ウィリアム・バロウズを知ったのはMINISTRYの"Just One Fix"のクリップ。多いんじゃないかな。
同じ人。掘削機のようなマシン・ビートとナイフのようなギターリフと
発狂したような叫びの上に唐突に老人のナレーションが入る。クリップでは
椅子に腰掛け脱帽してご挨拶?何だろこの爺さん。後で知ったのはこの爺さんこそ
20世紀最大のジャンキーにして作家⇒カットアップの手法を文学に取り入れ
意識と下意識の混合を無秩序に容赦なく放屁のようにぶちまけた素敵な爺さん、
ウィリアム・バロウズその人だった。
(余談だが"Just One Fix"のEp収録の"Quick Fix"は身悶えするカッコ良さである)
で、今ちょうど原作本を読んでる途中なんだけど、イキナリ映画の方から観たら
「イヤ、ごちそうさま。ワケわかりません。さよーなら。金返せ!」となる可能性が非常に
高いと思う…と書いておいてふと、「イヤ、原作本読んだ時点で既に理解不能でさよーなら」
ではないか?一般的には。と思った。幸い僕はへそ曲がりな人間で「簡単に理解出来るもの」
にはさっぱり興味が湧かない。原作本を先に読んで良かったのは、登場するキャラクターが
映画で映像となって現れたとき、「あぁ、アレがコレね」と(笑)なるワケだ。
"JAWS"シリーズの化け物サメを仕留める警察署長が当たり役で、一躍人気俳優となった
ロイ・シャイダーが、本人曰く「(監督の)D.クローネンバーグとバロウズの大ファン」とかで
真っ先にキャスティングされたらしい。その人気俳優が過去の栄光を捨て(笑)
“ベンウェイ医師”の役で怪演とも言えるイイ味を出している。
「あ~そんな監督とあんな作家のファンだったばかりに…」なんて思いながらも、僕の中での
シャイダー(宇宙刑事ぢゃないよ)の株は今急上昇である。
映画には勿論クローネンバーグが創作した部分も多い。中で有名?なのは
“大の虫好き&大の(小)道具好き&作家を目指していた”彼の、”好き好き病”が生んだ
妄想の産物、「バグ・ライター」ではないだろうか。この"Talking Asshole”⇒「喋る肛門」
を持ち、主人公に“インターゾーンのレポート”を催促する、タイプライターと合体した
素敵な生物は“クラーク・ノヴァ”、“マルティネリ”などの名前で登場する。
映画に登場するクリーチャーは数あれどコイツらは個人的にかなりお気に入りである。
主人公に自分の体で「素敵な文章」をタイプさせ、「あ~ぁ…最高の文章だぁあ」と
恍惚の口調で語る様はバカバカしくもニヤリとしてしまう。
そしてその発想の独創性に感服させられる。
「マグワンプ」。この“金星人”がフツーに主人公とバーで一杯やってるのは、絵的にとても
微笑ましい。彼は“インターゾーン”と言う名の目くるめく甘美な地獄への案内人なのだ。
さて、この映画は良く「バロウズの伝記」だと言われている(らしい)。
確かにその生涯に符合する点は映画中にいくらでも発見出来る。
この原作本をまんま映画化するなんて端から無理…と言うかあまり意味のない事にさえ思える。
原作「裸のランチ」の圧倒的に異質な空間を独自の解釈で咀嚼し、さらに
個人の趣味を反映させた世界を展開したクローネンバーグの仕事は、否定的な意見も
聞ききはするが、僕的には評価出来る内容だと思う(エラそうに)。そして何より、
好きか嫌いか?と聞かれたら間違いなく嬉ション必至の大好きな世界(の映画)なのだ。
ところで僕はバロウズの“声”が大好きだ。理由なんて無い。聞いていて気持ちが良い。
それだけなんだけど。で、調べたら「朗読CD」なるものも何作か出ていて、中にはSonic Youthと
コラボしたものやカート・コバーンとの共演?シングルなんてのもあった⇒
(ちなみにそのシングル、"Priest They Called Him"欲しいです。お持ちの方、ご連絡を♪ )
ハーバード、害虫駆除、ドラッグ、文学、ホモセクシャル、ビート・ジェネレーション、
タンジール、NIKEのCM、殺人。自らの文学同様、あらゆる人生の"MiX"を経て1997年、
バロウズは逝った。
同じ人。掘削機のようなマシン・ビートとナイフのようなギターリフと
発狂したような叫びの上に唐突に老人のナレーションが入る。クリップでは
椅子に腰掛け脱帽してご挨拶?何だろこの爺さん。後で知ったのはこの爺さんこそ
20世紀最大のジャンキーにして作家⇒カットアップの手法を文学に取り入れ
意識と下意識の混合を無秩序に容赦なく放屁のようにぶちまけた素敵な爺さん、
ウィリアム・バロウズその人だった。
(余談だが"Just One Fix"のEp収録の"Quick Fix"は身悶えするカッコ良さである)
で、今ちょうど原作本を読んでる途中なんだけど、イキナリ映画の方から観たら
「イヤ、ごちそうさま。ワケわかりません。さよーなら。金返せ!」となる可能性が非常に
高いと思う…と書いておいてふと、「イヤ、原作本読んだ時点で既に理解不能でさよーなら」
ではないか?一般的には。と思った。幸い僕はへそ曲がりな人間で「簡単に理解出来るもの」
にはさっぱり興味が湧かない。原作本を先に読んで良かったのは、登場するキャラクターが
映画で映像となって現れたとき、「あぁ、アレがコレね」と(笑)なるワケだ。
"JAWS"シリーズの化け物サメを仕留める警察署長が当たり役で、一躍人気俳優となった
ロイ・シャイダーが、本人曰く「(監督の)D.クローネンバーグとバロウズの大ファン」とかで
真っ先にキャスティングされたらしい。その人気俳優が過去の栄光を捨て(笑)
“ベンウェイ医師”の役で怪演とも言えるイイ味を出している。
「あ~そんな監督とあんな作家のファンだったばかりに…」なんて思いながらも、僕の中での
シャイダー(宇宙刑事ぢゃないよ)の株は今急上昇である。
映画には勿論クローネンバーグが創作した部分も多い。中で有名?なのは
“大の虫好き&大の(小)道具好き&作家を目指していた”彼の、”好き好き病”が生んだ
妄想の産物、「バグ・ライター」ではないだろうか。この"Talking Asshole”⇒「喋る肛門」
を持ち、主人公に“インターゾーンのレポート”を催促する、タイプライターと合体した
素敵な生物は“クラーク・ノヴァ”、“マルティネリ”などの名前で登場する。
映画に登場するクリーチャーは数あれどコイツらは個人的にかなりお気に入りである。
主人公に自分の体で「素敵な文章」をタイプさせ、「あ~ぁ…最高の文章だぁあ」と
恍惚の口調で語る様はバカバカしくもニヤリとしてしまう。
そしてその発想の独創性に感服させられる。
「マグワンプ」。この“金星人”がフツーに主人公とバーで一杯やってるのは、絵的にとても
微笑ましい。彼は“インターゾーン”と言う名の目くるめく甘美な地獄への案内人なのだ。
さて、この映画は良く「バロウズの伝記」だと言われている(らしい)。
確かにその生涯に符合する点は映画中にいくらでも発見出来る。
この原作本をまんま映画化するなんて端から無理…と言うかあまり意味のない事にさえ思える。
原作「裸のランチ」の圧倒的に異質な空間を独自の解釈で咀嚼し、さらに
個人の趣味を反映させた世界を展開したクローネンバーグの仕事は、否定的な意見も
聞ききはするが、僕的には評価出来る内容だと思う(エラそうに)。そして何より、
好きか嫌いか?と聞かれたら間違いなく嬉ション必至の大好きな世界(の映画)なのだ。
ところで僕はバロウズの“声”が大好きだ。理由なんて無い。聞いていて気持ちが良い。
それだけなんだけど。で、調べたら「朗読CD」なるものも何作か出ていて、中にはSonic Youthと
コラボしたものやカート・コバーンとの共演?シングルなんてのもあった⇒
(ちなみにそのシングル、"Priest They Called Him"欲しいです。お持ちの方、ご連絡を♪ )
ハーバード、害虫駆除、ドラッグ、文学、ホモセクシャル、ビート・ジェネレーション、
タンジール、NIKEのCM、殺人。自らの文学同様、あらゆる人生の"MiX"を経て1997年、
バロウズは逝った。