Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

『初恋のきた道』

2017年01月11日 23時39分15秒 | 映画
1999年の中国映画。
「午前十時の映画祭7」にて鑑賞。

俺が中3のときの映画だけど、これがやっていた記憶はない。。。

冒頭は邦題と映画の中身がまったくリンクしてなくて。
父親が亡くなったと知らせを受けた青年が、
ひとり残された母親の元に向かうっていうところで、
これのどこが初恋なんだと。
原題は中国語で『我的父親母親』。
英題は『The Road Home』。
初恋感ゼロ。

またクソみたいな邦題つけやがって!!
そう思っていたら、すぐに自らの過ちに気づいたよ。
あの母親、この物語の主人公の未来なんだって。
あの母親の若い頃がチャン・ツイィーなんだって。
(ちなみにこの映画は当時20歳のチャン・ツィイーの映画デビュー作)

青年が母親から昔聞いた話という回想からが、この映画の本題。
村に町から先生なる男性がやってきて、
チャン・ツィイーがその人に片思いするって話。

自由恋愛がまだめずらしかった環境のようで、
ストレートに気持ちなんて言えないから、
あの手この手で自分の存在を一生懸命アピールして、
もうベッタベタの恋愛映画なんだけど、
なんかチャン・ツィイーの健気な姿がとてもかわいらしくて。

その先生は村の人たちと協力して学校を建て、
子供たちに読み書きや計算を教え、
チャン・ツィイーともだんだん距離が縮まってくるんだけど、
町に住む父親から呼び出しくらって、急遽町に戻ることに。

冬休み前には戻ってくるっていうから、
チャン・ツィイーは冬になってから毎日馬車の通る道で待ち続けるものの、
待てども待てども先生は来ず。
結局、風邪をひいて寝込んでしまう。

後日、こっそり町を抜け出して、村に戻ってきた先生と再会できるものの、
それも親にバレて、また町に戻ることに。
その後2年間、2人は会えなかった。

っていうところまでが、冒頭の青年、つまりチャン・ツィイーの息子の回想。

この村のならわしで、病院から死体を担いで墓まで持ってくというのがあって、
1999年だから普通に自動車はあるし、
村の人も自動車で運んだらええやんって言うのだけど、
老いたチャン・ツィイーはそれを拒み、絶対担いで歩くんだと。
最初そのシーンを観たときは、「めんどくせーババアだなー」って思ってたんだけど、
あの純愛を観たあとだったら、「うん、歩いて運ぼう」ってなるわ。
そんだけ好きだったら担いで歩いて、2人で通った道がわからなくならないようにしなくちゃ。

雪の吹雪く寒い季節の出来事だったけど、
先生の教え子たちが有志で集まってくれて、
最終的にはけっこうな列となっていたよ。

あとね、母親はね、息子に「先生になって欲しかった」ようで、
その想いを聞いた息子が、帰る直前に一時間だけ、
父親と同じように教壇に立って、子供たちに授業していたシーンとか、
けっこう泣けたよ。

本当にただの純愛映画なのだけど、
何もない村で、恋路の邪魔をするものもほとんどなかったから、
シンプルに2人の苦難や葛藤が見れてよかったなー、この映画。
しかも現代のシーンが白黒で、過去のシーンがカラーっていう、
普通とは逆の手法も新鮮でよかった。

ちなみに父親の若い頃、つまりチャン・ツィイーの相手役をやった人、
すっげーブサイクっていうのだけ付け加えておこう。