地方行政
ゲームを高知県の新たな産業に育てようと、県と四国銀行(本店・高知市)は、インターネットを通じて他のプレーヤーと楽しむソーシャルゲームのアイデアを4月から募集する。
「企画コンテスト」と称してシナリオやキャラクターを募り、開発は県内企業に依頼。完成すれば9月にもゲームサイト運営会社などから配信される。自治体がゲーム開発を後押しするのは全国初という。
県は今年度、まんが・コンテンツ課を新設し、アニメや音楽、ゲームなどの産業化を検討。その中でも、ソーシャルゲーム開発は費用を500万~1000万円に抑えられ、大都市圏から遠い地理的ハンデも関係がない事業として注目してきた。数多くの漫画家を輩出してきた県の文化力も生かせるという。
シナリオとキャラクターは、県在住者や出身者、まんが甲子園の参加者を対象に募集。審査は、元大手ゲーム制作会社社長の武市智行さん、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの作曲を手がけた植松伸夫さん(ともに県出身)、インターネット交流サイト「ミクシィ」の社員らが行う。
また、県内のIT関連会社などを対象に、コンテンツ産業参入についての講習会を開催。5月には、審査で入賞した作品を開発する企業をコンペで選ぶ。県は1作品当たり約250万円の補助金を出す。商品化に成功すれば、キャラクターなどの作者は売り上げの一部を受け取れる。
一連の事業を進めるため、県と四国銀行は共同で「高知コンテンツビジネス創出育成協議会」を設立し、武市さんが会長に就任。県は事務局を務め、四国銀行は商品化についてアドバイスをする。近年急成長しているソーシャルゲームは1000億円市場とも言われており、大崎富夫・県文化生活部長は「若者の雇用や経済の活性化につなげたい」と話している。
◆ソーシャルゲーム=インターネット上で他のプレーヤーとコミュニケーションを取りながら、対戦したり、協力したりして楽しむゲーム。ネット上で交流する「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」(SNS)や携帯電話サイトで提供される。ゲーム代は基本的に無料だが、ゲームで使う道具や武器などのアイテムは課金される。人気ゲームは月間3~5億円の売り上げがあるという。
(2011年1月18日16時46分
読売新聞)
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