把瑠都(奥)を寄り倒しで破る豊真将=林陽一撮影
大相撲九州場所5日目(18日・福岡国際センター)――勇猛果敢という言葉がぴったりな勝ちっぷりだ。
豊真将が、3年ぶりの大関戦勝利となった前日の琴欧洲に続き、無敗の把瑠都も4年ぶりに撃破。真っ向勝負に館内が沸きかえった。
いつもより2、3歩下がっての立ち合いは、師匠の●山親方(元関脇寺尾)の教え通り、低く鋭くぶつかるためだ。それでも大関に左四つに組み止められそうになった。(●は金偏に双ふたつ)
だが、この日の豊真将は一歩も引かなかった。右を巻き替えてもろ差しになると、もう一歩踏み込んでのつり寄り。40キロも重い188キロの巨体の把瑠都を攻め立て、力勝負で寄り倒した。前日は2メートル03の長身大関をすくい投げで1回転させた。秋巡業でも鍛えた下半身は、相当に力を蓄えたとみていい。
東前頭筆頭が最高位の豊真将は、「今までは誰が相手でも同じ相撲だった。でも、上位の力士にそれでは通用しない。自分の流れに持って行く、ひと工夫も考えている」という。さらに「三役に上がりたいという意識が強くなってきた」。自信が言わせた言葉だ。
完敗した把瑠都は支度部屋に戻ると、掲示板を右拳でたたき落とした。甘い相撲を取った自分への腹立ちや、豊真将の変貌(へんぼう)に対応できなかった悔しさの表れだろう。(風間徹也)
(2010年11月18日21時29分
読売新聞)
関連ニュース
・
把瑠都に土、上位陣の全勝消える…大相撲5日目
・
女子ゴルフ、川原が首位発進…福嶋ら1打差
・
大関・日馬富士、休場を届け出