ここまで、ドンチの記事をお読みの方の中には、では餌や水がなくて
どうして12年も生きて来られたのかと、疑問を感じますでしょうね。
「捨てる神あれば拾う神あり」の譬えのように、二人の女性が陰で支えてくれていた
のでした。
一人は近くに住む方で、時折ドンチが心配でご自分の飼い犬の餌を分けてくれていたそうです。
人気のない暗い資材置き場は青空天井でしたから、自由に敷地の中に入れました。
不届き者が夜にドンチを虐待しに侵入したそうです。
石を投げられて怪我をしたり、棒で叩かれて血を流していたそうでした。
そんな時はその方は怪我の治療もしてくれていたそうです。
もう一人のTさんがドンチの命を支え続けた方でした。
バイクで仕事に行く時に必ずドンチに餌と水を運び続けてくれました。
雨の日も風の日も。
もう使い物にならないほど壊れてしまった犬小屋にビニール製の布を巻き付けて
とりあえず、ドンチが避難できるようにしてくれていました。
この二人の助けがなければ、ドンチは渇きと飢えで死んでいたでしょう。
もう少し早く私の耳にドンチの事が伝わっていたらと残念でしたが、最後の
4年間は私の手の中で幸せに生きましたから、それまでのドンチの不幸は忘れるようにしました。
何故、「ドンチへの詫び状」とタイトルにしたかは、ハナは生後3か月から育てました
から正真正銘、我が子のような存在でした。
勿論、ドンチへも深い愛を注ぎましたが、やはりどうしてもハナへの想いの方が
強かったように感じます。
何もかも同じように用意して差別はしませんでしたが、もしかするとドンチに寂しい想いをさせてのでは・・・との想いからです。
ドンチはいつも目で私に物を言いましたよ。
「母さんの事は、ボクが命をかけて守る・・・」と。
ハナが13歳で亡くなると後を追うように8か月後に亡くなりました。
「ハナとドンチ」、掛け替えのないない娘と息子のような存在でした。
終わり
Hey Jude - cover - Panflute - Zampońa - Quenacho