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あるBANDのヴォーカリストの発言で
強烈なインパクトを与えられた言葉があるんですが。
「言葉とは偉大なる発明だ。全ての人に異なるイメージを与えてくれるから」
…目から鱗どころの騒ぎではなく。完全な発想の逆転。言葉の持つ可能性を思い知らされ、瞬間、
僕の中で「言葉の使い方」の箍は完全に外れて自由の身になりました。つまり、それまでは
「言葉こそ異なる思想、思考、精神、民族をすら超えてその意思疎通の統一を可能にする
最大最高の魔法」であるかのように捉えていたものが一瞬にして崩壊しました。
確かに共通の言語を持たない民族が意思の疎通を図る時、言葉は最大の有効手段かもしれません。
が、「それだけで」言葉の役割を終わらすのはあまりにも惜しい…と言うかあまりにも
言葉の可能性を見くびっているかと。
今日観た映画、「シルヴィア」の中での会話⇒
「最高の詩は武器となる。玩具じゃない。凄まじい破壊力だ」
「だから学校で習わせるのね。勝手にいじると大変。うっかりソネットに引火したら?」
…詩は飛べます。夢を見させ、波に乗り、山を越えて湖に沈み、歓喜させ、絶望の淵を歩かせ、
創造と破壊を奏で、誕生と死を司り、神と悪魔の弦楽奏さえも。
あてにならない明日の幸福より欺瞞に満ちた政府の政策より
確実にリアルに心に響きます。すぐに。即効性です。それもイヤになるほどに。呆れるほどに。
「シルヴィア・プラス」。1932年アメリカ生まれ。
英語圏では知らない人はいないとさえ言われるくらいの詩人…だそうです。
だそうです…そう、この映画を知るまでその存在を知りませんでした。
気づいたら詩を書き始め、様々な雑誌でも取り上げられていた彼女は、ケンブリッジ大学で
「(彼の)詩に惚れ込んだ」テッド・ヒューズと出会い、4ヶ月で結婚。
詩が導き、詩が育み、詩が叶えた二人の結びつき。
始まりはそれこそが二人の全てだったのでしょう。
自分が信じるものが、信じる世界が相手にも存在し、それが互いに認め合える…
まさに至福の瞬間。
しかし…以降ネタバレになるので詳細は控えますが、
「妻」としての箍が外れたときからの、彼女の取り憑かれた様な創作力。
孤独の苦痛から逃避するかのように書き続ける詩と言葉。実際、
後に出版された詩集「エアリアル」の中の26篇の詩はその頃…1ヶ月ほどの間に
書かれているらしく。皮肉なものです。
今となっては知る由もないんですが、もしかしたら彼女は「詩人」である人生よりも
「女、妻」である人生を望んでいたのかも…しれません。
で…言っちゃえばこの映画、主演がグウィネス・パルトロウでなかったら
観に行ったかは微妙です。
「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」で見事彼女にやられた僕としては、
まぁグウィネスの新作として観てみようと思ったんですが…にしても良くある
「ファンの盲目的な思い込み」だとしても適役だったかと。
少女のような不安げな表情から、ヒューズとの新婚当初の喜びと自信に満ちた態度から、
後半の煙草を燻らせながら「愛人を持とうかと」の疲れ切った、でも色っぽい台詞まで
ホントに表情豊かで、繊細な,繊細過ぎたシルヴィア・プラスを見事に演じていたかと。
詩人の生涯を描いた映画において、詩そのものは実は脇役に回り、
一人の女性の儚さと力強さを美しく描いています。
☆「シルヴィア」オフィシャル・サイト
Now Listening : Missa Papae Marcelli; Missa Brevis / Palestrina
強烈なインパクトを与えられた言葉があるんですが。
「言葉とは偉大なる発明だ。全ての人に異なるイメージを与えてくれるから」
…目から鱗どころの騒ぎではなく。完全な発想の逆転。言葉の持つ可能性を思い知らされ、瞬間、
僕の中で「言葉の使い方」の箍は完全に外れて自由の身になりました。つまり、それまでは
「言葉こそ異なる思想、思考、精神、民族をすら超えてその意思疎通の統一を可能にする
最大最高の魔法」であるかのように捉えていたものが一瞬にして崩壊しました。
確かに共通の言語を持たない民族が意思の疎通を図る時、言葉は最大の有効手段かもしれません。
が、「それだけで」言葉の役割を終わらすのはあまりにも惜しい…と言うかあまりにも
言葉の可能性を見くびっているかと。
今日観た映画、「シルヴィア」の中での会話⇒
「最高の詩は武器となる。玩具じゃない。凄まじい破壊力だ」
「だから学校で習わせるのね。勝手にいじると大変。うっかりソネットに引火したら?」
…詩は飛べます。夢を見させ、波に乗り、山を越えて湖に沈み、歓喜させ、絶望の淵を歩かせ、
創造と破壊を奏で、誕生と死を司り、神と悪魔の弦楽奏さえも。
あてにならない明日の幸福より欺瞞に満ちた政府の政策より
確実にリアルに心に響きます。すぐに。即効性です。それもイヤになるほどに。呆れるほどに。
「シルヴィア・プラス」。1932年アメリカ生まれ。
英語圏では知らない人はいないとさえ言われるくらいの詩人…だそうです。
だそうです…そう、この映画を知るまでその存在を知りませんでした。
気づいたら詩を書き始め、様々な雑誌でも取り上げられていた彼女は、ケンブリッジ大学で
「(彼の)詩に惚れ込んだ」テッド・ヒューズと出会い、4ヶ月で結婚。
詩が導き、詩が育み、詩が叶えた二人の結びつき。
始まりはそれこそが二人の全てだったのでしょう。
自分が信じるものが、信じる世界が相手にも存在し、それが互いに認め合える…
まさに至福の瞬間。
しかし…以降ネタバレになるので詳細は控えますが、
「妻」としての箍が外れたときからの、彼女の取り憑かれた様な創作力。
孤独の苦痛から逃避するかのように書き続ける詩と言葉。実際、
後に出版された詩集「エアリアル」の中の26篇の詩はその頃…1ヶ月ほどの間に
書かれているらしく。皮肉なものです。
今となっては知る由もないんですが、もしかしたら彼女は「詩人」である人生よりも
「女、妻」である人生を望んでいたのかも…しれません。
で…言っちゃえばこの映画、主演がグウィネス・パルトロウでなかったら
観に行ったかは微妙です。
「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」で見事彼女にやられた僕としては、
まぁグウィネスの新作として観てみようと思ったんですが…にしても良くある
「ファンの盲目的な思い込み」だとしても適役だったかと。
少女のような不安げな表情から、ヒューズとの新婚当初の喜びと自信に満ちた態度から、
後半の煙草を燻らせながら「愛人を持とうかと」の疲れ切った、でも色っぽい台詞まで
ホントに表情豊かで、繊細な,繊細過ぎたシルヴィア・プラスを見事に演じていたかと。
詩人の生涯を描いた映画において、詩そのものは実は脇役に回り、
一人の女性の儚さと力強さを美しく描いています。
☆「シルヴィア」オフィシャル・サイト
Now Listening : Missa Papae Marcelli; Missa Brevis / Palestrina
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