WINWINでは会員の皆さんを対象に、身近な問題、または研究テーマついて発表する場を設けました。とくに登録システムはありませんが、さっそく「市民記者」として今後も積極的な活動してもらいたいと思っております。記念すべき第一回は早稲田大学社会科学部4年/介護福祉士の西村圭司さんです。
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テーマ「“介護人材確保のための大集会”に向けて」
私は現在、介護福祉士として高齢者介護施設に勤務しながら、夜間大学に通い、自分自身の実体験を踏まえて、「介護職の労働問題」について研究しています。
その一環で、樋口恵子先生の講演に伺い、先生にお声をかけさせていただいたことがきっかけで、12月9日のシンポジウム“大集会”において、現場介護職の声として、登壇させていただくこととなりました。
私は、現在の介護保険制度下での、介護職を取り巻く環境は大変に厳しく、その仕事内容の専門的かつ重労働であるにも関わらず、手取り月給が20万円に満たないケースがざらにあるような、低賃金収入職業であること、それに比例しての離職率の高さによる、慢性的な人手不足があり、その他、介護職の医療行為、仕事中の感染の危険性、介護事故の介護職への責任問題…と、実に様々な問題を多く抱え、その職場環境の改善は、喫緊の社会的課題であると思っています。
私自身も、崇高な理念と高い使命感を持って、介護の仕事に就き、約4年経験してまいりましたが、その間、色々なことに巻き込まれ、心身ともに疲れ果て、なのに、手取り20万円にも満たない低賃金に、様々な思いが加わり、この職業に誇りを持って従事しているのに、いつも心の中は、不安な思いで働き続けなければならない現実に嫌気がさし、離職しようと思ったことも何度もありました。
樋口先生は、特に「嫁」である、主に家族の女性からの、重労働介護の負担をなくするために、介護保険制度創設にご尽力されました。
しかし今、政府は、自立介護、予防介護の重要性を言い、介護の質の向上を言っておきながら、実際には介護報酬を減らし、サービス提供時間を減らさざるを得ない状況を作ってしまいかねない、矛盾した政策を採って、介護問題は、社会全体で考えていく、大きな社会的問題になっているにも関わらず、かつての「嫁」に強いていたように、現状は、介護労働者にばかり、大きな負担が押し付けられている実態です。
私は、こうした現状を変えたいと思っている介護職は全国にいっぱいいるはずで、私も、細く小さな活動を個人的レベルで行ってきたのですが、今回、先生の元での“大集会”に関わることで、少しでも、介護労働を取り巻く環境の改善に向けた第一歩となるべく、臨みたいと思っています。
早稲田大学社会科学部4年/介護福祉士 西村圭司
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