Cool Flame Blog

小物から大きなものまで。独自の視点で「より良いもの」を幅広く。タブレットPCから始まって拡張しました。

地震のこと

2011-09-18 02:42:57 | Construction

仕事柄、と言っていいのか分かりませんけどね。

地震対策のことはとても気になります。そんなわけで、自宅には自分の身長よりも高い家具は、三つしかありません。

冷蔵庫、食器棚、そして軽い本棚。ちなみに本棚は、三分の一も入っていません。

今の日本の家屋は、基本的に震度6までしか耐震性能を期待できない仕様になってますよね。だから、基本的には建物は信頼していないんです。

実は建築業界にはそれなりに所縁がございまして、家づくりに興味を持っているのもそういう流れがあってのことなんですが、CADを習得したり構造計算を勉強したり木材のことを調べたり、数々の一級建築士の方や建設業経営者の方達との出会い、接点から、安心できる家というのが見分けられる様になってしまいましてですね。

街を歩いていると、今ここで震度7を超える地震が10秒発生したら、どの家が壊れて住めなくなるかとかをシミュレーションしてたりするんです。

そんな私がですね、先日、仰向けデスクを考えようってんですから、悩みに悩みます。

だって、仰向けの状態でタッチパネルディスプレイを操作するということは、顔の上にディスプレイが来るってことですよね。

そんな時に大きな地震が来たら危険じゃないですか。

という観点で考えておりましたら、また部屋の模様替えをしたくなって来ました。

コレはもはや「模様替え」ではないですね。

いずれにしても、寝転んだ状態でPCを扱うということは、障がい者用の商品というのも調べて見る価値があるということだと思います。

こういうことをキッカケにしてでも、世の中の様々な障害を抱える人の苦労について考える、触れるというのは大切なことではないでしょうか。

そんなことをボヤっと思いましたので、ブログに書きました。



キッチンが不便

2011-09-02 22:24:35 | Construction

キッチンにこだわる人って結構いるんですよね。でも日本のキッチンって、すごく狭い。外国のキッチンと比べてみるとその差がよく分かるのではないでしょうか。家の大きさの問題もありますが、人間にとって「食」というのは絶対的に重要なことなのに、それを生み出すキッチンというのが快適でないという発想が、よく分からない。個人的には、調理場というのは広くないといけない。快適でないといけない。ダイニングと一緒にしても悪くはないんですが、「キッチン」と呼べる領域は凄く広くないといけないんです。

キッチンが広ければ、そこでコミュニケーションが生まれます。いざという時にキッチンで会話だってできます。子供が親に相談したいことがあるとき、子供に料理を教えるときなども、キッチンが広ければ快適です。ダイニングと一緒だと、広くてもプライバシーがなくなるので、それも難しくなりますよね。だから本来、キッチンというのは、コミュニケーションの場所でありながらも、ダイニングとは分けて考えてもいいと思うのです。リビングとひと続きにしてもよいのですが、距離は離すといいですよね。

キッチンにスペースを取ってしまうと子供部屋や寝室が狭くなる、と考えますが、子供が子供部屋に閉じこもるのは親としては避けたいのでは?寝室は寝るときに使うことがほとんどでは?一日の多くを活動的に過ごすわけではない空間ばかり広くして、「食」を生み出す台所が狭くて居心地が悪いとすれば、その家は決して住みやすいとは言えません。

でも日本の台所って、狭いですよね~。人と人とがすれ違うことすらできないようなことも。カウンターキッチンにする家も多いのですが、カウンターはシンクだけあればよくて、調理は後ろを向いててもOKですよね。水仕事をしながらダイニングの家族を見たいのは分かりますが、料理そのものは料理に専念したほうがいいわけですからね。そういうバランスを考えて、キッチンスペースを居心地のよい「ひと部屋」と考えて計画している人が少ない。そういう住宅メーカーもない。工務店もない。

海外住宅の多くは、独立したキッチンでも6畳分くらいのスペースがあります。真ん中に調理テーブルがあって、家族がそのテーブルを囲んでしゃべりながら調理しているシーンとか、観たことありませんか?そもそも家の台所にはたくさんのものを保管するわけですし、食料品が傷まないように空調もしなければなりません。だったらそのスペースを人間にとって快適にしておけばいいじゃないですか。

狭くて汚い台所だから、他人を通すことができないんです。広くてきれいでオシャレなキッチンを作りましょうよ。そうしたら、家族の皆も台所に集まってきますから。



箱の概念

2011-08-11 18:00:31 | Construction

日本の家づくりで恐ろしいと思うのは、プランニングをする段階で、部屋の仕様を決めてしまっているところです。「6畳が3部屋、8畳が2部屋」みたいに。はっきりいってその考え方が、日本の家をダメにしてしまう。

だって、「頑丈な6畳が3部屋、頑丈な8畳が2部屋」、と計画するならまだわかるんですが、この時点で「頑丈な」というキーワードが出てくることはまずない。ということは、頑丈かどうかよりも、部屋数の方が重要だということを示しちゃってるじゃないですか。これで本当に大地震に備えた家になっているとは思えません。

小さな箱をどれだけ積み重ねて大きな家を建てても、頑丈にはなりませんよね。大きくて頑丈な箱を作って、中を頑丈な壁で区切る、そういう順番で考えなければいけません。海外の長寿命住宅はみんなそうです。日本だけ、家づくりの考え方というか構成が違うのにびっくりです。

部屋の広さと数を決めるよりも、建物の大きさと重さを最初に定めて、それが大地震に耐えられるだけの器であることを確立した上で、中の仕切り壁を作ってさらに頑丈にしていくというのが、本当に地震に強い家づくり。

日本の家は小さくて弱い箱の積み上げ型。箱と箱がしっかりくっついていないから、簡単に揺れて、簡単に分かれる。箱と箱の境目で壊れる。でも、大きくて頑丈な箱は、単体で壊れない。そしてその中を仕切っている壁も頑丈なので、倒れない。頑丈な大きな箱を中から支えてさらに頑丈にしてくれているというイメージです。画用紙で直方体を4つ作って2つずつ2段にしたものと、画用紙の直方体四つ分の体積があるダンボールの箱を作って、中をダンボールで仕切るのと、どっちが頑丈な箱になるのか、一目瞭然ですよね。

日本の家づくりは、画用紙の組み合わせなのに強くしようとしているみたいです。だから地震に強くするためにオプションの材料と工法が必要になってきます。その後から内装に入って、さらに高コスト。もともとダンボールで作っていれば、すぐに内装を張れるわけです。

同じ強度を作ろうと思ったら、絶対に段ボール箱のほうがいい。強度が弱くてもいいのなら、画用紙の小さな箱の組み合わせでもいいんじゃないでしょうか。家づくりって、こういうところから考えている人が少ないように思います。