松永和紀blog

科学情報の提供、時々私事

食品安全委員会は、資料を更新していた

2008-09-20 19:02:47 | Weblog
 「食品安全委員会も頑張っているようですよ!」 食品企業の方から教えてもらった。

 私は、食品安全委員会が5日に出したメタミドホスやアフラトキシンなどについての簡単なまとめ資料を見て、「これでは足りない」と思い、17日付で「食安委はなぜ委員長談話や見解を出さない?」と記述した。でも、いやはや、資料は更新していたようですね。

食品安全委員会

 例えば、メタミドホス。どうも12日に更新されており、
「基準値以上のメタミドホスが含まれている事故米穀が、食用として流出してしまいましたが、これを使用した食品を食べることにより健康に悪影響が出るのでしょうか?」という質問を設定し、ADIとARfDの両方について検討し、「心配いらない」と答えている。

 アセタミプリドについても、同様の質問と答えを追加し、アフラトキシンについては17日付で、鹿児島県の情報を追加しているようだ。

 さらに。
 18日には、11日に開かれた食品安全委員会第254回会合議事録抜粋をわざわざ公表。委員長の言葉を伝えている。


 「残留基準値を超えて検出された米穀が、食用に流通していたということは、量はともかくとして、食品安全の確保のための制度の根底を覆すという本当にゆゆしき事態であって、あってはならないことと考えます。
 一方で、国民が過剰に不安を感じないよう、科学者の立場から現状のリスクを冷静に分析するということも重要です。

 危害要因のうち、アセタミプリドとメタミドホスにつきましては、暫定基準値を上回っているものの、幸い比較的低い濃度でした。
 この2つの農薬について、食品安全委員会ではリスク評価を既に行い、毎日、一生涯食べ続けても健康に悪影響がない量である一日摂取許容量を決めておりますが、この値に比べても、事故米に含まれている農薬の量は十分に低いレベルなので、健康に悪影響が出る心配はありません」


 食品安全委員会は委員長談話を出すべく準備を進めていたが、圧力があり頓挫した、という情報も漏れ伝わってきた。ギリギリの努力が、「委員会議事録の抜粋」なのかもしれない。

 もう一息頑張って、やっぱり正式に委員長談話と委員会見解として、大々的に公表してほしかった。
 そうしないと、マスメディアの記者たちが報じない。一般の人たちに、大切な情報が伝わらない。

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