とある大学の先生と話をする機会がありました。
一番、お金が掛かる学術研究は何か?
理学、工学、文学など様々ですけど、やはり理学ではないかと。というのは、工学は理論の上に成り立っていて、開発に掛かる時間や予算をある程度見積もることができる。文学は高額な機器等は不要。でも理学は、開発ではなくて探求と発見の旅。だからこそ、まだ見ぬ大発見のために、その分析のために、成果が出るかどうかに関わりなく、時間も人もお金も掛かる、ということなのです。
確かにそうだと思います。一台数百万円する機器の多くは、測定に関するものだったりします。精密な測定や管理が必要であればあるほど高額ですよね。
そして、医療でも農業でも工業でも、実際には自然界の様々な発見の上に成り立っているわけで、発見したこの応用なわけです。だからこそ、本来は発見のためにコストを掛けなければいけないんですが、多くの場合、理学系の先生たちは「趣味でやってるんでしょ?」と言われてしまう。
そうかもしれません。趣味かもしれません。でも、そういう人たちの地道な働きの上に、現代の科学技術の全てが成り立っているのも事実ですからね。
もちろん、どんな学術分野も大切だと思います。ただし、絶対的に掛かるコストが違う。にも関わらず、多くの人は、同じだけの予算を割り当てることが公平なことと勘違いしているような節を感じてしまうのです。
発見と分析なくしては、次の開発は有り得ない。そういうスタンスで、自分もいろいろなことにチャレンジしていきたいと思いました。