中目黒再開発の事実

中目黒の再開発・工事について。少しでも事実を伝えられれば…。

ナカメアルカスの店舗

2009-10-01 23:50:41 | 中目黒再開発
あるブログを見ていたら、アトラスタワーのテナントとして音楽スタジオが入るなどと断言しているものがあった。しかし、現状でそんな予定はないし、おそらく将来的にもないだろう。どこで聞いたかユニクロが入ると断言するブログもあったが、それも有り得ない。また、以前「新規にファーストフードが入ることはないだろう」とも書いた。

なぜ、そんなことが言えるのか。
それは、そんな大きな区画がアトラスタワーにはないからである。違う言い方をすれば、アトラスタワーの店舗の区画は非常に細分化されていて、大きな面積を必要とするテナントは入ることができないのである。

これはナカメアルカスの再開発(上目黒一丁目再開発)が、地権者主導で進んだ弊害である。

逆に、ゼネコンの買収により、ゼネコン主導で進んだGTの再開発と対比してみると面白い。GTの再開発ではプレッセという基幹店舗が入り、スターバックスという比較的大きな店舗が入っている。その他の店舗も比較的床面積が大きい。これはゼネコンの買収により地主が少なくなったことで、ゼネコンの意図しだいで店舗の一区画の大きさを決められたためなのである。

ところが、ナカメアルカスは地権者を追い出すような開発ではなかったため、多数の地権者が存在する。そのため、各地権者の権利の大きさに合わせて、沢山の小さな区画を作らざるを得なかったのである。そして、各区画ごとに地権者が入居する店舗を探すため、街の統一コンセプトが出来なくなってしまった。

もちろん、ナカメアルカスにもジオ・アカマツという商業コンサルが居て、当初は「場所にあわせて物販・飲食のエリアを作る」とか「同様の業種は1業種としてダブらないようにする」とかいう計画もあった。

しかし、個々の区画で大家さんが異なるため、大家に「そんな店は嫌だ」と言われてしまえば、商業コンサルはそれに従うしかない。しかもこの不況で、再開発ビルの高騰した家賃を払えるような店は限られている。

結局、似たような業種の小さな店が並ぶような計画になってしまった。

再開発で、札束で顔を叩いて買収するようなやり方は、多くの人が嫌悪感を示すだろう。しかし、そうやって区画を大きく纏めた方が、大型の店舗が入りやすく、再開発地域のマスタープランが立てやすいのである。

ナカメアルカスに入った店舗を見て「小ぶりな店ばかりでイマイチだなぁ」と感じるとしたら、地権者を大事にしたデメリットが出たものと考えると良いだろう。なかなか再開発というのも、あっちを立てればこっちが立たずで難しいものである。