時 代 を 視 る
WIN WIN代表 赤松良子
ニュースレター No.203
今年の新聞の楽しくないこと、アメリカの新大統領の大写し。8年ぶりで変わる
のだから当たり前かも知れないが、何とも嬉しくならない。これがヒラリーだった
らなどと思っても仕方がないと分かっているのだが・・・。トランプ氏に投票した
女性が‘Vote not for best,but for change’だったのだと言っているというが、
男性から女性へ変わるのは、断然大きな変化ではないか、政党が変わるよりも
変わりばえがあるのではないかと思うのは、日本人のセンスで、アメリカ人にと
っては政党が変わるというのは、大変なことなのであるのか。そういえば、
アメリカ人は生まれた時から、民主党か共和党かに分かれると言う話しを
聞いた。家代々どちらかに属しているというのである。それだと、偶然知り合って、
恋におちた相手が、反対の党だったりしたら大変なことになる! そんな国に
生まれなくてよかったと、つまらない感慨にふけったり・・・。(私の生まれた
家は全くのノンポリだったから気楽なものだった)
今さら返らぬ事ながら、ヒラリーの敗北が残念なのは、就任したばかりの
大統領が打ち出す政策が「自己中」つまり、アメリカ第一主義むき出しで、
これは世界にとっては勿論アメリカ自身にとってもマイナスだと感じるから
である。
具体的には、まずトランプ大統領は、難民やイスラム圏七ヶ国からの入国を
制限した大統領令を出し、これの執行停止命令を連邦地裁が出したのである。
三権分立のアメリカだが、往々にして行政が強く出ようとする。今度はそれを
司法がチェックした形だから、なかなか興味深い展開である。もともとアメリカ
は移民が作った国なのに、移民を拒否するのは自己矛盾ではありませんかと
言いたいが、これは部外者の勝手な感想なのか? 新しく来る移民は新しい
問題を持ち込むことは避けられない。それは嫌だというのは早く移民した
人々の権利なのか?
しかしそれも程度の問題で、アメリカはやはり自由な開かれた国であって
ほしい。かつての繁栄の姿は薄れたとは言え、未だ世界の超大国である。
その国のトップがせせこましい考えの人間であって欲しくないと思うのは、
難民をさっぱり受け入れていない国の人間の勝手な言い分かもしれないが・・・。
そのアメリカで、新大統領の政策を批判して若者のデモが拡がっていると
聞いて、何だかtoo late という感もする。もっと早く、目を開けて、立ち上
がってくれたらよかったのにと残念に思うからだ。でも、かつて、ニクソン
大統領を追い詰めた大衆行動があったのもこの国の歴史である。
何を言っても「ゴマメの歯ぎしり」とは知りながら、こんな大統領にいち早く
会って、ゴルフをして得意になるどこかの首相には今さら乍らあきれる他は
ない。そういえば、三代前だったか、アメリカ大統領とゴルフのあと、はだか
でシャワーを一緒に浴びたと得意になっていた日本の総理はその人の祖父
であったのを思い出している。