みんなの僧

24で僧侶になり54で住職になるまで夢や悩みを聞き続けて30年。

バガボンド

2011-05-05 19:10:58 | 日記
興福寺より南の下、猿沢池の袂に車を止めて沈む夕日を眺めていたら うつらうつら


連休だが奈良はそんなに人ごみはない。

拙僧がうつらうつらしてる間にも福島原発第一の一号機では命がけの作業が続いている。ありがとうございます。

今回の大震災で分かった事。日本の神様は結論として原発を認めなかった。でなきゃM9の巨大地震は起こらない。にもかかわらず、いまだに原子力発電を推進しようとする国会議員や東京電力の幹部や東芝・日立などなどの企業幹部がいる。神様への冒涜である。

日本にテロが無い事を良いことに 反省どころか 喉元も過ぎて無いのに、推進派が動き出している。

タマラン!

政権交代は完全な不発どころか壮大な詐欺だった。だから信用出来ない。
御用学者も百害あって一理なしだし、経済界も同じ様なもんだ。

マスメディアは常に権力や財力に対して劣等感コンプレックスが強すぎて、我が我がと言う自意識が先行して その論陣はまともに受け入れ難い。

かと言って現在の仏教界となると 全くチカラが無い。(仏教自体のパワーはあるけど)


石山本願寺時代の迫力とパワーは何処に行ったのか?

何事を決めるのも国会の紛い事、真似事していて 大事な事や 急を要する事が決まらないし 出来ない。

その点、最近の浄土真宗の東本願寺の決定や動きは 目を見張る。

やることなすこと素早く、かつセンスが良い。

素晴らしい。手放しで賞賛に値する。

バガボンドの井上さんの起用タイミングは最高!

日清、109、親鸞。

これ以上のメディアキャッチはないでしょ!


世間はブログどころか、ツィッターやfacebookの時代なのにね 何しとんのかね?仏教界。


ブログでつぶやいてるだけでは世の中は動かない。
法力を蓄え、磨いて、いざという時には その法力で、間違った内閣や原子力開発や強欲企業に鉄槌を下せるようにならないと。

良識に目覚めた国民が立ち上がり、ほんまもんの無血 一向一揆を起こさないと ネクストステージの日本はやってこない。

パラダイムシフトのキーワードは 一向一揆 だ。

天国から来たチャンピオン

2011-05-05 10:19:56 | 日記
残り少ない連休の夜にオススメのDVD

霊魂モノ映画で 最高傑作と呼ばれてるのは 恋愛系なら、ゴースト/ニューヨークの幻。
スリラー・ミステリー系なら、シックス・センスで決まりだと思う。

アプローチやテーマはちがうが、どちらも見終わったあと とても切なくなる。シックスセンスがあまりにも良くて、監督したナイト・シャマランの映画を追いかけてるが、ほとんどファウルチップ。適時打に当たった事がない。
でも、シックスセンスもゴースト/ニューヨークの幻の2作品はとっても人生と周りの人たちが愛おしくなる素晴らしい映画だ。

ファンタジーと標榜してる映画よりも断然、ファンタジーを感じてしまう。

そんな霊魂モノ映画の中でも拙僧がピカ一と思うのは「天国から来たチャンピオン」うん、ダントツ。

ゴーストもシックスセンスも大変素晴らしいが、原点は 天国から来たチャンピオンなのです。

1978年頃のアメリカで作られた映画で、原作・脚本・主演はウォーレン・ベイティ。

丁度アメリカのテレビでは 刑事コロンボが流行っていた頃で、アメリカが名実ともに輝いていた時だ。
欲望と野心の代名詞、アメリカンドリームの花盛りなりし頃だった。

拙僧はとても単純な質で、まともにアメリカンドリームが大好きで、アメリカの夢も野心も欲望も大好きで、虜になっていた。

アメリカを疑う事は寸分もなかった。

それが、経験を積み、世の中の辛酸を舐めまくり、裏側を嫌になるほどみて、強欲に翻弄されると いやでも社会と人間の事実と現実を知る事になる。

今や、ニュースや新聞を信じる事はなくなった。

ましてや、政治・大企業側から流す情報やマスメディアのトップ記事をまともに受け取る事は全くない。

そんな中でもアメリカ政府から出されるコメントに、真実を感じた事は最早寸分も無い。


あやや、脱線してもた。
天国から来たチャンピオンは霊魂モノと言うより コメディに近い。人生と社会をコミカルに表現している。人生はあっという間だってね。聖徳太子風だと「世間虚仮」。浄土真宗・中興の祖、蓮如さん風では「葉っぱに宿る朝露のごとし」かな。
出逢い・愛・欲望・葛藤・苦しみ・人間関係などなど

人生真っ只中では、人生を愛おしいと思う事は なかなか無いが、この世を去る瞬間には、苦しみや悲しみや辛さも愛おしく感じるだろうな。

腹立って、憎くて、殺してやりたい人に対しても 愛おしさを感じるかも知れないかも。

映画は そこまで言ってもいないし、表現もしていないけど 見終わったあと そんな事を考えてしまうのだ。

人生の愛おしさや切なさを そこはかとなく、かつ邪魔にならないよう、映画全編で醸し出してサポートしてるのはディヴグルーシンの音楽だ。

ウォーレン・ベイティ自体が楽器好き音楽好きであるから当然かも知れないが 趣味の良い、暑苦しくない音楽演出となっている。

お薦めするかぎりはと、久しぶりに昨夜 改めて天国から来たチャンピオンを見た。

古くは感じるし、巧妙さもない。でも ヤッパリヨカッタ

ただびっくりしたのはストーリーの一部分ではあるが、核工場の危うさを訴えている。そのシーンはすっかり忘れていた。

将来問題を起こす可能性は否定出来ない、問題が起これば人は住めなくなると サラリと言ってる。

残念、誠に残念ながら映画ではサラリと希薄だった問題が 日本で現実となってしまった。

映画が作られた1978年ごろはGEとアメリカ政府が日本に核施設を押し売りしてた時期である。

日本側は中曽根氏や現民主党の与謝野氏が受け皿となった。ナニヲカイワンヤ

拙僧は被災地や遺体安置所で 愛おしくも切ない気持ちを おびただしく感じて帰って来た。

お一人お一人に それぞれの人生と生活を感じて戻って来た。

ハリウッド映画「天国から来たチャンピオン」は 浄土教的に言えば 「浄土から還られた菩薩さま」かな

こじつけだけど。


でも 人生の無常、命の儚さは共通している。

霊魂についてはハッキリとお釈迦さんは発言してない。だから霊魂と言う表現を僧侶はしない。

しかし人生は切なくも愛おしく、その命は あまりにも儚い。そこに存在する気持ちを、存在した気持ちを拙僧は否定出来ない。魂と呼ぶか否かは別として。


拙僧のブログを見てる人には 見てもらいたい作品です。

天国から来たチャンピオン。