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整備手帳  尾崎 剛と北海道の四季とオートバイ

カワサキ650RS W3のスカイブルーは
故郷・四国の夏の空色
いつまでも、19歳の夏を忘れないように

帰郷 ニュージーランド

2014年07月27日 | 自転車


今の私の生活は、ニュージーランドが原点です。

ビジネス起業のヒントも、ノウハウも、生活も、いろんなルーツがNZにあります。
そこにもココにも、NZが隠れているといっていいと思います。

しかし、もう3年帰っていません。
そろそろ、心のストックがなくなってきました。

いろんなことが日本的・アジア的発想になってきている自分を感じます。
それはあまり良い傾向とは言えませんし、いずれ自滅するでしょう。

私の仕事には日常的に英語が欠かせません。我流なので正確ではないうえ、アジア系の方たちとの熾烈なビジネス駆け引きに使用するばかりです。翻弄されつつだんだんと心が壊れて引きずられるままに彼らの拝金主義に取り込まれそうになっていることを感じます。これは大学でも学んできたビジネス「三方良し」の精神にも反します。
ただでさえ怪しくておかしな私の我流オセアニア英語?もまた、より一層おかしくなってきました。金銭駆け引きではない日常会話やジョークがポンポンと出てこないし、耳が悪くなっている。自分でもわかるのです。

英語で笑えない自分がいます。これはいけない。

そろそろあの陽気な空気に揉まれないと!
田舎町のパブで地元のおっさんたちにさんざんイジられながら、べろんべろんに酔いたい気分でいっぱい。

あまり野心的ではない私はNZ的エコな発想と、何も無いところから面白いことを生みだすアイデア、そして日本古来の「三方良し」の精神をもって今の仕事をマイナスから(倒産から)引き上げてきました。

私の幸せはNZがルーツであり、NZに住む友人たちであり、常に支えられていると思っています。

私の心にはいつもウェスタリー(西風)が吹いている。
でも、最近はそれが弱まっている。



今年は久しぶりに帰ろうと思います。
7週間かけてじっくり自転車を走らせ、西風に身を任せ、南緯45度の暴風に翻弄され、坂道にキュウキュウにされてこようと思うのです。

長い旅は自転車で。

この、一歩一歩が大事。
流れ落ちる汗、吹いている風、容赦ない日差し。
全身で大地を受け止め、風を感じ、前に向かって歩む。
苔のにおい、家畜のにおい、磯のかおり、アザラシのふん。よちよち歩きで道路に出てきたペンギンと鉢合わせ、牛に追いかけられ、農夫のおっさんに「いい天気だね!」と声をかけられる。

化石燃料はいらない、私の足。私の一歩。
この一歩一歩が、とてもいとおしく思います。



大根磨き 650RSの純正マフラー

2014年07月26日 | カワサキ 650RS W3

650RS W3の純正マフラーです。

やや長めのキャプトンマフラーで、形が大根に似ていることから通称「大根マフラー」と呼ばれているそうです。
左が太くて右(排気方向)にむかってやや細くなっている形状が大根そっくりです。

この純正マフラーは音が静かで見た目もやや不格好なため、あまり人気がなく
現存するほとんどのW3は、絶大な人気を誇った前モデル「W1SA」のマフラーに換装されており、純正マフラーはほとんど見かけることがありません。

私のW3もまたW1SAのマフラーに換装されています。
とてもいい音を出します。

ただ、W3特有の「トトントントントン・・・」というエンジンサウンドも楽しみたい。

W3の開発者はサウンドにとことんこだわたったという逸話が残されていて、
開発者こだわりのW3純正マフラーを、ぜひとも装着したいと思っていました。

また、私の持論
「オートバイは純正こそがもっとも完成度が高い理想の形」
この考えにも沿った形となります。
(電装系は必ずしもそうとも言えませんが)


大根です。
コンパウンドの種類を変えながら、ひたすらわしわしわしわし磨きます。
クリームクレンザー「ジフ」→ピカール→鏡面仕上げコンパウンド→ワックス
の順で仕上げました。

ピッカピカですよ!

先日インターネットオークションで1万円程度で落札しました。
やや小錆びが出ていましたが、気になるようなものではありませんでした。少々の傷や凹みも「年齢相応の味」がいい感じで、非常に好感のもてる出品物でした。

ところでW3の部品はどれも高騰していて、なかなか手が出ません。
ただ純正マフラーや純正エキパイはあまり人気がないようで、今回もそこそこ安値で落札することができました。

エンジン本体と大根マフラーをつなぐ「純正エキパイ」は前オーナーさんからいただいています。

W3純正の排気系はBMWのように左右連結式です。左右の排気をバイパスでつなぐことで静寂性とバランスに優れるのかもしれません。Wシリーズの近年の後継機であるW650やW800にも連結式が採用されており静寂性に優れます。

650RS W3は、オートバイ=爆音 の時代から、オートバイ=確かな鼓動を楽しむ、時代の先駆けだったのかもしれません。

ただ、前オーナーさんからいただいたエキパイは長年使い込まれた証である「焼き錆び」がしっかり入っており、これを磨きあげるのはなかなか手強そうです。特に連結周辺が焼けており、この部分が非常な高温になることがよくわかります。夜間に見るとエキパイが赤く発光して見えることがあるといいますから、たぶんタバコを押しつけると火が着くくらいなのではないかと思います。

金属が焼けて硬化を繰り返した非常に硬い頑固な焼き錆びですが、次回磨いてみようと思いますが、腐食系の錆びではなく焼き系の錆びなので、案外とあまり気にしなくてもいいかな?と個人的には思っていますが。

取り付けは、たぶんお盆明けになるかな。
夏の終わり頃のお楽しみです。

「トトントントン♪」

夏祭りのお囃子ですね。




社長走る!

2014年07月14日 | ホンダ XLディグリー
きょうは写真はありません。

ここのところ多忙が続いてオートバイに乗る時間が作れずにいます。
私は自営業者で、特に夏の3か月で年収の半分以上を稼ぐので、いまは正念場。1日が24時間ではまったく足りないので、なかなかオートバイに乗ることも触ることもできません。

そんな私がきょうは仕事でミスをしました。

そのとき、私に残された時間は20分。
車で40分かかる十勝岳の吹上温泉にいる人に、物品を届けなければなりませんでした。

会社に事の急を告げて急きょ出先から戻ったときには、すでに軽の営業車に物品が積まれエンジンがかかった状態で私の帰りを待っていましたが、私が選んだのは「ホンダ・XLディグリー」

車で40分。しかし、今の季節は観光客が多いため、道路交通はスムーズに流れていません。観光客はのんびり北国のドライブを楽しみ、急にスピードを落としたり停車したりするものですから交通の流れがあちこちで滞り、とても予定通りにはいかないものなのです。

じたばたしても仕方なく、考えている暇もありません。
すぐにディグリーのキーをひねり、チョークを引き、セルを回しました。バッテリーは新品なので一発で始動、単気筒の軽快な鼓動が安定するまでに1分もかかりません。

私のオートバイ4台のうち、カワサキZ750FXは除外して実用となるのは3台。650RS W3は絶好調ですが激しく使用するには少々ご老体が過ぎるので除外。あとはBMW R100と、ホンダ・ディグリー250。
山を登る体力も登り山道のワインディング走破力も圧倒的にR100有利、ディグリーと比較して3分くらいの差が出ると考えましたが、暖気運転に2分かかることと、横に広く張り出した1000ccのボクサーエンジンを右に左に攻め倒しながら山道を激走する自信にちょっと欠けたのが理由、といったところでしょうか。それにミスのリカバリーのために急行するのに「BMW」じゃあちょっとマズイだろ、という馬鹿馬鹿しい世間体も邪魔をしました。
まあ、そういうものです。いかにもニッポン人ですね。

しかしまあ、ディグリーは軽い。
ころころとガレージから引き出してサイドスタンドを軸にして「よいしょ!」と持ち上げ気味に180°方向転換したら出発OK。20秒もかかりません。ぶるんぶるん!

ビュオーン!と甲高いエンジン音を発してアクセルを開き、一気にギアをつなぎますが、
出足遅っ!
ま、やっぱりそこは250ccですから。

とにもかくにもギアを素早くかきあげて、アクセルを一杯に引き絞ります。W3なら80k、R100なら100kはとっくに出ているタイミングでも、エンジンは唸り声をあげならがようやくだらだらと60~70kを越えていくところです。
参ったな。遅いよ。

しかしまあ軽い車体。
ひょいひょいと簡単に左右に倒れてくれます。
軽快なフットワークを難なくこなして行く手を塞ぐ乗用車を追い抜くのはわけもなく、2段落としては加速を繰り返しながら、あっというまに白金温泉。そして山岳道路に入ります。
標高600mから一気に1000mへ駈け上がる、白金温泉ー望岳台道路です。

そこは250ccにはちょっと苦しい急な上り坂。
大排気量車にはなんでもないような坂でも250ccにとってはいっぱいいっぱいなのです。ちょうど、軽自動車に人をのせて山道を登るときのようなかんじです。
走らねー!ってかんじ。

アクセルは目いっぱい開いていますが、スピードが思うようにあがらず、ギリギリの加速でなんとか苦しく登っていきます。ループ区間でも速度を落とさず車体をオンロード車のように倒し込んで抜けていきます。倒せば倒すほどになめらかな弧を描くオートバイ。かなり倒しても速度がさほど出ていないのでどうということもありません。ただ、あまり倒しすぎると失速してひっくり返ってしまいます。その加減をゆらゆら感じながらカーブの出口をまっすぐ凝視します。
ここ、R100だったら面白かっただろうな。

標高900mでいったん平たんに近い高原道路になりますが、ここらへんは景色も良く「のんびりドライブ」がやたらといらっしゃるので、ちょっとイラッときますが、私もいい歳の大人なので煽ったりはせずに車間距離をあけて隙をうかがいます。

いまだ!追い越せ!ビューン!

え?遅っ!

いやもう必死です。(苦)

なんとか吹上温泉に辿り着いたときにはタイムリミットを1分越えていましたが、努力の甲斐あって事なきを得ました。ただ右手はずっとアクセルを目いっぱいに開きっぱなしだったので、攣りそうになってます。
ああ、やっぱりR100だったらもっと早かったかもな、と思ったけれど、それはそれ。無事にワインディングを攻めきれなかったかもしれません。軽い車体だったからこそ躊躇なく左右に倒すことができたし、車体が軽いので力量的な不安も生じません。かえってそれが良かったような気もします。

帰りはのんびりツーリング気分、といきたいところですが、まだまだ山のように仕事が残されているので気持ちだけは焦ります。ですけれど、とりあえず急場は回避できたのでここは事故のないよう周囲の交通状況にあわせて走ります。

ツーリングのオートバイと何台もすれ違います。ピースで挨拶をしてくださる方もいます。なんか嬉しい。

40分後、社長無事帰還。すぐに激務に復帰。
仕事とはいえ、気がつけばきょうは60km以上をオートバイで走ることができました。山道、谷道、丘の道、ワインディングロード。

おかげで爽やかな気分を取り戻しました。
やっぱりオートバイはいいものですね。

そして250ccも、やるときはやるもんです。




調子が良くないR100 プラグコードとプラグキャップを交換(2動画)

2014年07月02日 | BMW R100トラッド
最近のR100はアイドリングの調子がいまいちで、すっかりご無沙汰です。
昨年までは銀行や郵便局、支払いや集金、近所の用事、子供の送り迎え、でっかいパニアケースを活用してホームセンターやスーパーの買い物まで、軽四のような扱いで実用車として活躍していましたが、今年はどうも調子が良くない。実用車のポジションも軽四に奪われてしまいました。

「売ろか。」

という声もちらほら聞かれるR100の現在です。


「わし最近調子悪いねん。」

アイドリングの安定が良くない、ときたら、
やれレギュレーターだ、キャブだ、イグニッションコイルだとあれこれ心配するものですが、案外とこの手の不調はもっと簡単な処置だけで治ってしまうことも多いので、とりあえず基本に忠実に、まずスパークプラグをノーマルに戻してプラグコードとプラグキャップを交換することにしました。

ちなみにR100、バッテリーは軽トラックと同じサイズ。国産オートバイの倍はある乗用車サイズのものがシートの下にどん!と鎮座しております。
武骨です。


ガレージに入ります。処置室です。


右のシリンダーにはノーマルのプラグキャップがついてます。


左のシリンダーにはどこからか持ってきたプラグキャップがついてます。何の流用なのかわかりません。なじみのオートバイ屋のガレージに転がっていたものです。


プラグを外すまえに、圧縮空気でシューシューしてプラグまわりのゴミやホコリが燃焼室内部に落ちないようにしっかり吹き飛ばします。これが意外と地味に大事です。


きれいに掃除したプラグ
イリジウムプラグからノーマルのB7ESに戻しました。このR100とイリジウムプラグは相性が良くなかったようです。武骨なエンジンには昔ながらの武骨なプラグですね。


R100のイグニッションコイルはフューエルタンクを外さなくても作業できます。
イグニッションコイルに限らずキャブレターだって何も取り外さなくても作業ができます。
旧BMWは整備作業のしやすさがどれも非常に優れています。さすがは職人の国ドイツ製。近年の日本製はこういう職人魂を失ってしまったような気がします。
BMWはとかく「高級」をイメージしやすいものですが、僕はそういう傾向に反対。
注目すべきはそこじゃない。
BMWオートバイは、これぞ世界一の技術屋たちの最高傑作、ドイツの職人、入魂の骨太の作品。僕はそう思ってます。

残念ながらBMW二輪オーナーの方には鼻もちならないプライドの高い紳士が多いような印象があります。それが、とてもとても残念。
ステイタスをアピールしたい気持ちはわからないでもないですが、そういうことではなく、武骨で骨太で丁寧な造り、魂の込められた機械の生命力に注目してもらいたい。
ドイツの美しい機械の最高傑作のひとつが、まさにこのR系、水平に張り出した空冷エンジン。英国製のバーチカルツインと並んで世界屈指の美しいエンジンです。僕はそう思うのです。

ああ、話題が大きく逸れました。
R100の整備に戻ります。


これは、以前所有していたR100GSパリダカに装着していたダイナコイル。
力強い確かな火花が散ります。手放すときにノーマルに戻したのでまだ手元に残っていました。そのうちイグニッションコイルの交換時期がきたらこれを取り付ける予定です。これも武骨なコイルです。


NGKのプラグキャップとプラグコード。
アイドリングの調子が悪いときはまずプラグコードから攻めよ。の原則。
いきなりキャブレターのエアスクリューとかいじってはダメですよ。


あ!電極(ギボシ)が純正と違う!
右が純正、左が新品のNGK、電極の雄雌が逆じゃないか・・・。
でも心配ご無用。このタイプ(左)のギボシは雄雌兼用なんです。このまま挿すことができます。さすが!


イグニッションコイルから古いのをポンと抜いて、新しいのをポンと挿して、あっという間に作業終了。
NGKプラグも目立たない色なので、違和感ないですね。


さあ始動してみましょう。

【YouTube動画①】BMW R100 プラグコード交換直後の始動

本当に直後です。撮影用にあらかじめ暖気運転して暖めておいたりしてないんです。油臭さまで漂ってきそうな動画になりました。
冷たいうちは乾いた音(600-700回転)ですが、プラグコードを交換したことでアイドリングがプスッと止まってしまうことはなくなりました。1分ほど暖気運転を行い、オイルが馴染んで温まってくるとまろやかな静かな排気音(800-900回転)に落ち着きます。


【YouTube動画②】このあとR100で富良野を走ってきました

さてプラグコードの交換とプラグキャップの交換だけで体調は戻ったのでしょうか?
夕方、富良野に出かけてみました。
ご覧のとおり、新車のような完璧なレスポンスが戻ってきました。

長くカワサキに乗って参りました。もっとも長いもので27年間、今も時々乗っております。これだけ乗れば愛着もひとしおでございます。
BMWには17年。R100GSパリダカに次ぐこれが2台目です。私は大柄で長年Z750FXを手足のように乗りこなして参りましたが、それでも巨大なパリダカは私には大きすぎました。いまのR100はピッタリなので、乗っていてすごく楽しく感じます。
ところで、BMWと、カワサキはじめ国産メーカーのオートバイの違いを申し上げますと、細かく列挙すれば暇がございませんが、もっとも大きな差といえるのは、
「登録から20年経過しても新車とさほどかわらないBMWと、20年たてば旧車になってしまう国産」だと思います。
何が違うのでしょうか。たぶん、質実剛健が常識といわれるドイツの国民性を現しているのだと思います。ハーネスひとつとってみても20年物のカワサキと20年物のBMWは手触りが全然異なります。モノづくりの根本が違うのかもしれません。

とことん使える実用車、BMW R100。
私の所有する4台のうち唯一、すぐにでも日本一周に出かけることができるコンディションを保っている1台。頑丈で簡単には壊れない1台。整備しやすく、すぐ直る1台。20年たってもビクともしない長年使える1台。

頼りになる1台。

やはり手放すのは止そうと思いました。