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泥流地帯  三浦綾子

2010-04-13 03:04:44 | 本・映画・テレビ
小説を読んで初めて泣いた

読むきっかけになった友人からは
「小説を読んで初めて泣いた」と聞いた
その時は「そんな大げさなこといっちゃって~」
と、高を括っていたのだが…


著者がキリスト教ということで、偏った作品なのかと思ったが
そんなことは、全く要らぬ心配に終わった

大正時代、富良野の農家の物語

僕の生まれ育った場所、北海道での物語
僕の家は酪農で物語の家は畑作だが、どちらも家族みんなで仕事をしていた
物語の一家の兄弟は、僕の実際の兄弟と人数と順番が全く同じだった
これだけ僕の現実とクロスする部分があったので
作品にシンクロしないわけはない

僕の両親も祖父祖母も言葉の訛りはなかったが
訛りのある言葉を読んでいると
近所のおばちゃんの声を思い出した
学校の一場面では
小学校の担任の先生の顔が浮かんできた

牛舎の手伝いをして
三時の休憩にみんなで集まった芝生の感触と濃い緑色
そしてみんなの笑い声

小さい頃の記憶がどんどん噴き出してくる
不思議とイヤな記憶は出てこない


物語の後半は
ずっと胸が詰まる思いをしながら字を追っていく
電車の中なのに、涙がでそうなる
まぶたに涙が溢れんばかりに溜まっていた


突拍子もない物語の進み方ではない
薄々次の展開も考え付く
しかし
作品に入り込み感情移入してしまっていた


懐かしく美しい
生きていくうえで大切なものがたくさん書かれていると思う

この本を教えてくれた友人に
感謝しても尽くせないぐらいだ