absolute Ego dance for HDR

美しくて禍々しい世界、を
HDR写真で表現したいと目論んでいるのです。

「裸のランチ」⇒ junkyとfreakyの幸福な邂逅。

2004年10月27日 08時29分10秒 | film
ウィリアム・バロウズを知ったのはMINISTRYの"Just One Fix"のクリップ。多いんじゃないかな。
同じ人。掘削機のようなマシン・ビートとナイフのようなギターリフと
発狂したような叫びの上に唐突に老人のナレーションが入る。クリップでは
椅子に腰掛け脱帽してご挨拶?何だろこの爺さん。後で知ったのはこの爺さんこそ
20世紀最大のジャンキーにして作家⇒カットアップの手法を文学に取り入れ
意識と下意識の混合を無秩序に容赦なく放屁のようにぶちまけた素敵な爺さん、
ウィリアム・バロウズその人だった。
(余談だが"Just One Fix"のEp収録の"Quick Fix"は身悶えするカッコ良さである)

で、今ちょうど原作本を読んでる途中なんだけど、イキナリ映画の方から観たら
「イヤ、ごちそうさま。ワケわかりません。さよーなら。金返せ!」となる可能性が非常に
高いと思う…と書いておいてふと、「イヤ、原作本読んだ時点で既に理解不能でさよーなら」
ではないか?一般的には。と思った。幸い僕はへそ曲がりな人間で「簡単に理解出来るもの」
にはさっぱり興味が湧かない。原作本を先に読んで良かったのは、登場するキャラクターが
映画で映像となって現れたとき、「あぁ、アレがコレね」と(笑)なるワケだ。

"JAWS"シリーズの化け物サメを仕留める警察署長が当たり役で、一躍人気俳優となった
ロイ・シャイダーが、本人曰く「(監督の)D.クローネンバーグとバロウズの大ファン」とかで
真っ先にキャスティングされたらしい。その人気俳優が過去の栄光を捨て(笑)
“ベンウェイ医師”の役で怪演とも言えるイイ味を出している。
「あ~そんな監督とあんな作家のファンだったばかりに…」なんて思いながらも、僕の中での
シャイダー(宇宙刑事ぢゃないよ)の株は今急上昇である。

映画には勿論クローネンバーグが創作した部分も多い。中で有名?なのは
“大の虫好き&大の(小)道具好き&作家を目指していた”彼の、”好き好き病”が生んだ
妄想の産物、「バグ・ライター」ではないだろうか。この"Talking Asshole”⇒「喋る肛門」
を持ち、主人公に“インターゾーンのレポート”を催促する、タイプライターと合体した
素敵な生物は“クラーク・ノヴァ”、“マルティネリ”などの名前で登場する。
映画に登場するクリーチャーは数あれどコイツらは個人的にかなりお気に入りである。
主人公に自分の体で「素敵な文章」をタイプさせ、「あ~ぁ…最高の文章だぁあ」と
恍惚の口調で語る様はバカバカしくもニヤリとしてしまう。
そしてその発想の独創性に感服させられる。
「マグワンプ」。この“金星人”がフツーに主人公とバーで一杯やってるのは、絵的にとても
微笑ましい。彼は“インターゾーン”と言う名の目くるめく甘美な地獄への案内人なのだ。

さて、この映画は良く「バロウズの伝記」だと言われている(らしい)。
確かにその生涯に符合する点は映画中にいくらでも発見出来る。
この原作本をまんま映画化するなんて端から無理…と言うかあまり意味のない事にさえ思える。
原作「裸のランチ」の圧倒的に異質な空間を独自の解釈で咀嚼し、さらに
個人の趣味を反映させた世界を展開したクローネンバーグの仕事は、否定的な意見も
聞ききはするが、僕的には評価出来る内容だと思う(エラそうに)。そして何より、
好きか嫌いか?と聞かれたら間違いなく嬉ション必至の大好きな世界(の映画)なのだ。

ところで僕はバロウズの“声”が大好きだ。理由なんて無い。聞いていて気持ちが良い。
それだけなんだけど。で、調べたら「朗読CD」なるものも何作か出ていて、中にはSonic Youthと
コラボしたものやカート・コバーンとの共演?シングルなんてのもあった⇒
(ちなみにそのシングル、"Priest They Called Him"欲しいです。お持ちの方、ご連絡を♪ )

ハーバード、害虫駆除、ドラッグ、文学、ホモセクシャル、ビート・ジェネレーション、
タンジール、NIKEのCM、殺人。自らの文学同様、あらゆる人生の"MiX"を経て1997年、
バロウズは逝った。

treasure Hunting@Oct.18

2004年10月23日 02時16分35秒 | musique
要はお買い物メモ。

Greatest Hits, Vol.1 / Korn
アルバムは全部持ってるので必要ないかとも思ったんだけど、ボーナスDVDのCBGBでの
Free Liveの映像。これに尽きる。タワレコで"Right Now"が流れてたんだけど、
そのまま観続けると「うぬめ_?>(%~ぎゃらっちぇ☆※すぽーっ@+*$%『』#&^=ひぃ~っく!!」
などと奇声をあげ頭を降り出しそうな勢いだったので途中までにした・・・。
…にしてもSONICMANIA'04でもこの勢いが観たかった。次回は単独で来てくれ(その1)

Big Eyeball in the Sky / Colonel Claypool's Bucket of Bernie Brains
このメンバなら即買い。音は100%未聴。でも悪いワケない。多分。で、
PRIMUSはFuji Rock '04(行ってない)で来てたけど、やっぱこちらも単独で来てくれ(その2)

26 Mixes for Cash / Aphex Twin
「期間限定の特典(缶バッヂ)付き⇒WARPの。どれが当たるかはお楽しみ♪」と来た。
(@タワレコ新宿。他店舗では?)
あ~こう言うのに嬉ションするバカ犬みたいに反応してしまう。まぁそれでなくても
Aphex Twinは全部欲しいんだけど。手に入るのは。で、来日してくれっ。

Come from Heaven / Alpha
iTunesのラジオにデフォルトで"Beat Blender"って入ってるんですけど、聴いてたら
「あ~ぁこう言うの好き♪」ってのがあって。で、アーティスト名見たらAlpha。
「こんな音出すんだー」と。見たらWARPでした。納得。
数少ない「レーベル買い」が出来るトコロ。ECM同様。

B Ep / Battles
こちらのサイトで絶賛されているのを読み⇒
アマゾンの30秒試聴でさえ卒倒⇒あれ、来月来日?⇒ぢゃあ行きます。みたいな。本能のままに。
ってか、やっぱメンバは'80s King CrimsonやらSteve Reichやらが好きなんだろーなぁ。
(単純な発想)

以上がCD達。で、それと
「デイヴィド・リンチ」/フィルムアート社(書籍)
「夜想」ゴス特集(書籍)⇒Gottfried Helnweinのインタビューが読みたかったのねー。
「The Godfather」 /(DVD Box)ある意味衝動買い。まぁタワレコのポイントもあったし。

いじょう。

U2と言う名のカメレオン 壱。

2004年10月17日 12時07分16秒 | musique
では今日からスタート。

ネタ的には少し経っているが、新しいiPodのCMにU2が登場、新曲のクリップ…
と言うかコラボしたもの。まぁタイアップとも言う(笑)が
apple/iTunesのサイトで視聴出来る。
(2分バージョンは要iTunesインストール)
あのお馴染みのCoolな映像に彼らが見事に染まっているのは
何やら微笑ましくしかし実にカッコヨイ。
新曲タイトルは"Vertigo"。一聴しての感想は「おぉ~何か"ROCK"のU2が戻って来たぁ~!」
であり、これは僕的には歓迎すべき音だった。単純に。
Guitarの音など妙に生々しい。

言わずもがな80年代のU2はどうしようもないくらいに、そして
恥ずかしいくらいに真っ直ぐだった。ROCKそのものだった。
アイルランド紛争を歌った⇒スネアの「ドカドカ」感は一度聴いたらイヤでも忘れられない⇒
そして聴く度に内蔵がえぐられそうな悲痛な叫び"Sunday Bloody Sunday"を始め
彼らのメッセージと音は「THE CLASH以降最も政治的なバンド」と言う
有り難いんだか何だか良く分からない称号を与えられたりもした。

もっとも当時の僕は彼らの政治性なんぞ殆ど理解出来ないままに
今は無きミュージックライフ誌の絶賛コメントを読みながら
「うわ~何かすごい人達が出て来たんだなぁ~でもそれより今は同じクラスの
Y子ちゃんの方が気になるなーう~ん次の席替えでは絶対に…(絶対何だ?!)」ってな調子の
ただのハナたらし小僧だった。が、そんなハナたらし女たらしのガキんちょの耳にもあの
Beatlesの"Get Back"のクリップを思い起こさせる⇒ビルの屋上から流れて来た
あまりにも印象的なイントロ⇒"Where The Streets Have No Name "の旋律は
美しいまでの力強さと存在感を伴って飛び込んで来た。
そう、「力強さ」。陳腐で定番で時に気恥ずかしささえ伴うこの言葉。だが僕がU2を想う時、
何よりもそして一番に感じるのはこの「力強さ」なのである。言ってしまえば
Bonoの圧倒的なまでの声。だが同時に憂いも切なさも色気さえ感じる声の魔力。
一瞬にして“特別な空気”を生み出すのはまさに天賦だろう。

(ヤだけど便宜上使わせていただくこの言葉…)⇒日本の所謂「ビジュアル系バンド」に
イヤと言う程パクられたThe Edgeの“ディレイド・ギター”が炸裂のアルバム"Joshua Tree"は、
言ってしまえばオープニングからの3曲で感情の昂揚から安息までを
早くも語り切ってしまっている。
それ以降は割と地味な展開が続いている印象…
(それでもラスト曲"Mothers Of The Disappeared"の揺らめく焔のような感覚は実に気持ち良い)
なのだが、それは同時に如何にトップの3曲が完璧かを語っている。

発売後、48時間で100万枚を売り上げた(何じゃそりゃ!)このアルバムは、彼らを
Time誌の表紙を飾らせる事にも貢献した。

To be continued.