absolute Ego dance for HDR

美しくて禍々しい世界、を
HDR写真で表現したいと目論んでいるのです。

downward spiral into NIN。

2005年09月07日 22時44分46秒 | concert

と言うことで、某mixiに書いたサマソニでのNIN Liveレポを何故か今さら転載したいと思う。
月も変わったことだし・・・ w

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さ・て・と。
ここから超私的モードに入るけど。

"The Downward Spiral"こそ、音楽史的観点からも僕の中での音楽嗜好的にも
“epoch-making”だったワケだけど、その後5年間もの沈黙。
嗚呼そりゃ世の夫婦じゃなくても浮気もしますわよ。

"The Fragile"がリリースされても、当時さほど僕の中での盛り上がりは見られず。
あー、出てるのか・・・ってなくらいで。

ところが、去年くらいから何故か再び盛り上がって来たNIN。僕の中で。
やっぱ新作の話題が出始めた頃かな。
蓋を開けてみたらまぁ予想はしてたけど、思いのほかシンプルな音像だった"With Teeth"。
だけど楽曲のクオリティはすこぶる良くて。ホント、驚くくらいだった。

タイミング良く、ね。今回の来日。
アルバムが良かったとは言え、正直サマソニ当日まではSLIPKNOTの方が自分の中では
盛り上がっていて。
何せあの9人が取り憑かれたようにパフォームする様はそれこそLiveの映像なんかを観ても
圧巻だったし。


と こ ろ が だ。

本気で疲れ切っていった僕はグランドの結構な後方、完全に群衆とは離れた所で文字通り
“マターリ”観るつもりでいた。

しかしそれもSEの"pinion"に続いて始まった突然の・・・"Wish"。
まさかの。まさかの!!
スゲー!スゲー!スゲー!スゲー!スゲー!!!!言葉にならない衝撃。
疲れ切っていた体が小刻みに痙攣を起こし、頭が真っ白になった。

"this is the first day of my last days"とトレントが歌い始めた瞬間、
本気で顔にまで鳥肌が立つのが分かった。
体力を振り絞って・・・なんてレベルじゃなくて、勝手に体が脳の制止を振り切って暴れ始める。

何が凄いのか?、なんて説明は意味が無くて、ただ、ただその“音塊”に脳が反応し、
体を揺らしている。と言うか、取り憑いている、感じ。
あああっ。今でもこんなに、こんな風に音楽に反応出来る脳を感情を、
神経を持ってるのは幸せだな、と思った。

やっぱり曲順とか全部覚えてないけど、"march!"とトレントが紹介して始まった
"March of the Pigs"、Liveだとまたひと味違った"the hand that feeds"、
かなりアレンジが変わっていて、サビまで思わず分からなかった"burn"、
PVも素晴らし過ぎる"Closer"、新作から"With Teeth"、そして・・・正直、スタジオ盤では
ずっとピンと来なかったのを告白するけど"hurt"。
これがLiveだと素晴らしかった。痛々しい程に突き刺さった。

それこそ風呂上がりのように汗が文字通りポタポタと滴るままに
鍵盤を奏でるトレント。
最初の"I hurt myself today"から、"I would keep myself
I would find a way.... "で締めるまで、スクリーンに映し出される
その姿に釘付けになってしまった。

で、やっぱり"hurt"で終了?勝手にと思いきや、始まったのは新作の中でもかなりな
アッパー・チューン、"you know what you are?"。盛り上がらないワケがない。
更には怒濤の"Starfuckers Inc."!!
僕的には"Wish"と並んでこの日のハイライト。
曲後半の"don't you・・・"の観客からのレスポンスに、満足気な
トレントの顔がスクリーンに大映しになる。

"head like hole"は最早手の付けられない爆発振り。大合唱でエンディング。
アーロンはギター振り回して床に叩き付けて大破壊。
そしてフィードバックとノイズと大歓声で全てが終了。。。

ふうぅ。


・・・これ、サマーソニックって言う“イベント”だったって言う事実を、
遥か彼方へ葬り去った“nine inch nailsのための”90分間の饗宴。

"The Downward Spiral"以降約10年、僕の中で抱いていた
NINへの不完全燃焼な思いはたったこの90分で完全に埋まってしまった。
今やKORNと並んで僕の中では、“ある特別な存在”たる場所に位置された感がある。


宴の最後は、打ち上がった花火でそれが確かにイベントであり、
祭りであったことを思い出させた。

けど、今日であの日から1週間。未だに僕の中ではあれは
“nine inch nailsを体験した日”として残っている。
ホントに、明日にでもまた彼らのLiveを観たいくらいなのだ。
この飢餓感を満たすために、コイツが必要みたいだ・・・。

Now Listening : Further Down The Spiral / Nine Inch Nails