酸いも甘いも・・・


酸いも甘いも、もっと経験してから、鈍行各駅停車の汽車でゆっくり
行きましょうか・・・

ドンチへの詫び状 4

2020-07-20 20:23:26 | 日記
ここまで、ドンチの記事をお読みの方の中には、では餌や水がなくて
どうして12年も生きて来られたのかと、疑問を感じますでしょうね。

「捨てる神あれば拾う神あり」の譬えのように、二人の女性が陰で支えてくれていた
のでした。
一人は近くに住む方で、時折ドンチが心配でご自分の飼い犬の餌を分けてくれていたそうです。

人気のない暗い資材置き場は青空天井でしたから、自由に敷地の中に入れました。
不届き者が夜にドンチを虐待しに侵入したそうです。
石を投げられて怪我をしたり、棒で叩かれて血を流していたそうでした。
そんな時はその方は怪我の治療もしてくれていたそうです。

もう一人のTさんがドンチの命を支え続けた方でした。
バイクで仕事に行く時に必ずドンチに餌と水を運び続けてくれました。
雨の日も風の日も。

もう使い物にならないほど壊れてしまった犬小屋にビニール製の布を巻き付けて
とりあえず、ドンチが避難できるようにしてくれていました。
この二人の助けがなければ、ドンチは渇きと飢えで死んでいたでしょう。

もう少し早く私の耳にドンチの事が伝わっていたらと残念でしたが、最後の
4年間は私の手の中で幸せに生きましたから、それまでのドンチの不幸は忘れるようにしました。

何故、「ドンチへの詫び状」とタイトルにしたかは、ハナは生後3か月から育てました
から正真正銘、我が子のような存在でした。

勿論、ドンチへも深い愛を注ぎましたが、やはりどうしてもハナへの想いの方が
強かったように感じます。
何もかも同じように用意して差別はしませんでしたが、もしかするとドンチに寂しい想いをさせてのでは・・・との想いからです。

ドンチはいつも目で私に物を言いましたよ。
「母さんの事は、ボクが命をかけて守る・・・」と。

ハナが13歳で亡くなると後を追うように8か月後に亡くなりました。
「ハナとドンチ」、掛け替えのないない娘と息子のような存在でした。

終わり


Hey Jude - cover - Panflute - Zampońa - Quenacho








ドンチへの詫び状 3

2020-07-20 12:11:57 | 日記
その資材置き場にいた犬こそ、「ハナ」の兄と弟の二役をこなしてくれた「苦労人」否「苦労犬」の「ドンチ」だったのです。

仲間の言う通り痩せていて、目がうつろで、毛並みは荒れて、餌も水もありませんでした。
一体、こんな薄汚い所に命のある犬を鎖で繋いだまま放置している人間は誰なのか、
憤懣やるかたない気持ちでいっぱいになり、その人間を探し出さなければならないと思いましたが、瞬時にそんなことはどうでもいいから私が連れて帰ろうと決断しました。

汚れた体は夫がシャンプーしてくれて、その日のうちに罹り付けの獣医さんへ連れて行きました。

幸い外飼いの犬が蚊を媒介として掛かるヒラリアもなく、狂犬病と混合ワクチンの予防注射をしてもらい我が家の家族になりました。

ドンチは初めから「ボクを救ってくれた母さん」みたいな信頼の目で私を見つめました。
シェパードと柴犬のミックスとのことで、賢くておとなしくて、ハナには一目おいて、
家来のように振る舞いました。

なるべく栄養価の高いお肉や野菜、ドックフードを取り混ぜて与えました。
みるみる毛並みは艶が出て綺麗になり、太ってきて、立派な「ドンチ」になりました。
15キロの体重は20キロに増えました。

この日から私は、大型犬2頭の母さんになりました。
ドンチを救えて本当に幸せでした。
ハナにも兄弟が出来て嬉しいことでした。