明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

議論の出来ない日本人2(コメントを読んで)

2018-12-21 21:32:56 | 今日の話題
頂いたコメントを拝見して中々の考察と感心しました。こういう「考えることが大好きな人」と一緒に議論するのは楽しいですよね。ただ私としては原発を「議論の例にした」のを少々反省しています。原発問題は根が深く、このような例題に使用するには、余りにも「現実問題として深刻」だと思ったのです。本来ならば、もっとおちゃらけた題目でサラッと書くべきでした。もし本格的に原発を取り上げて議論するなら、考えうる要素を「すべて細かく掘り下げて吟味・精査すること」が必要です。

例えば

1 人間の判断基準は?
全ての道具は、その「得られるものと失うもの(リスク)」とを天秤にかけて、その差がどれほど大きいか=すなわち「価値」があるか、を判断している。

2 良い点は?
原発の場合、得られるものは「効率の良い発電」のみである。燃料が段違いに少量で済む。つまりランニングコストが安くて済む。それにこれはオマケだが、火力発電のように「二酸化炭素排出」もしないので環境に良い。・・・余りないですね。

3 リスクは?
一方、リスクはいっぱいある。
a. まず「発電コストが以上に高額」である。廃炉費用・使用済核燃料保管費用・埋立地への補償・発電所建設費用・運転用冷却水処分費用・核燃料移送費用・そして福島の場合は「事故で汚染された地域の除染費用と放射能被害者への賠償金及びデブリ回収費用」と、ざっと見渡しただけでも「兆のレベル」で費用が発生する。凄い金額です。
b. また発電所の設置場所が放射能の危険を避けるために「電力を必要としている都市部から離れた過疎地の海沿い」に置かれているため、電力供給効率が悪い。
c. さらに、発電所のある県や市町村への補助金もコストに入れるべきである。
d. 発電所の建設・廃棄・移転・増築など、何をやるんでも安全性の検証が最高度にシビアなため、おいそれと作れない点もリスクに入る。全国に52箇所あるというのだが、地震大国の日本で「断層が走っているかいないかは、現在の科学では全て分かるわけではない」と専門家が言っているくらいなので、原子力委員会の評価基準自体が充分だとは言えない 。
e. 運転を停止している場合でも、使用済核燃料を保管・貯蔵している「燃料プール」は冷却し続けなければいけないし、使い終わっていると言っても「北朝鮮の核弾頭よりはるかに威力がある、事実上の核爆弾」が大量に残ってしまい、その処理方法が未定だというのは、この先いくらかかるか計算できないということでもある。とまあ「次から次」と出てくる。

4 諸外国の動向は?
ドイツは2050年までに全てのエネルギーを自然エネルギーに替えると宣言した。というか実際に「年々自然エネルギーの割合が増え続けている」からもう現実に計画が進行しているのだ。他の国でも、アメリカなどでは「原発事業から撤退している」らしくて、これから導入しようというところは発展途上国のみだと思う(これはもっと精査が必要)。つまり先進国では「昔ほど原発に魅力を感じていない」のである。どこの国でも、石油に依存しないエネルギーに方針変換が求められているようだ。

とまあこんな感じです。議論の実際という意味で書いてみました。

もし原発が飛行機並みの安全性を確保しているというのであれば、皇居の真ん中に作ったらどうだろう、それこそ日本の技術を全世界に示す「格好の場所」ではないか。天皇も安全な核融合炉にほおずりなんかして、「宣伝に一役買ってくれる」ことは間違いない。・・・と、冗談を言ってしまいたい誘惑にかられるのですが、これは我慢しなければいけませんね。特に相手がゴリゴリの賛成派の場合は、刺激がキツイので尚更です。いずれにしても、「リスク」と「利益」とを天秤にかけていくところで相手が興奮してしまい、いつも「議論でなくなってしまう危険」がつきまといます。だから「一つ一つの項目を精査して、正しいことを確認していく作業」をも含めて、議論をしていかなければならないと思います。むしろ結論より「過程が重要」なのです。一つ一つが正しければ、「最後の答えも正しい」筈ですから。このような演繹による論理構成で解決してゆくことを、私は議論と呼びたい、これが私の記事の本意でした。議論が正しく運用されていれば、黙っていても「相手の方から正しい答えを言ってくるはず」だからです。それが議論して「一層仲良くなる」秘訣です。

原発のメインテーマは「一度事故を起こせば、放射能で汚染された土地は人間が生存できない場所」になってしまい、人間の能力では「それを人間が住めるように元に戻すことが不可能」だという点にあります。このような不可逆性の破壊的リスクは、他のどんな事故よりも「非人間的・非生物的」ではないでしょうか。電力を生み出すためだけであれば、他にも色々な方法がある筈ですし、それで足りなければ「電力に頼らない技術」を開発することのほうがよっぽどリーズナブルではないですか。現に自動車はガソリンから電気や水素に移行しつつあります。また、水力や太陽光や地熱・風力・海流と、発電方法も多様化しています。なにも危険極まりない原子力を、無理やり使って発電する必要は無いのでは、と私は思っていますが皆さんはどうですか。コメント主さんもその辺は分かっていることと思います。原発反対派同士の議論はどうしても「お手盛り」になりやすいので、出来れば「原発賛成派の議論参加」を聞いてみたかったな、と思っています。それが議論の「もっとも大事な部分」ですから。もし賛成派の方がいらっしゃったら、是非コメントをお願いします。まあぶっちゃけ賛成の立場で参加するってのも無理な「お題」でありまして、現状では「原発の不可逆性リスクに代えられるメリットは無い」という結論で「決まり」だ、と私は考えています。もし何かありましたら、コメントお待ちしております。

ところで、放射能がビンビン飛び回っている福島で汚染されたエサを食べて生きている動物がいる、とどこかの新聞で読んだような気がしていて、DNAレベルで「耐性」が出来てるんじゃないかと考えてみた。そうなれば、深海で溶岩の地下から吹き出す熱源からエネルギーを得ている生物のように、環境の変化に適合して「放射能から」新しく生存のためのエネルギーを得られるように人類が進化(これを進化と呼ぶかどうか疑問だが)しても不思議ではない。そうなれば福島は「新人類生誕の地」になるわけで、原発事故転じて福となることもありえない話ではなくなってきたのだ。その新人類は、史上初めてガンを克服した人類であり、ガンと無縁の生命ということになる(おおっ)。素晴らしいことではないだろうか。

まあ、与太話はこれくらいにして、ガンついでに「もう少し科学的な話」をすると、血液型も似たような経過から派生した人類と言えそうだ、という面白い話がある。ご存知の通り人間の血液型には大まかに言って4種類の型、つまりO型・A型・B型・AB型がある。O型は原始的で(こう言うと怒りだすO型がいて閉口するのだが)最初は全員O型だったらしい。それがある時にA型が派生し、またある時にB型が派生し、そして最後にAB型が出来た(大体紀元1000年位と言われている)。ここまでは皆さんも良く知ってらっしゃることと思うが、血液型と言われている分類法が実は「身体を構成するタンパク質の構造がそれぞれ違っている」ということを知っている人は、残念ながら余りいない。最初に血液を研究していて発見されたから血液型と呼んでいるが、実は「身体構成物質の型」なんである!。つまりO型の身体の材料とA型の材料は「違っている」わけだ(再度、おおっ)、何となく一般に言われている占いとは一線を画す専門的な話になってきたではないか!。

「だからなんだ?」という「科学的・医学的・生物学的な興味の無い方」は、ここで終わ理にして他のブログを読みに行くことをお勧めする。興味がないなら「馬の耳に念仏、釈迦に説法、豚に真珠、カエルの面に小便、・・・」、(それにしても碌な言い回しがないので申し訳ないが)これ以上どこまで説明しても「実のある会話」は成り立ちそうもない。そこで私の手前勝手な話題選びだが、ここからは血液型の話に移行してみよう。

そもそも血液型という呼び方は適切ではない。むしろ「抗原抗体を司る免疫システムの違い」だから、免疫型と呼ぶのが正しいと私は思っている。例えばガンという病気があるが、ケガとかウィルスとか疲労とかでなるのではなく、細胞の異常増殖でどんどん増えていって本来の機能を圧迫・減退させて「臓器不全」になる病気である。ところが血液型によってガンになりやすい体質というのがあるという。例えばA型は乳ガンになると「治りにくく転移しやすい」と言われていて(私の姉はそうだった)、B型は他のガンにはかかりにくいのに前立腺ガンには「かかりやすい」と言われている。何故なのかということは専門的には難しいのだろうが、乳ガンは組織の形が「A型と似ている」為に、本来の免疫力が発揮できない、ということらしいのだ(私の記憶である。B型の例はなぜだか聞き漏らした)。とにかく「ガン」にも色々あって、血液型が関係しているのは間違いなさそうである(血液型以外の要素がどのくらいあるかは知らないが、少なくとも関係はあるという程度のことでも、今回の話には充分である)。

つまり、もともとはO型ばかりだったのに環境だか何だかが変化してそれに「適応するため」にA型が生まれB方が生まれた(らしい)。だから血液型がそれぞれ得意とする「リスク(つまり病気か環境の変化か)に抵抗する免疫力」が「より強力になっている」といえるのだ。A型が森林樹上タイプ、B型が草原地上タイプ、と能見正比古先生はおっしゃっている(私が血液型を学ぶキッカケになった血液型分析の草分けである)。ABは大分後から出てきた進化系なので、都会的な環境に「より適合した」人類だと言えるのじゃないだろうか。野球の野茂英雄や長島茂雄がB型なのは有名だが、実はイチローと大谷翔平もB型なんだそうだ、凄い!。ゴルフではジャンボと青木が揃ってB型、松山英樹と宮里藍もB型というから日本のゴルフを背負って立つ4人が揃ってBというのも何だろねー、B型って案外じゃないの。そう言えばフィギュアスケートの羽生結弦に卓球の福原愛もB型というから、マジB型は恐ろしいほどの「国民的スター揃い」ではないか。強いだけでなく「天然で可愛い所がある」のが国民に愛される理由である。これってB型の「無防備さ」がモロに出てないだろうか?、やっぱり血液型ってのは「何かある」と感じないわけには行かないだろう。

たかが数人の例だけで血液型をくくるわけには当然行かないのだが、ここで問題なのが「血液型の話では、純粋に客観的な観察者がいない」ということである。「A型は几帳面だ」と言う時に、それを判断する人の血液型が「バイアスとして作用する」ことを計算にいれない、と正しい結果は得られない。だから血液型の話を「もっとも嫌がるのがO型」というのも分かりやすい反応なのだ。B型が自分の欠点を指摘されて面白がるのに比べて、O型は欠点を指摘されること自体が「耐えられないという特性」がある。「人間をたった4つに分類するなんて、そんなこと決められるわけ無いだろう!」と怒り出すのがそもそも大体O型なんである。A型にも似たような反応があるが、概ね人間の性格なんて「常識から言っても」そんな簡単なもんじゃないだろう、と一応常識を間に噛ませてくるのがA型らしい。というか常識を持ち出せば何でも相手が言うことを聞くと思っている段階で、B型からは馬鹿にされるのだが、本人は「科学的な意見」を開陳していると思っているのだから浅ましい。ちなみにA型は、人から過ちを追及されると「明らかに自分が悪くても、自分は悪くない」と主張して絶対に謝らないのだから始末に負えないのだ。これは会社で何回も見聞きしているから間違いない。だからA型を無闇に追い詰めるのはやめたほうが良い、というのは、この血液型の勉強をしていて覚えた処世術である。血液型の活用法は「このように使え」の見本として、是非皆さんも研究されることをお勧めしたい。

とまあいろいろ横道に話が飛んでしまったが、ここで最初の「議論」に戻ってみよう(ああ、私はなんと言う会話の天才なのだろう!)。

つまり誰にでも分かる簡単なことであっても、人それぞれで「理解の仕方が根本的に違って」いて、ロジカルな思考というものを勉強しないまま大人になってしまった大半の人にとっては、社会の常識とか昔からやっているとか「単なる風習」に過ぎないことを主張してそのまま議論が終結したような気になっている場合が「普通」だと言うことである。それが身体の免疫システムに依存した血液型で対応が違うとなれば、とても「議論など出来るすべもない」ではないか。多くの人は、既に答えを持っている場合、それ以上「関連する要素を考えて拾い出すこと」をしないのが普通である。それで簡単な理由に固執したり数の論理で圧倒したり「常識だろ?と議論そのものを封殺したりする」のである。悲しいかな、まるで自分が何もかも分かっているかのように・・・・。

議論を始める時は、まず「出来る限り色々な要素を拾う」ことに集中すべきである。これが「議論を訓練する」ことにもつながる。曰く、リスクは?、原材料調達は?、運転資金は?、ノウハウは?、市場調査は?、と言う具合に。商売する時は誰でも考えるが、議論となると皆んな尻込みしてしまうのだ。やっぱり議論する時は「とことん考える」のが練習であり訓練ということだろうか。しかし日本人はそういう訓練をしてこなかった。こんなことではフランス人のように小さい頃から論理的思考の土壌に育って議論を訓練してきた民族には、とても立ち向かう事は出来ない。

ではどうするか、いまからでも遅くない。来年小学校に上がる子供から「カリキュラムで、議論の時間を週1時間」くらい勉強していけば、18歳になる頃には「政治についても少しはマシな議論が出来る」ようになるのではないだろうか。これを小学生からやるのが「効果ある対策」である。身体に染み込む位に習慣化することで、初めて重大な問題を解くことが出来るのだ。例えばテレビの国会中継を子供と一緒に見て、「親子で真剣に議論する」くらいになって来れば、日本にも「言論の時代」と言える日が来るかも知れないではないか、夢のようである。それが正夢となるかどうかは、ひとえに「これからの教育」に掛かっているのだ。

日本よ、未来が見えてきたではないか。

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