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駅員さんが電光掲示板を指して説明してくれてます。
「これなら私も分かる」
電光掲示板には13番のプラットホームに「エジンバラ」と書かれています。
サラリーマン風な優しい男性に丁寧にお礼。
「サンキュー」だけじゃ足りない
「ソーマッチ」とかまで付けて言ってみます
彼は最初からずっと穏やかな笑顔です。
「ノープロブレム」
「わあ」もうその優しさに感激
13番のプラットホームでエジンバラ行き列車を待って無事乗車です。
こんどは行先を何度もチェック。
「かなりのローカル線だ」
「草原や森しか見えないよ」
そしてその景色を眺めながら色々なことが頭の中を過ぎります。
「どうしてグラスゴーに着いたの」
「確かにウィガンでヴァージントレインに乗車したよ。」
「5番線だったし、9時38分発だったよ。」
「ネットで調べた通りヴァージントレインが5番ホームに来たよね」
チケットを何度も見直してみます。「出発時間も正しいよね」
「ブツブツブツ・・・」
自問自答の繰返し
「全く理由が分からない」
「乗務員さんの検札だ」「次は私の順番」
堂々と「リヴァプール→エジンバラ」のチケットを手渡します。
すると乗務員のおじさんは何か私に言っています。
「何」
「エジンバラに行きたい。」
エジンバラ行きのチケットを持っているから主張してみます。
でも納得してないみたいな乗務員さん。
「エジンバラに行きたい」
こんどはチケットを指してまた言ってみます。
乗務員さんは英語が通じないと理解したらしい。
「君はノーチケット」
流石に私にも分かる英語で怒り始めました
「もう何が悪いのか分からない」
「どうして私は乗務員さんに叱られているの」
乗務員さんは通じないと分かって乗務員室に戻っちゃいました。
「どうして」「エジンバラ行きのチケットを持っているんだよ。」
「ノーチケットってどういうこと」
スコットランドの景色も楽しめないまま必死で考え続けます。
「思いつきました」
「確か乗車券を検索したのはナショナルレイル。」
「観光用にスコットランドの鉄道を検索したのはスコットレイル。」
「ひょっとして別会社」「乗車券は別」
だんだん冷静になってくると「ノーチケット」の意味を思いついてきました
「確かに一度グラスゴーに到着したし。」
「グラスゴーとエジンバラ間のチケットを買ってないよなあ。」
「エジンバラに到着したら鉄道警察とかに逮捕されたらどうしよう」
「グラスゴーとエジンバラ間の料金位払おうよ。」
「捕まるのやだよ」
心の会話は不安でいっぱいになってきました。
次の駅で誰かが乗車してきたら乗務員さんは検札に来るはずです。
そうしたら運賃を払おう
「エジンバラまでいくら」と聞けばいいんだ。
「よし そうしよう」「捕まるよりいいよ」
乗務員さんが検札に来ました。
「戻る時に呼び止めなきゃ。」
「エジンバラまでいくらですか」
緊張ぎみに呼び止めると乗務員さんはこんどは穏やかに
「いいよ」
「えっ」
運賃を取らずに戻ってしまいました。
続く