだ。これは、このブログに限ったことではなく、多くのブログに見られることだし、私がこのブログを立ち上げた一因でもある。

自分(達)は、東急だったり再開発だったりに対して、批判的な意見を書いている。場合によっては、公式発表で分かるような部分に対して事実誤認を含んだ意見である。つまり、事実をロクに調査せず、自分の思い込みを軸に批判を公表した疑いすらあるということだ。

にも関わらず、自分のブログが(批判的な位置づけで)取り上げられたら文句を言うと言うのは、どうだろう?「事前に一言言え」というなら、自分も批判的な意見を書く前に、キチンとやるべきことをやったらどうだろうか。公式発表を確認する、関係者に確認を取り、関係者の反論も確認する…彼らが、そういうことをしたとは、到底思えないが。

「自分のブログで他人を非難するのは、気軽にやってしまう」が、他人にやられると不愉快になるとは、あまりに身勝手ではなかろうか。

「個人ブログだ」「個人的な意見だ」というのも、禁断の言い訳だろう(私も、こんなブログを立ち上げているリスクはいろいろ感じているので、そう言いたくなる気持ちは痛いほど分かるのだが)。

個人的ブログ、個人的意見なら、他人を誹謗中傷(事実無根の内容で他人を非難する)をしても良いということはない。公開範囲を無制限にしている以上、不特定多数の人間がそれを読み、事実と信じてしまう可能性を持っている。そこに発生する責任から逃げるべきではないし、逃げたいのであれば安直・無思慮に他人を非難するようなことは書くべきではない。

ブログで発言している人たちも、中目黒が好きで、中目黒を想うが故の行動なのは分かる。だから、あまりそれを非難して「中目黒について、気軽に発言できない」という雰囲気を作ってしまうのも、本意ではない。変な逆恨みをされて「中目黒が嫌いになった」となってしまっては、私としては本末転倒だ。

しかし、自分から正しい情報を集めようともせず、集めた情報を考察することもなく、ただ思い込みを膨らませてヒステリックに喚き立てる。場合によっては誤りも訂正しないし、逆切れもする…というのは、責任ある大人の態度として適切だろうか、ということなのだ。

山手通り拡幅で動きあり(速報)

2007-12-02 18:46:55 | 変化短報
駅から出て左側、歩道橋のあたりに理髪店があるが、年内で閉店するそうだ。
理由は山手通りの拡幅。

付近のラーメン屋が閉店し、建物が解体されたのも、同じ理由かもしれない。

この工事も20年も30年も前から計画されているにも関わらず、遅々として進んでいなかったのだが、ここに来て少しは動きがあるのだろうか?

とりあえず速報(と言っても、理髪店はもう11月くらいから閉店案内をしているので、今更なのだが)。

「東横線中目黒駅拡張工事」 (その1)

2007-12-01 07:50:22 | 中目黒再開発

■「東横線中目黒駅拡張工事」 (その1)


以前のエントリーで、中目黒の開発事業は複数のものから成ると述べた。
それぞれについて、少しずつ見ていこう。

まずは、現在、一番物議をかもし出している「ガード下工事」から。
ブログでは


「ホントの立ち退き理由はなに?耐震補強ってのは…でしょ~、…ちょっとキレイにして、母体が大きく安定して賃料の取れるツマんないチェーン店を入れるの?」(⇒該当ブログへ


「今回の再開発はガード下のお店をことごとく潰して恵比寿ガーデンプレイスのようなものを作るとか。」(⇒ブログへ


「あの高架下もいい感じだったのに、歴史を簡単に壊してしまうのも、風情を壊す事も開発なのでしょうか?」(⇒ブログへ


『「再開発」って街を「活性化」することが目的ですが(とおもっておりますが)中目の高架下につらなるお店の来る人呼ぶ人に「活気」はありませんでしょうか?!』(⇒ブログへ


などと言われている工事である。

しかし、この工事、あまりにも誤解が多く、誤った情報が蔓延している。

公式な発表によれば、工事の目的は以下の通りである。

  • 高架橋の耐震工事
  • 2012年に東横線と新しい地下鉄が直通運転を始めるための準備工事(ホーム延長と拡幅)

すなわち、以前述べた通り、この工事は厳密には開発・再開発ではない。
また、終了後にどんな店が入るかは、公式には全く決まっていない。

したがって、ブログで言われているような批判は、現状の公式発表から見る限りは、筋違いな批判である。

以前にも触れたとおり、この工事は、東急が事業主となって行っているものであり、地元とは一切関係がない。東急は、元々地元への情報公開は積極的ではないため、地元でも正確な情報をイマイチ掴みきれずにいる。結果、それが余計な憶測や噂の元になり、的外れな批判を生む一因にもなっていると思う。

中目黒付近は、東横線開業の昭和2年から高架線だったということであるから、この頃の建築物がそのまま残っているとすると、築80年となる。
日比谷線開通時に作り直した部分にしても、日比谷線が昭和39年開業だから、築40年以上である。鉄道建築物の耐用年数はかなり長いようではあるが、それでも古い施設であるとは言えよう。
メンテナンスが必要という公式発表には頷けるものがある。

■公式発表はどこまで信用できるか


もちろん、現状の公式発表は、所詮は「現状」で将来変わる可能性があるし、いわゆる「大本営発表」「建前」の側面を持つ可能性はある。
いくつかのブログが言う「中目黒ブームに目をつけた東急の、金儲けのための再開発」という主張は正しいのだろうか?
それとも「再開発」論はただの「陰謀論」で、事実は単なる耐震工事なのだろうか?

単なる耐震工事であると信ずる根拠はいくつかある。

  1. 同時期に、沿線各地で同様の耐震補強工事が行われていること
  2. 工事範囲が駅前に限らず、広範囲に渡っていること

(1)について言えば、例えば、都立大学ガード下の東急ストアも、似たような耐震補強工事で、一時仮店舗への移動を行っている。
また、鶴見川の橋梁の補強工事も実施されているとのことである。
学芸大学付近でも耐震補強工事をやったという話もある。

そもそも、東急のH.17.3.20の運賃改定申請のP.15の中でも、平成16~19年にかけて、東横線の広範囲にわたって高架橋の耐震補強を実施することは記載されている。

すなわち、工事は中目黒のガード下に限ったことではないということである。故に「中目黒ブームに目をつけた東急の再開発」説は棄却される。

(2)の観点で言えば、現在、立ち退きが進んでいるのは以下の範囲である。


Yahoo地図情報より作成)

駅前から、中目黒~祐天寺の中間に至る範囲にまで及んでいる(点線の部分は取材不足のため未確認)。

噂の一つである「東急ストアが入る」にしては範囲が広すぎるし、駅前はともかく
中目黒~祐天寺の中間点まで東急が再開発しても旨みはないだろう。
この意味でも、「中目黒ブームに目をつけた東急の再開発」説は棄却されるのである。

■では単なる耐震工事のみなのか?


以上の考察からすると、単純に「耐震工事」ということになりそうだが、一方で、疑念を感じる部分も存在する。
単に耐震工事であれば、工事後、賃借人を元の場所に戻しても構わないはずである。ところが実際には、賃借人が元に戻るどころか、工事後がどうなるかすら、未だに発表がない。

発表がないのは、実際にまだ決まっていないのかもしれない。しかし、「地元には言えない何かを、東急が企んでいるのではないか?」という疑念もまた、否定する根拠がない。

ここでポイントになるのは、工事の第二の目的「2012年に東横線と新しい地下鉄が直通運転を始めるための準備工事(ホーム延長と拡幅)」かも知れない。
引き続き、この部分について、考察を進めることにしよう。

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