「髪結いの亭主」(1990年)などで知られる仏のパトリス・ルコント監督(65)が、初めてアニメ映画を手がけた。
題名は自殺の店を意味する「スーサイド・ショップ」(公開中)。
不気味な絵柄をブラックユーモアで包み込んでいる。
来日したルコント監督は「自殺を擁護する作品ではなく、『人生は美しい』というメッセージを込めた」と話す。
「仕立て屋の恋」(89年)や「髪結いの亭主」など主人公の内面を深くとらえた演出に定評があり、「リディキュール」(96年)ではセザール賞作品賞と監督賞を受賞している。
今回はジャン・トゥーレの小説「ようこそ、自殺用品専門店へ」が原作で「悲壮感漂う世の中と対照的に店が繁盛しているのが逆説的で面白い」と語る。
実写では陰惨さが目立つため映画化を見送ったが、アニメ演出を依頼され『やる』と即答。
若い頃は漫画家経験もあり、「アニメに興味を持っていた」という。
舞台の店は首つりロープや毒リンゴなど客の好みに合わせた品ぞろえが人気。
だが、店主のミシマや妻、長男長女は後ろ向きで、赤ん坊のアランが笑っても、笑顔の事実を認めない。
そんな一家がどう変わるのかがみそで、巨匠は「実写だったら感傷的で甘ったるいものになっていただろう」とアニメ効果を口にした。
(市川雄二)
関連ニュース
・「日本は消費税増税など財政健全化加速を、IMFのG20報告書」:イザ!
・「お台場でリアル「ガンダム」体感 ミスト噴出、動いたっ!」:イザ!
・「自民税調の設備投資促進策 減税、ソフト導入も対象」:イザ!
・にきび肌 大阪