安倍晋三首相は日本記者クラブのスピーチで、6月に正式決定する成長戦略の一部を前倒しで発表した。
夏の参院選をにらみ、国民の関心が高い雇用や子育ての各分野に重点を絞り、政権の取り組みをアピール。
経済再生に向けて、こまめに具体策を打ち出すことで、経済を間断なく刺激する戦略も垣間見える。
菅義偉官房長官は19日の記者会見で、安倍首相のスピーチに関し「ある程度方向が出たものについて発表した」と述べた。
成長戦略は通常1回で発表するのが通例で、異例の対応だ。
確かに今回、100項目以上にわたる成長戦略を1度にすべて説明することは難しい。
しかし、それ以上に、平成24年度補正予算を成立させ、25年度予算の成立にメドをつけたこの時期に「アベノミクス」の3本目の矢である成長戦略を放つことにも意味がある。
1つ目は参院選対策だ。
政権の高支持率の要因である経済対策の着実な進展を印象づけるとともに、国民の関心の高い課題に対して処方箋を打ち出した。
2つ目は、金融緩和と財政政策に続く成長戦略が実行されて、初めて「アベノミクス」が完成するからだ。
甘利明経済再生担当相は「財政政策は種火。
成長戦略で本体の民間経済に火をつける」と指摘、民間企業投資を引き出し、経済再生への道筋をつけたい考えだ。
政府高官は「矢継ぎ早に出していく戦略だ」と語り、正式決定を待たずに第2弾の発表を行う可能性も示唆した。
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