ついにパカパカファームの一口クラブ、ワラウカドが募集を始めました。とりあえず3頭ですが、パカパカファームのエース2頭が含まれます。
1.ラヴアンドバブルズの2015(ディープブリランテの全弟)
2.タイキクラリティの2015(クラリティシチー、クラリティスカイの半妹)
3.バブルドリームの2015
1はブリランテの全弟で当然ながら素晴らしい血統・素晴らしい配合です。しかし、この仔は母14歳のときの仔であり、母が齢とともに段々と活力がなくなってきているのは否めず、ブリランテ以降もずっとディープですが兄弟たちはあまり活躍してません。が、名繁殖牝馬は高齢になってからでも名馬を生むものですのでまだわかりません。
3は母22歳のときの仔で、さすがに高齢すぎる気がします。
問題は2です。タイキクラリティは異なる父から活躍馬を出しており、繁殖牝馬としてのポテンシャルがきわめて高いと思います。私が思うに、牧場はタイキクラリティの後に続く牝馬を待ち望んでいて、この配合は将来の繁殖牝馬となることを狙ったものなのではないかと。
タイキクラリティの母、タイキダイヤは重賞馬です。その父はオジジアンで血統的には地味ですが、自身は母として面白い血統になっています。おそらく重要なのは、Francis S. ≒ Busanda の3×5のクロスで、Francis S.とBusandaは父が同じで母同士が全姉妹というとても似た血統構成になっています。なぜここが重要かというと、その全姉妹はWar AdmiralとBlue LarkspurとLa Troienneというきわめて重要な米血を凝縮した構成であり、そしてBusandaがBuckpasserの母であるためです。ごくごく簡単に言えば、牝系にBuckpasserが入っていると走ります。タイキダイヤはそのBuckpasserを増幅しているので、母としてのポテンシャルは高いはずだということになります。
タイキダイヤにスペシャルウィークをつけて生まれたのがタイキクラリティですが、スペシャルウィークの母父は私が大好きなマルゼンスキーですので、ここにもBuckpasserが入ります。タイキクラリティ自身はBuckpasserの5×5、ただし前述のように母タイキダイヤのBuckpasserは増幅されているので単なる5×5ではないと。
さて、ここにオルフェーヴルをつけると、諸々のクロスが出てきてかなりややこしくなります。特にサンデーサイレンスの3×3がどうしても目立ちますが、私が重要だと思うのはメジロマックイーンの祖父、メジロアサマの母スヰート。スヰートはFrancis S.の姉だからです。ここでも少しずつズラしながらもBusanda(Buckpasser)をつなげていっているのは、おそらくたまたまではないような気がしています。また、面白いことにこの馬はヒンドスタン、プリメロ、ダイオライトのクロスを持っています。これはメジロマックイーンの母系とスペシャルウィークの母系が戦前の日本のサラブレッドにさかのぼるからで、こんな時代にこんなクロスが生まれるのかというかんじです。
米血の強い母に、欧血ノーザンテースト3×4の父をもってきつつ、サンデーの3×3でかなりきつめのクロスをつくるというのは、やはりこの馬が母もしくは祖母になってからのことを見据えた配合なのではないかと思います。