♪ウェイウェイ 灯火頬づえ♪

「一年更比一年好」新年を迎える度に父が大きな筆で書き舞う♪
「一日更比一日好」明日を迎える度に私が心から願います♪

第二楽章 Presto 急速

2009-02-28 | 日常
携帯電話の時計は残り4分と酷に示してます。

二胡奏者の心は穏やかです。
急いでも仕方ないので、次の列車に乗るしかありませんと覚悟しているからです。

雑多な人混みの中で、二胡奏者がかけた電話は通じた。
マネージャーが走りながらの息が切れそうな声:

「いまどこですか?」

「ユニクロの前を・・・」

二胡奏者の話しがまだ終わらないうち、突然向かい側から、きゃ~という声が聞こえ、
続いて手にしていた赤いスーツケースは誰かに力強く奪われた。

良く見たらマネージャーは既に5メートル先で赤いスーツケースを持って走っていた。


走る走る、走って走って、走れ走れ、、、


時間のこと、考えたくない!
時間のこと、ほっといて!
時間のこと、どうでもいい!


いま、目の前の赤いスーツケースを追っかけていきたいだけです。


爆風スランプの「ランナー」が耳のそばで聴こえてくる

・・・

走る走る
 おれたち
  流れる汗も
  そのままに

・・・


エスカレーターを通り走る

階段を降り走る

人混みを通り抜ける


親愛なる蝶々飾り付けの二胡ケースを終始抱きしめていた。

この走りコースを少しでも予測できたら、ハイヒールの赤いブーツを今朝選らばなかったはず。


京葉線の改札口、思ったより早く現れた。
それでも間に合うはずがないと確信している二胡奏者。

サイヤクなパターンを想像した:

ようやく走り着けた列車ホームから、
無情に閉められたばっかりドアガラスはキラキラと、
旅へ出発の喜びを歌うようこちらに手振りしています。

それだけは止めて!


最後の階段と思われるターンがやってきました。
発車ベールも伴って聞こえてくる。
目標列車の出発ベールかどうか、わかりません。
だって時間なんかもう気にしなかった。
とにかく、赤いスーツケースを追いかけるのに、
マネージャーの後ろに最終ゴールに近づいてきた。

ベールは奇跡的にまだ鳴ってます。

マネージャーは迷わず開けている列車のドアに乗り込んだ。
二胡奏者も赤いケースを追っかけて乗り込んだ。

方向は間違っても、I don´t care!
行き先は違っても、I don´t care!
なにがあっても、I don´t care!

いいんです!

走った結果、どうであれ、乗り込むのてす!

・・・

第三楽章(最終楽章)につづき

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