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今年一番のバッドエンド『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』

2020年09月10日 23時49分53秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Mr.Jones
製作年:2019年
製作国:ポーランド・イギリス・ウクライナ合作
 配給:ハピネット

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:76/121
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
ヒトラーに取材した経験を持つ英国人記者
ガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は
ある大きな疑問を持っていた。
世界恐慌の真っ只中なのに、
なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。

その謎を解くために単身モスクワを訪れたジョーンズは、
外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、
答えが隠されているというウクライナへと向かう。

寒さに覆われたウクライナでジョーンズが目の当たりにしたのは、
想像を絶する悪夢のような光景だった。

【感想】
これは、、、映画そのものの面白さよりも、
歴史的事実として目を向けるべき内容だと思った。。。
国家の闇であり、今年観た映画の中で一番のバッドエンド。
歴史的な映画に興味がある人は観てみるとよいかも。

恥ずかしながら、僕はこの史実を知らなかったのだけれど、
"ホロドモール"と呼ばれるウクライナ人が住む地域で起きた人工的な大飢饉は、
「アルメニア人虐殺、ホロコースト、ポル・ポト派による虐殺、
 ルワンダ虐殺等と並んで20世紀の最大の悲劇の一つ」(ウィキより)
と言われている。

作中ではこの飢饉自体についてはそこまで詳細には語られていない。
なので、ざっとまとめると以下のような出来事だ。

ソ連にとってウクライナから収穫される小麦は貴重な財源であり、
とにかくたくさん作らせた。
ウクライナって肥沃な土地らしいんだけど、
それでも達成が困難なほどのノルマを課せられ、
それは凶作により生産量が減少しても変わらなかったそう。

だから、ウクライナに住む人々にとっては
自分たちが食べるものもなくなり、
木の皮や人間の死体まで口にする始末。
通りには死体が転がり、所々山積みにされ、死臭も漂っていたようだ。

こんな状況にも関わらず、
ソ連は一向に飢饉の事実を認めようとしない。
五カ年計画を遂行していく中でそんなことが明るみになったら
国家としての面目を保てなくなるから。

ウクライナに潜り込んだジョーンズは散々な目に遭うけれど、
最終的にはこの事実を世間に公表。
ただ、ソ連がそれをを認めたのは
1980年代になってからのことだったのだ。。。

そして、ジョーンズ自身は別の取材で
満州を訪れた際に悲劇に見舞われることになる。
正義が悉く握りつぶされ、
悪が勝つとはこういうことを言うのだろう。
悲しくなったよ。。。

誰かの平和は誰かの犠牲の上に成り立っているんだと、
この映画を観て強く思う。
しかし、人あっての国家なのに、
外交的な面目を保つために多くの人の命を奪ったこの大飢饉、
主導したスターリンの罪は大きい。
学説によって違いがありすぎるけど、
犠牲者の数は250万~1450万人とか。

そんなことをしてしまうスターリンって
どんな人物なのかっても気になる。
ウィキペディアしか見てないけど、
貧困層の出身で低身長や幼い頃の病気や
ケガによる見た目へのコンプレックスなど、
とにかく劣等感が強かったそうで、
それゆえに権力欲、顕示欲が凄まじかったらしい。

さらに、人間不信で残忍な性格というまさに悪の帝王感あるけれど、
外部からの訪問者に対しては謙虚で他人を持ち上げるなど
好感を持たれることもあったそう。
ますます、掴めない人物だ。。。(笑)

なお、今生きている彼の孫娘が
まさかのクリス・エヴァンスという名前
(マーベルのあの人じゃないよw)。

映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』公式サイト

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