明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

今度の目標は90切り(4)ゴルフは紳士淑女のスポーツ?

2023-03-27 00:02:00 | スポーツ・ゴルフ

ゴルフにおけるマナーは、決して「服装のルール」を言っているのでは無いと思う、というのが私のマナーの理解である。私の考えるマナーは、一旦ゴルフ場に入ったら「自分が考えられる限りの良い人を演じる」ように努力してみよう、という暗黙のルールだと解釈している。参加しているゴルファーが全員そのように努力することで、単なるゴルフと言うスポーツが「良い人になるための学校・練習の場」になるのである。日常の場では人から褒められるような事を何もしたことがないような「自分勝手」な人でも、一旦非日常のゴルフコースという閉ざされた空間であれば、「良い人」を演じることができるのじゃないかと思う。この体験をゴルフの度に繰り返していけば、普段の生活でも「ちょっとは良い事」をするようになってくる。これ、小学校で道徳を学ぶより「よっぽど良い人を増やす効果がある」方法ではないかな、と私は考えている。

例えば普段はしかめっ面で、ガミガミと口うるさくダメ出しを言ってくる上司でも、たまのゴルフコンペでは「一転、心優しい紳士」になれるかも知れないのである。「〇〇さん、人が変わったみたいに紳士だね?」なんて部下から驚かれるなんてこと、ゴルフという閉鎖的な空間だからこそ出来ることではないだろうか。これ、ジャケット着用とかシャツをズボンに入れたりとか、一応マナーと言われている格好はちゃんとしていても、肝心の態度の方は「ガサツで横柄で鼻持ちならない嫌な奴」、というんじゃあ「本末転倒」である。

ゴルフは「紳士のスポーツ」という言葉が額面通りに行われているのなら、ゴルフほど楽しい遊びは世の中にないと思うのだが、実際は「形だけで中身のない」マナーが横行しているのは如何なものか。以前、千葉県野田市の「紫カントリーあやめコース」でラウンドしていた時、仲間の打った球が大きくスライスして「隣のコースとの境の林の中」に飛んでいったことがあった。私達が「やっちゃったな〜」とボールの行方を見送っていたら、林の中から人が出てきて「ファーぐらい言えよ、このヤロー!」と、えらい剣幕で怒鳴ってきた。勿論キチンとマナーを守らなかった我々が悪いので、友人のS・Y氏が大声で「すいませ〜ん」と謝ったが、実に後味の悪いゴルフになってしまった。他人からこんなふうに怒鳴られた経験がそれまでの人生でほとんど記憶に無かった私にはとてもショックで、それ以降このゴルフ場へは一度も行っていない(予約が取れないこともあるけど)。

林でセパレートされている林間コースには「よくある」事だが、「他のプレーヤーの存在」を忘れていることがままある。そこでつい「ファーの発声」を怠ってしまうのだが、これは絶対にやるべき大事なマナーであるのは間違いない。まあ、ファーという声を聞いたからと言って「飛んで来るボールが避けられる訳ではない」のだが、とにかく「ファー」を聞いたら頭を腕で守ってしゃがむ、というのが良いらしい。なお、飛んでくるボールを「どこだ?どこだ?」と顔を上げて探すのは、最悪の結果になるから絶対にしないこと、と私は教わった。とにかくそれ以来はゴルフ場で他人に怪我をさせないためにも、ファーと大声で叫ぶようにしている。

だが、「怪我」程の重要性が無い行動については、案外と語られていないのはなぜだろうか。それはゴルフというスポーツが海外から輸入されてきたという事と、そもそも「会員制のクラブ」という生い立ちに原因がある。ゴルフ場がビジネスと深く結びついて発展したのには、地位のある人にとっては「社交場」としての機能が重宝されたのであろう。だから服装などという「ドレスコード」が重視されたのはよく理解できる。しかし今の時代、ゴルフというスポーツはもうそういう社交場云々という「差別的な場」を提供する役目は終わったと思う。今は年齢に関係なく誰でも参加できるスポーツとして、技術と体力を競う「純粋なゲーム」に変わったのである。私はこのチャンスをスポーツという側面以外にも活かして、人間の「善意」を競い合う場にしてはどうだろう、と提案したい。

私はマナーに関するこの考えを、プロも含めて日本中に広めては如何だろうかと思うのだ。たとえばラウンドが終わって、帰りに反省会という名の飲み会に行って楽しくその日のゴルフを振り返るとかいう時に、「あの時バンカーで3発打っちゃったけど、君の言葉に救われたよ、ありがとう」などと友人から感謝の一言を言われるとしたら、最高ではないだろうか。ゴルフは何より、皆が楽しくプレー出来るように気配りする、というのを第一に心掛けるスポーツである。スコアはその次と考えよう。実は私はこの文章に書いたような態度と「真逆の」行動しかしてこなかった人間である。さぞかし一緒に回っていた友人達には「感じ悪い人間」に見えていただろう。お恥ずかしい限りである。この場を借りて陳謝したい。

というわけで明日からは、この「新しいゴルフマナー」を実践して、少なくともゴルフ場内では「理想的な善人」を演じるよう努力したいと思っている。勿論、それは本当の「自分自身の姿」ではないことは承知の上である。だが1年のうちの「たった何日か」でも理想の善人になれるのであれば、曲がりなりにも努力して「周囲から称賛される快感」を味わって見たいと思っているのは事実だ。その快感が「病みつき」になるか、それとも「一度で嫌になるか」、実際にやってみて体験してみたい。実のところ、嘘でもいいから「〇〇さんって、ホント良い人だよね」なんて、人が噂しているのを人づてに聞いてみたいと内心期待しているのだが、どうなることやら。

今日の結論は、ゴルフでは「良い人を演じる」ことである。それをゴルフのマナーの第一に掲げたい。



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