Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

戦士たちの回顧録 その26 (by ロック)

2006年12月15日 13時33分44秒 | Weblog
俺はずっと探していた。
死んだ人を蘇らせることができるという伝説の秘宝を。
世界が崩壊し、地形が変わったおかげで、
その秘宝が眠っているという洞窟が地上に顔を表した。

俺はどうしてもその洞窟に行かなければならなかった。
その秘宝を手に入れて、
彼女を……レイチェルを生き返らせたかったからだ。



あの日、俺とレイチェルはいっしょに洞窟に入った。
あるお宝を求めて。
普段はついてこないくせに、
その日に限って、彼女は俺といっしょに行きたいと言ったんだ。
おとなしいくせに好奇心だけはあるんだよな。彼女は。
普段と変わらないトレジャーハントになると思っていた。
お宝を手に入れて、彼女といっしょに家に帰れると思ってた。
でも、悲劇は突然起こったんだ。
岩場と岩場をつなぐ橋を渡ろうとした瞬間、
突然大きな地震が俺たちを襲った。
その衝撃で橋が突然崩れだし、俺は落ちそうになった。
「危ない!!」
そう叫んだ彼女が俺の背中を押してくれたおかげで、
俺は難を逃れることができたが、代わりに彼女が崖の下に落ちてしまった。
「レイチェル!!」
俺も急いで後を追った。

なんとか一命はとりとめたものの、
彼女は記憶を失っていた。
俺のせいだ。俺が悪いんだ。
彼女のこれまでの想いや人生、そのすべてを無しにしてしまったんだ。
レイチェルは俺のことまで忘れ、ついに俺は彼女に追い出されてしまった。
「あなたがいると家族みんなが辛い顔をするから」と。
俺はその日以来、コーリンゲンの村に戻ることはなかった。

しばらくして、コーリンゲンが帝国に襲撃されたと聞いた。
多くの罪のない人が殺され、たくさんの血が流された。
そしてレイチェルも、その犠牲になったのだ。
俺が着いたとき、すでにレイチェルの息はなかった。
いっしょにいた人の話だと、
彼女は死ぬ間際に記憶が戻り、俺の名前を呼び続けていたという。
俺は……俺は、何があっても離れるべきじゃなかったんだ。彼女の側を。
愛する人さえも守ることができなかった……。
俺は自分のすべてを呪った。

それからだ。
俺がこの秘宝を捜し求めるようになったのは。



洞窟の最深部にたどり着き、ついに発見した。
伝説の秘宝、「フェニックス」の魔石を。
でもヒビが入っていた。
かなりの年月が経ってしまっていた上に世界崩壊の衝撃。
ヒビが入ってしまうのも仕方のない状況だった。
これでは、もしかしたら奇跡は起こらないかもしれない。
レイチェルを生き返らせることはできないかもしれない。
でも、俺は試してみたかった。
たとえわずかでも希望があるのなら、やる価値はある。

魔石を手に入れた後、すぐにコーリンゲンの村に向かった。
レイチェルは、ある薬によって腐敗することなく、
美しい姿のままで静かにベッドに横たわっている。
フェニックスよ。どうかレイチェルの魂を呼び戻して欲しい。
そう強く願い、魔石を彼女の胸元に置いた。
何の反応もなかった。
やっぱり伝説は伝説のままだったのか?
それともヒビが入っているから……?
レイチェルはやはり戻ってこないのか……。

と思っていた次の瞬間、
魔石が突然光だし、頭上高く浮いたかと思うと、
その場で粉々に砕け散った。
そして、レイチェルが静かに目を開けた。
「レイチェル!!」
思わず叫んだ。
「ロック……」
レイチェルも俺の名前を呼んでくれた。
よかった。レイチェルが蘇った。
レイチェルはゆっくりと語りだした。
「ロック。私、すぐに行かなければならないの。
 でもフェニックスがくれたこのわずかな時間で
 どうしてもあなたに伝えたいことがあるの」
そう言うと彼女は微笑みながらこう言った。
「ロック。私、幸せだった。
 あなたと出会えて、あなたと過ごせて、本当に楽しかった」
俺は彼女の言葉をただただ聞くことしかできなかった。
「だから、ありがとう。ロック」
「待ってくれ!行かないでくれ!!」
俺は涙をこぼしながら懇願した。
「レイチェル!すまなかった!!
 側にいてやれなくて。辛い思いをさせて」
レイチェルは最後にニコッっと微笑むと、
「フェニックスよ!その力を取り戻し、ロックの力に!!」
と言って、その場から姿を消した。
俺はなりふりかまわず大声で泣いた。
残ったのは彼女の想いが込められたこの魔石と
彼女の涙。

レイチェル……本当にすまなかった……。
そして、ありがとう……。

戦士たちの回顧録 その25 (by カイエン)

2006年12月15日 12時24分46秒 | Weblog
拙者、世界が崩壊する前から気になっていた人がいたでござる。
マランダにいる女性。
ずっと遠い地にいる男性と文通していた女性でござる。
べ、別に好きとかではないでござるよ!!
拙者にも愛する妻と息子がいたでござるからな!!
文通なんてなかなか面白いと思っていた、
ただそれだけでござるよ。

世界が壊れ、その女性をふと思い、
マランダに行ったでござるよ。
その女性は今でも手紙を書いていたでござる。
もうすでに相手の男性はこの世にいないのに。
拙者、見るに見かねてその男性のフリをして
手紙の返事を書き続けていたでござる。
しばらく続いていたでござるが、
やはりこのままではいけないと思った。
今までだまし続けていたことは謝るでござる。
でも現実を知ってもどうか落ち込まないで欲しい。
前を見て生きていって欲しい。
そして、愛するということを忘れないで欲しい。
きっと死んだ彼もそう強く願っているはずでござる。

そんなとき、ティナ殿たちがやってきたでござる。
みんな生きていて本当によかった。
拙者、もちろん行くでござる。
妻と息子の仇。
絶対にケフカをぶった斬るでござるよ!!

戦士たちの回顧録 その23 (by モグ)

2006年12月15日 12時16分14秒 | Weblog
クポー!
みんな生きてたクポー!
よかったクポー!
またいっしょに戦うクポー!

みんな死んじゃったかと思ってて
すっごく寂しかったクポー!
ずっとナルシェの奥にいたんだけど、
またみんな来てくれて本当にうれしいクポー!
あのケフカってやつを倒しに行くクポー!!

戦士たちの回顧録 その22 (by リルム)

2006年12月15日 12時10分48秒 | Weblog
世界が壊れちゃったみたいなんだよね。
あたし、よく生きてたよね~。
まあこのリルム様がそう簡単に死ぬわけないんだけど。
でも、おじいちゃんとも離れ離れになっちゃったし、
やることないからとりあえず絵でも描いてたんだよね。
あたし絵好きだし。

本当は自分ではよくわからないんだけど、
あたしってけっこう絵がうまいらしくて、
いろんな人から褒められるんだよねぇ。
そうしたら変なおじさんから声かけられてさ、
アウザーっていったかな?
ラクシュミの絵を描いて欲しいって頼まれたわけさ。
暇だし、い~よ~ってなって、
今までずーっとラクシュミの絵を描いてたんだよね。
アウザーっておじさんの家、
ちょー大きくて、マジびっくりしちゃった!!
やっぱ金持ちって違うのね。
でもあの色男ほどではないと思うけど☆

ラクシュミの絵を描いてたら、
いつの間にやら変な悪霊がとりついちゃったみたいで。
マジキモかったんだけど、
どうやっても離れないからかまわず絵描いてました。
アウザーのおっさんはびびってたけど。
そしたらこの前、ティナのお姉ちゃんがやってきて
悪霊を倒してくれたんだ。
さっすが強いねー。

みんなあのうひょひょ野郎を倒しに行くんだと。
だからあたしも行くわ!
アウザーのおっさん、
うひょひょ野郎倒したら
また絵描きに戻ってくるからそれまで待っててねん☆

戦士たちの回顧録 その21 (by シャドウ)

2006年12月15日 12時09分26秒 | Weblog
世界が崩壊し、非情なほどに残酷な世の中になったな。
俺には向いている世界かもしれん。
修羅の道に身を捧げた俺にとっては。
「いちげきのやいば」という剣を探して、
俺は各地をまわっていた。
ようやくそのありかにたどり着いたが、
ちょっとドジったせいで、大きなキズを負った。
それをあいつらに助けられたんだが……。
しばらく休めといってサマサの村まで連れて行ってくれたのはいいが、
俺はどうしても「いちげきのやいば」が欲しいんでな。
悪いが、お前らが村から出て行った後、
こっそり抜け出したぜ。

こんな世の中にピッタリの場所があってな。
コロシアムと言うんだが、
アイテムを賭けて己の肉体のみで戦うまさに修羅の場だ。
もしかしたらここにいれば誰かが
「いちげきのやいば」を賭けるんじゃないかと思って、
しばらくここに居座っていたんだが、
どうやら俺の勘は当たったようだ。
あいつらがやってきたんだよ。
まあ、負けちまったけどな。
マッシュが強くなっていたんだ。
ふ。言い訳は見苦しいか。

あいつらは俺をまた誘った。
他にやることもないしな。
修羅の道を究めるのもいいかもしれん。
俺は常に死に場所を求めているからな。
あいつらとなら、いい死に場所が見つかりそうだ。

それに……今更俺が言うのもなんだが、
娘のことも少々気になる。
あいつは……リルムは、生きているのだろうか。

戦士たちの回顧録 その20 (by ティナ)

2006年12月15日 11時49分45秒 | Weblog
この前セリスたちが来てから間もなく、
カタリーナが妊娠したことがわかったの。
ディーンは突然のことに取り乱しちゃって、
カタリーナに冷たくなってしまって
二人の関係が気まずくなってしまったけれど、
ディーンはああ見えてとても素直。
ちゃんとカタリーナに謝っていたわ。

新しい命が生まれようとしている。
ディーンとカタリーナはお互いに愛し合い、
その結果として新たな命を授かった。
私も……そうだったのかな。
お父さんとお母さん、
幻獣と人間で相容れない存在だったかもしれないけれど、
「愛する」という気持ちはきっと人間も幻獣も関係なく、
平等に与えられた感情だと思うの。
だから私はここに存在し、
そして私もここの子供たちを守りたいと思う。

そしてまたフンババがやって来た。
これ以上、ここの子供たちを傷つけさせたりしない。
これ以上、悲しい思いをさせるわけにはいかない。
私はただ守りたいという思いで戦い、フンババを倒した。
そのとき私はトランスし、幻獣の姿だった。
それを見た子供たちはバケモノだと私を恐れたが、
一人の女の子は、私にこう言ってくれた。
「ママ?ママでしょ?私、わかるよ」

生まれて初めて心が満たされた気がする。
その子のおかげで、他の子供たちも私を受け入れてくれた。
幻獣の私を。
私の中に新しく芽生えた感情。
なんとなくわかった気がする。
それは「愛する」ということ。

私はみんなを守りたい。
そして、新しい命が平和に生きていけるような世界を作りたい。
生まれてよかったと思えるような世界を作りたい。
だって私はみんなを愛しているんだから。
そのためにはケフカを倒さなければならない。
私は戦うわ。
みんなのために。

戦士たちの回顧録 その19 (by セッツァー)

2006年12月15日 11時39分54秒 | Weblog
世界が崩壊した日、俺は翼を失った。
暴走した三闘神の力のせいで、
相棒のブラックジャック号は大破したのである。

翼を失っちゃあ、俺に生きる道はないよな。
しばらく俺は酒に溺れる日々を送っていた。
そして先日、なんとセリスたちと再会したのである。
みんな、生きていたのか。
セリスたちはケフカを倒そうとしている。
そして、俺にいっしょに来てくれと言っている。
最初は乗り気じゃなかったけどな。
でもあいつらの熱意、
そして俺自身の夢のためにもう一度やることにしたぜ。
そのために俺はあいつの翼を借りることにしたよ。
ダリルのファルコン号をな。

こんな世界だってのに、
あいつの墓は形1つ変えずに立派に残ってやがった。
懐かしいな。ダリルよ。
俺とお前はいつも飛空艇で早さを競っていた。
でも俺は一度もお前に勝つことはできなかったよ。
本当は認めたくないが、
お前のファルコンは世界最速だった。
共に空に生き、速さを追い求めていたあの頃は楽しかった。
でも、先に逝っちまうんだなぁ。
あのとき止めておくべきだったよ。お前を。

もう少し空を飛ぶと言って先に行ったお前。
日没にいつもの丘で落ち合おうと約束したけど、
お前はついに来なかったな。
遠い土地で壊れたファルコンを見つけたのは、
それから1年も先のことだったよ。
もっと早く見つけてやれば、
もしかしたら助かったかもしれないなぁ。
すまない。ダリル。

それから俺はファルコンを修復し、
この墓の地下に眠らせたんだっけか。
でも、今俺たちには翼が必要だ。
お前の力を借りさせてもらうよ。
ダリル!安心しなよ。
ファルコンは今でも元気に飛べるぜ。
だから俺たちは行くよ。
ケフカを倒しに。
そして、
仲間を求めて……。

戦士たちの回顧録 その18 (by エドガー)

2006年12月15日 11時25分09秒 | Weblog
仲間とはぐれてからもうどれぐらい経つのだろう?
俺は仲間を探しつつも、
故郷であるフィガロ城の行方も探っていた。

そしてフィガロ城に関して情報が得られた。
どうやら地中を移動中に
機械が故障して途中で止まってしまったらしい。
地中は空気が極端に少ない。
このままでフィガロのみんなは全員窒息死してしまう……。

そんなとき、酒場である盗賊グループを見かけた。
あいつら……確か以前フィガロ城に捕らえられていたやつら。
話を聞いてみると、
どうやら地中で止まったときに
牢屋の壁に穴が開き、
たまたまそこが洞窟とつながっていて外の世界に出られたとのこと。
フィガロに行くには、あいつらが必要だな。
俺は怪しまれない程度に変装し、あいつらに近づいた。
これまで幾千もの女性を口説いてきた俺。
トークに自信はある。
盗賊を丸め込むなんて造作もないこと。
案の定、盗賊たちは俺の子分になった。
俺のことをボスと呼び、慕うようになった。

何日か過ぎ、計画を実行に移すときがきた。
要はフィガロ城のお宝を盗みに行くというもの。
城の中に入ってしまえばこっちのもの。
宝なんてくれてやる。
俺は一刻も早く城内のみんなを助け出せねばならなかった。

そんなとき、港町ニケアでセリスと弟のマッシュと再会した。
怪しまれない程度の変装。
見る人が見ればわかってしまうかもしれない。
「エドガー?エドガーでしょ?」
セリスはすぐに気づいたようだ。
となれば、マッシュも気づくだろう。
俺はフィガロの国王。
盗賊かれすれば牢屋にぶち込んだ張本人。
ここで正体がバレてしまってはすべてが水の泡。
「人違いは困る。俺はジェフって名だぜ」
適当なウソをつき、その場を離れた。

しかし、いっしょに戦ってきた仲間だ。
あいつらもきっと俺が変装をしていることはお見通しだろう。
その証拠にずっと俺の後をついてきている。
まあいい。フィガロ城に入るまでの辛抱だ。

定期船でサウスフィガロの町へ行き、
そこから近くの洞窟に入る。
盗賊のやつらに道案内させ、
ようやくフィガロ城に入ることができた。
中の空気は相当薄い。
兵士たちも酸欠で全員倒れている。
早く機関室へ行かねばならない!

これは……!
機関室についた私は驚愕した。
巨大な触手が絡み付いている。
これじゃフィガロ城も動くわけないよな。
盗賊グループを奥の宝部屋に行かせ、
俺はこの触手を取り払うことにした。
「セリス、手伝ってくれよ!」

なんとか触手を取り払い、
フィガロ城を無事に助け出した俺たち。
ひとまずはコーリンゲンに行くことにした。

戦士たちの回顧録 その17 (by ティナ)

2006年12月15日 11時07分23秒 | Weblog
私には、もう戦う力がないの。

世界が崩壊し、私はモブリズという村に行き着いた。
そこには子供たちしか住んでいなかった。
他の大人たちは、
みなケフカの裁きの光から子供たちを守るために
命を落としてしまったようである。
この枯れ果てた世界で、子供たちだけで生きていくは難しい。
外はモンスターで溢れかえり、
このままだとこの村のみんなは殺されてしまう。
だから私はしばらくこの村でみんなを守ることにした。

村の子供たちは私を「ママ」と呼び、慕ってくれている。
最年長であるディーンとカタリーナも、
私を支えだと思ってくれている。
私は、必要とされているのだ。

この前、セリスとマッシュが私をたずねてきた。
いっしょにケフカを倒そうと。
でも、ごめんなさい。
今の私には戦う力がないの。
ここで必要とされている私、
もし私がいなくなってしまったら、
きっとここの子供たちはすごく寂しがるし、
もしかしたら死んでしまうかもしれない。
だから、ここを離れるわけには行かない。

そんなとき、フンババがやってきた。
世界が引き裂かれたことによって永き眠りから目覚めた
古の魔獣フンババ。
戦う力のない私は、あっさりとやられてしまった。
セリスとマッシュのおかげで一応追い払うことはできたけれど。

それでも私はここに残らなければならないの。
ここの子供たちと、いっしょにいたいの。
なんだろう?この気持ち。
今までに感じたことのない感情だわ。
新しく芽生えかけているこの気持ちが
一体何であるのかわかるまでは、
私はおそらく戦うことはできない。
本当にごめんなさい。

戦士たちの回顧録 (by マッシュ)

2006年12月15日 10時46分52秒 | Weblog
あの日から、
俺は1度も仲間が死んだとは思っていない。
きっとどこかでみんな生きている。
そう思って今日までいろいろまわってみたが、
まだ誰にも会えていない。
やはりすでにこの世にいないのだろうか……。
兄貴は?
兄貴は無事なのか?

そう思いながら俺はツェンの町に着いた。
ここで情報収集でもしようと思った矢先、
1つの光が1軒の家を襲った。
危ない!!と思い、
とっさに折れた柱の下に入り、家が崩れるのをなんとか食い止めた。
「子供が……子供がまだ中にいるんです!!」
一人の女性が泣き叫んでいる。
「誰か、俺が支えている間に子供を助けてやってくれ!」
でも誰一人として動こうとはしない。
それもそうだ。こんな世界で生きる希望を失った人々に、
そんなことができるわけがない。
しかも俺もいつまでもつかわからない。
くっそー。どうすりゃいいんだよ!!
このままじゃ子供を見殺しにしてしまう!!

「マッシュ!!」
どこかで聞いたことのある声。
その方向に目をやると、
そこにはセリスの姿が!
よかった!生きていたんだ。
とりあえず今は、セリスに子供を助けてもらうしかない。
「もって3分。それまでに中の子供を助け出してくれ!」
「わかったわ!」

今どれぐらい経っただろうか。
とても長い時間が過ぎたように感じる。
腕がプルプルしてきた。
セリスはまだか……?
早くしないと腕が……。
頼む。間に合ってくれ……!

「マッシュ!!もう大丈夫!!」
セリスの背中には小さな男の子がしがみついていた。
よし!
なんとか最悪の事態は免れたようだ。

「よかった……。生きていたのね……」
セリスの目には涙が浮かんでいた。
彼女も俺と同じ気持ちだったようだ。
仲間が死んだとはどうしても思えないと。
「当たり前だ。俺が死ぬわけがない!
 とにかく行こう。仲間を探し、ケフカを倒すんだ」
そう言って俺たちはツェンの町を後にした。

さっきの光、「裁きの光」と言うらしい。
ケフカは自分に逆らうものはああやって裁きの光を放ち、
町を破壊し、人々を死に追いやっているそうだ。
絶対に許すわけにはいかない!!

戦士たちの回顧録 その15 (by セリス)

2006年12月15日 10時27分44秒 | Weblog
世界が引き裂かれてから1年。
私はずっと眠りについていたようだ。
だから今、世界がどうなっているのかもわからないし、
みんなが、ロックが生きているのかどうかもわからない。

そんな私の面倒を見てくれたのがシド博士……おじいちゃんである。
私とおじいちゃんがいるのは
四方を海で囲まれた孤島。
他にもたくさん人がいたのらしいのだけれど、
みんな生きる希望を失って身投げをしたそうだ。

世界は私たちを残してもう何も残っていないのかもしれない。
おじいちゃんは、
私と静かにここで暮らそうと言ってくれている。
世界でただ一人の家族だと言ってくれている。
それしか生きる道がないのかもしれないわ。

とりあえず、おじいちゃんのために何か料理を作ってあげないと。
どうやらおじいちゃんは体の調子がよくないらしく、
あまり元気な方ではなかった。
私もお腹がすいたし、
近くの海で魚をとることにした。

外の世界は、本当に変わってしまった。
大地は枯れ、草木も死に、動物たちもいない。
まさに死の世界である。

私は海にいるありったけの魚を捕まえ、
おじいちゃんに食べさせた。
こんな孤島じゃ魚ぐらいしか食べ物がないの。
でも、何もないよりはマシ。
何日も何日も
海に出ては魚を捕まえ、おじいちゃんに食べさせるのだけれど、
おじいちゃんは衰えてゆく一方。
このまま死なせはしない!
これまで私の面倒を見てくれたんだから、
このまま終わらせるわけにはいかない!

でも、現実とは残酷なもの。
今日、私が海から帰ってくると、
おじいちゃんはいつものようにベッドに寝ていた。
最初は寝ていると思った。
でも、何度声をかけても返事がない。
揺すったり、叩いたりしてもまったく返事がない。
そう。おじいちゃんはすでに息を引き取っていたの……。

どうしてよ……。
どうして私をおいて先に行ってしまうの……?
いっしょに暮らそうって言ってたじゃない!
世界でただ一人の家族だから、
いっしょに生きていこうって言ってくれたじゃない!!
これで私も一人ぼっちになってしまった……。

もう生きている意味がないわ。
こうやってみんないなくなって、
私しか生きていない世界。
私もみんなのところに行きたい。

私は島の最北端にある崖から飛び降りた。
この残酷な現実と、何もできない自分に憤りを感じながら。
でも、死ねなかった。
幸か不幸か、私は一命をとりとめてしまったのである。
もしかしたら最初から死ぬのが怖くて、
無意識のうちに死なないような場所を選んだのかもしれない。
いずれにせよ、私は生きている。

ふと顔を上げると、目の前には1羽のハトがいた。
ケガをしているのか、体には手当てをしたあとが。
その体を覆っているバンダナを見て、私はハッとした。
これは……ロックのバンダナ!!
ねぇ、このバンダナをくれた人は誰?!どこにいるの?!
私は言葉も通じるはずのないハトに必死で問いかけた。
ハトは私を導くかのように空へと飛んでいった。
翼のない私にはどうしようもないけれど、
でも、あの人は生きている……!
この世界のどこかで生きている!!
探さなくちゃ。ロックに、会いたい!

部屋に戻ってみると、おじいちゃんのベッドの下に
1枚の手紙が置いてあることに気づいた。
さっきは気づかなかったみたいね。
そこには希望を捨てるなという旨の内容が書いてあった。
そして、答えはストーブの横の階段の下にあると。
ストーブの横の階段??
そんなものあったなんて初めて知ったわ。
確かにひっそりと下へと続く階段があった。
本棚で隠されていたようだけど。

恐る恐る下へと降りていくと、
そこにはイカダが置いてあった。
おじいちゃんの作ってくれたイカダが。
おじいちゃんはわかっていたのね。
私がここで朽ちてはならないと。
世界をまわり、平和にしなければならないと。

私、やる。
世界を平和にするために、
もう一度、戦う。