明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

日米LPGA観戦記(9)古江彩佳の凄さを実感!

2023-03-27 21:18:00 | スポーツ・ゴルフ

今週アメリカで日本から二人の選手が本格参戦した。これで畑岡奈紗・笹生優花・渋野日向子・古江彩佳の四人衆に新たに「勝みなみと西村優菜」の6人態勢が出来上がったわけである(そのほか上原がいるが、今回は予選敗退した)。果たして今後の日本勢の展開はどうなるのか?

今回のドライブオン選手権の舞台はアリゾナ州スーパーステイションマウンテンGC。切り立った断崖の山々と砂漠が広がる荒野に囲まれた異形のゴルフコースである(アメリカじゃ普通?)。先週までの風光明媚なアジアでの大会に比べると、ようやくアメリカに戻って来たなと思う瞬間であった。畑岡は次戦に備えて今回は欠場したが、笹生と渋野は調子が上向いており大いに期待が持てる。そして思った通りに二日目に笹生がアルバトロスなんか出しちゃったりしてノリノリで回ってくると、渋野も負けじと8アンダーの64ノーボギーと爆発して、一気に上位に上がって来た。これは「何か掴んだ」のかもしれないなと優勝の可能性も出て来る。この時点で笹生は8アンダー15T、古江が調子よくて7アンダーの23Tとこれも良い位置に頑張っており、渋野はトータル6アンダーで32Tと日本勢面目躍如である。

勝みなみも3アンダー65Tとギリギリながら予選は突破した。残念ながら西村優菜は2アンダー77Tと、あと一歩及ばず予選敗退したのは残念である(上原は2オーバー121T)。西村は一時4アンダーまでスコアを伸ばしていて、このまま予選を通過するかと思っていたがその後ボギーを2つ打ってしまい、今回レギュレーション変更と厳しくなっていたこともあり、悔しい結果に終わった。まあ試合後のインタビューなどは放送されなかったのだが、前回QTの時の「号泣」みたいなことにはならなかったと信じたい。日本では予選落ちなど余り経験がない西村だけに、結果を受け入れるには相当強いメンタルが必要である。とにかく米ツアーのメンバーになってアメリカに乗り込んできたわけだから、予選落ちも日常茶飯事くらいに考えてがむしゃらに挑戦する意識が大事だろう。次回はQTの順位がやや下なので出られるか分からないが、まずしっかり準備して生活を整え、1年間戦うつもりで腰を据えて頑張って貰いたいものである。その点で宮里愛や宮里美香そして畑岡奈紗は先駆者の苦労もあるだろうが、何より「性格が明るい」のが強みだと感じた。要するに「あっけらかん」とした開き直りというか、自分をすべてさらけ出して勝負に挑む姿には、日本人として「凄いな」と思う。

さて決勝ラウンドに入ってからは渋野の勢いが止まらず、3日目にも65の好スコアを出して「7T」と爆走、いよいよ優勝に絡んで来る。古江も5アンダー19Tと好位置をキープである。渋野は内容も「二日間ノーボギー 」と絶好調で、何か全英女子オープンの時の「強い渋野」が帰ってきたかのような雰囲気が心強い。笹生は後半にやや失速して2アンダー31Tと少し後退した。勝は頑張っているんだがイーブンの74Tと「どんべ」に近い位置に甘んじていて、まだアメリカに慣れるのには時間がかかるかも知れない。まあ初めてのツアーだから芝の種類とかコースの雰囲気とか色々あるんだから、いきなり初戦から優勝争いは無理だろう。ここはじっくりと米ツアーに馴染んで行って、まずは予選突破をポジティブに捉えるようにしたい。勝は西村と違って、QTは5位だったので殆どの試合には出られる。まずは数をこなす事で徐々に調子を上げて行けば、彼女のポテンシャルを持ってすれば上位フィニッシュはそう遠くないと思う。こう考えると夏ごろには「TOP10」も有りうるかな?と楽しみだ。今後の勝と西村の活躍に「期待!」である。何より上位に入らなければ「国際映像には映らない」からつまらない。彼女たちが優勝争いに加わって「プレーをべったり中継する」ようになってくれるのが私の夢である。

勝と西村は今回少々結果が出なかったが、初戦でもあり、まずは「試合勘を覚える」のが先と思う。その点では全く歯が立たないと言うのではなく、そこそこ良いゴルフが出来ているようなので安心した。西村はアマチュア時代に「ジャパンのメンバー」だったので、世界で戦うのは慣れてるだろうから心配はしていない。ただ、本人の中で「もう少しやれる」と思っているのと実際の結果のギャップをどう折り合いをつけるか?がカギになる。西村はアプローチもパターも抜群に上手いのだが如何せん「飛距離が出ない」のが唯一の弱点だ。この「飛距離の壁」を何とか克服しなければ、米ツアーでは勝機はない。今までもこの問題で、何人もの日本人選手が脱落していった。だが、別に飛ばなくても「勝つチャンス」は必ずあるし、実際飛ばない宮里藍が「全米ナンバーワン」にもなっているわけだから、西村が悲観する必要は「全然無い」と思う。大事な事は飛距離に代わる武器を「どう磨いてゆくか」である。私は勝負を分けるのは「パター」だと思う。これに賭けることで西村にジャンプアップの目が出て来ると考えている!。

一方、勝はどうかというとジャパンのメンバーでの海外経験は勿論だが、アマチュア時代からプロ入り後の成績が「恐ろしい程」の記録ラッシュなのだ。まあ比較はできないが野球で言うところの「オオタニ」位に凄まじい。素材から言うならば、上田や河本なんかより「断然」勝のほうが上なのだ。順調にいけば勝が上位で優勝争いをするのは間違いないと私は見ている。つまりドライバーで「どーん」と飛ばし、元々日本でも1、2を争う「パター巧者の実力」をアメリカでも発揮して、ゴルフの醍醐味である「飛距離とパッティングの両方」で強いと言われる「王道ゴルファー」に成長する可能性は「一番ある」と私は見ている。男子ゴルフで言えば、ジョン・ラームか?。とにかく「勝っちゃん」には世界一を目指して貰いたい。それだけの素材である。

さて試合の方は「スコアの伸ばし合い」状態になっていて、その乱打戦を制するのが誰なのか?に試合の興味が集中していた。三日目は渋野が7アンダー7位Tで優勝戦線に加わって大注目、古江も5アンダーで19位Tの好位置である。笹生は後半スコアを13アンダーまで伸ばしたが16番でトラブルになり、2アンダー31Tとやや後退した。最終日は渋野と古江に期待である。

そしていよいよ最終日、今朝7時から早起きしてWOWOWの生中継を「ワクワク・ハラハラ・ドキドキ」とのめり込んで見ていたら「あれよあれよ」と古江がスコアを伸ばし、混戦を抜け出して一気に「19アンダーのTOP」に立ったじゃああーりませんか!皆の衆!(もしかしたら、このまま優勝?)

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ってなわけで十分楽しませていただいた米女子ゴルフだったが、結果は惜しくも「古江彩佳の3位」で終わった。優勝はセリーヌブティエとジョージアホールのプレーオフでブティエが勝ち、大混戦の戦いに終止符を打ったのである。最近の試合は女子でも65や64が当たり前のように出る「ハイスコア」の戦いになっていて、前のめりにバーディを取っていかないと「あっという間に置いていかれる」くらいの激しい戦いだから、バーディを取れる選手が勝つ試合になっているのだ。そんな中で日本勢はどんな戦いをするのであろう?

ますますこれからの米女子ツアーが「熱い」!



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