以前、この中目黒駅の周辺の再開発計画区域内にあった低層の店舗、戸建住宅、アパートの人達は何処で行ってしまったのだろうか?
http://ameblo.jp/yuzutetsu2951/entry-10294060684.html
再開発地域を見てこういうことを感じる人は少なくないだろう。
これについては、GTの再開発と、上目黒一丁目(ナカメアルカス)の再開発では少々異なる結果となっている。
再三書いているが、GTの再開発も、アルカスの再開発も、元をたどれば住民が「よりよい中目黒にしたい」と願ったところから始まったものである。「住民のため」と「中目黒を利用する人のため」の両方を願った再開発だった。
しかし、GTの再開発では、当初の願いとは異なる動きとなる。経緯は私も詳しくはないが、結果として見れば、再開発を担当したゼネコン(フジタ)が街の93%の権利を取得することになったという(93%は共産党の情報であり信用できるか不安だが。「93%の権利」が何を100%とした権利なのかも良く分からないし)。これにより大半の元の住民は中目黒を離れることになってしまい、僅かな地権者しかGTに残ることができなかった。
その意味では「住民のため」の再開発にはならなかったのである。
一方でナカメアルカスの再開発では、このGTの反省も踏まえ、「基本的に買収はしない」再開発を選択した。地権者は持っている土地・建物を金額として評価され、それに応じて再開発地区の建物の権利を得ることができる(等価交換という)。もちろん、等価交換を希望しない権利者は権利に応じた金銭を受け取ることができる。この原則は土地所有者は勿論、借地人、借家人にも適用された。
もちろん残りたくても残れなかった人もいる。特に借家人はその傾向が強い。借家人は優先的に再開発ビルに戻ることができた。しかし現実的には、再開発ビルの家賃は高く、故に再開発地域に入ることを断念した人が多い。ただ借家人が全て追い出されたかと言えばそんなこともなく、たとえば東邦マッサージなどはアルカスへの復帰を果たしている。
借家人には難しい結果となったが、中目黒に土地や建物を持ち、古くから上目黒一丁目町会で「顔が知られている」人の殆どは、何らかの形でナカメアルカスに残っている。地権者は再開発ビルを一般よりも安い価格で分譲してもらえる。よって等価交換で得た分に、地権者優先分譲で買った分を加えて、アトラスタワーに居を構えた人が多いのである。アトラスタワーは普通に買えば億ションだが、等価交換と優先分譲を使えば、そこそこ手の届く値段になるそうだ。
従って、最初の「どこに行ったのだろう」という問いかけの答えは「わりと多くの人がアトラスタワーに住んでいるよ」ということになる。
また区営住宅に住んでいた人の一部は、新しくできた区営住宅(C棟)に入居するようである。
中目黒の再開発は「住民のため」と「中目黒を利用する人のため」の両方を願っていると先に書いたが、少なくともナカメアルカスは、「(古くからの)住民のため」の再開発としては成功していると言えるのではないだろうか。もちろん、アトラスタワーに住めることが住民にとって幸せだとすれば、だが。
Wikipediaで調べたところ「土地は地主が、建設費は開発者が負担して建物を作り、完成後にそれぞれがそれぞれの出費の割合に応じて土地と建物を取得する開発方法を指す。」とありました。
貴殿記載の「地権者は再開発ビルを一般よりも安い価格で分譲してもらえる。よって等価交換で得た分に、地権者優先分譲で買った分を加えて、アトラスタワーに居を構えた人が多いのである。」とありました。
優先分譲とはいわゆる「卸値」で購入の事でしょうか?
税法上では以下のサイトを読んでみたところ、なかなか難しく貴殿サイトを拝見しながら学んでいきたいと考えています。
http://www.tamagoya.ne.jp/tax/tax063.htm
>優先分譲とはいわゆる「卸値」で購入の事でしょうか?
卸値と言えばそうなんでしょうが、それを計算するのはゼネコンであったり設計事務所だったりするわけで、彼らの言い値という見方もできるかと思います。
下記2点について教えていただけないでしょうか
1.GTの再開発も、アルカスの再開発も、元をたどれば住民が「よりよい中目黒にしたい」と願ったところから始まったものである。
2.これにより大半の元の住民は中目黒を離れることになってしまい、僅かな地権者しかGTに残ることができなかった。
その意味では「住民のため」の再開発にはならなかったのである。
一方でナカメアルカスの再開発では、このGTの反省も踏まえ、「基本的に買収はしない」再開発を選択した。
上記2点についてですが、分断して抽出するとブログ記事を湾曲してとらえているとご指摘いただきそうですが、共通して言える事は二つの再開発事業ともに「第一種市街地再開発事業」であり、この「第一種」は「基本的に買収はしない」ではなく、「買収はない」のが「第一種」です。
何ゆえに「買収はしない」と論じられたのでしょうか?
本来、買収は「第二種」であり、デベロッパーは行政機関からの支援が受けられませんが、「第一種」の場合は、「住民、地権者からからの要望」という建前で進める事が出来ます。
再開発に伴う準備組合設立前に、再開発に関係するデベロッパーの下請け、又は関連会社が「買収」し「地権者」となり、「住民、地権者」となれば「第一種」となりえます。
権利変換前に転居された方々は「買収」によって他へ移ったのでしょうか?
若干、何を聞かれたいのか分からない部分もあり、的を外した回答になっていたら申し訳ありません。
まず、第一種市街地再開発事業においては「土地の買収」は無いわけではありません。第一種市街地再開発事業のキモは土地所有者や借家人といった「地権者」に対して(権利を金額としてあらわし)等価交換で対応する、ということです。
権利の大きさを金額で表すわけですから、再開発組合設置前だろうが、後だろうが、その権利を売買することは可能です。ですから貴方の言うように、デベロッパーが地権者となって…という状況も発生するわけです。
ちなみに、第二種については防災上などの緊急性があるもので、公共団体しか実施できなかったはずです。デベロッパーが買収するということはありません。
資産価値が上がって、固定資産税が高騰するとを含めて「住民主体の再開発」は成功したのでしょうか?