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整備手帳  尾崎 剛と北海道の四季とオートバイ

カワサキ650RS W3のスカイブルーは
故郷・四国の夏の空色
いつまでも、19歳の夏を忘れないように

その価値は、カネじゃない

2017年06月22日 | BMW R100トラッド
色々と考えた結果、
R100を手離しました。

最後に乗ったのは2年前、

ニセコの友人のところに遊びに行ったのが最後で、その後は車検切れ、たまにガレージのなかで暖気運転するだけでした。

ハイエースに積んで「レッドバロン旭川店」に運び、

査定をしてもらいます。

微妙な金額だったので、思わずそのまま持って帰りたくなりましたが、
ぐっと堪えて置いてきたR100。

・道北地域のディーラーさんと相性が良くないこと
・夏は仕事が忙し過ぎて、乗れない
・ガレージが手狭だから、断捨離

とまあ、動機はいくつかあったのですが、
実は、本機は素晴らしかった。

しっかりと基本整備さえしておけば、
あとは手間もお金もかからない、まことにコスパの良いオートバイでした。

今のBMWには、自分は乗らないと思います。
あのゴツさは、ちょっと僕には、わからない。

かつてBMWは、美しかった。

僕のR100も、純粋に機械として美しかった。

たった45万円との引き換えならば、全くもって馬鹿馬鹿しくて、
そのまま持ち帰りシートでぐるぐる巻きにして「塩漬け」の状態でガレージのいちばん奥に押し込んでおいたほうが良かったかなと、
いまは思っています。

45万円。

その価値は、カネじゃなかったな。



さて。
どうやら僕は純粋に「カワサキ乗り」に戻ったようです。
旧姓・尾崎の頃は、カワサキ一辺倒だったわけだし。

Z750FXと、650RS。

R100とは比べ物にならないくらい、どちらも恐ろしくカネと手がかかるバイク。

大丈夫か俺⁉︎

こうなったのも運命。
残り半分の人生、とことん付き合っていこうと思います。

あーあ、結局、元に戻っただけかー。
成長してないな、俺。旧姓尾崎。















初夏が走るよ北海道☆

2015年05月24日 | BMW R100トラッド
旅は、

いいもんですね。
(網走近く、海沿いの廃線跡にて)


オホーツク海に

陽が沈み、
(知床半島ウトロ)


森林の

命の営み、精気に触れ、
(場所 ひ・み・つ)


宝石に

目が眩み、
(日高・浦河町 お料理「松山」さん)


ナイスな看板に、

大いに納得。


ややや!

ニセコ道の駅


おおー!

嬉しー!


5年前、地球最南端の町※で友と出逢った。
※その町には地球最南端のマクドとサブウェイとスタバがある(^^)

その友は今、帰国してニセコに暮らしている。


その友人夫婦が営む宿

とっておきの時間が流れていた。


出発の朝。

友が撮ってくれた。


帰り道、三笠で高速道路を降りて桂沢湖経由で富良野を目指した。
ここは富良野方面への近道で交通量もそこそこある。
山越えのワインディングロードだけど、この季節は気持ちいい。

桂沢湖あたりで先行するオートバイに追いついて、
富良野盆地に下りるまで後続して走った。

僕はひとりが好きで(実際には「ひとり」ではない。相棒がいる)
いつもひとりで走るけれど、
誰かに続いて走っていると、
なんだか友とのツーリングみたいで面白かった。

学生の頃みたいだ。まだ名前がオザキだった頃。

タイヤがアスファルトを噛む音を感じる。
R100の排気音は静かなので、五感を狂わせない。

アイドリング時には、
「どっ、どっ、どっ」というドスの利いた重低音だけど
走り始めたら電気モーターのように素直になる。

よく言われる振動は、シリンダの左右運動の際にある程度相殺されるので
中高速域では気にならなくなる。

乗りにくい、と言われることもあるR100だけど、
僕のR100は1000ccなのに400ccのように軽やかで
センタースタンドはヒョイと上がるし、(Z750の半分だ!!)
取り回しはホントに中型2輪みたいだ。

シフト、ギア感、吹け上がりはZ系に極めて似ているし、
コーナリングでは、スーッと沈み、スーッと立ち上がってくる。
Wのようなサスペンションのボヨンボヨン感も皆無だ。

よく止まり、よく曲がる。
見た目のクラシック感は、走りからは感じない。

悪く言えば味気なく、
よく言えば完成されたオートバイ。

つまらないことに、
頑丈すぎて滅多に故障れない。(笑)

基本設計はナチスドイツ頃の軍用2輪であり、
1950年代から1990年代の最終型まで大した変更はなかった。

完成されているから、モデルチェンジは必要なかったのだと思う。
ちなみに、これだけ古い設計でありながらも、
ド・ノーマルで、リッター25kくらい走る。

どーだ!参ったかプリウス!
町でも20kだぜ。


森のなかをR100が疾走する。
五感に、新緑が染み入ってくる。
いっぱい、いっぱい。

先行の方も、追いついてきたボクをそれなりに気にしてくれたみたいで、
位置を変えたりしてくれる。

知らない誰かとつながり合えるのは、オートバイならではだな、と、
改めて思った。


帰り道、札幌近くのパーキングエリアにて

「それは無理。」と君に呟く。



充電完了。
さあ、明日からガシガシ働きますよ!








春の恒例行事 R100のオイル交換してみた。

2015年04月30日 | BMW R100トラッド
さあやりますか!


オイルはいつもの。
合成油はアカンとか細かいことは言わない‼︎


オイルパン(四角い部分)とドレンボルト。


あれあれ?オイル漏れですか?


反対側も!結構垂れてます。


犯人はプッシュロッド。キミだね。


シリンダー抜いてゴム交換かぁ…、
面倒すぎる。

…。

見なかったことにしよう。(雑)

さあオイル抜くぞ!
あれドレンボルトがウンともスンとも言わない‼︎


ナメてもうたやないか。(工具が)

右がナメ。左がナメてないやつ。

仕方ないので車載工具登場。
BMWの車載工具って半端ない。


これこれ。


一発だった。
やっぱり工具は質が大事だと実感。


ドレンボルト。銅ワッシャーは交換した。
手前が古いワッシャー。痛んでいる。


このワッシャー、ニッサン用。
いちいちBMW純正ばっか使えるかー!と。


オイル抜いてる間に車体をしげしげ観察。
そういえばしばらく面倒見てなかった。


だいぶ痛んできている。二次エア吸うのも時間の問題。


あらかたオイル抜けたら、エンジンかけて残留オイルを振るい出す。


ブシュー!と、凄い勢いで噴霧状で噴き出してきます。わかります?


ドレンボルト取り付けたら、新しいオイル入れます。


ジャーっと。


あ!ちょっと入れすぎました。
小さいことは気にしません。


廃油。割と綺麗。スラッジ(垢のようなもの)も出ていません。


廃油は再利用します。僕はチェンソーオイルなどに利用してます。(チェンソーには本当はスピンドル油を使います。代用です。)


作業終了。ご苦労様。


W3の半分以下の手間でした。(^^)


さあ走り出そう!















調子が良くないR100 プラグコードとプラグキャップを交換(2動画)

2014年07月02日 | BMW R100トラッド
最近のR100はアイドリングの調子がいまいちで、すっかりご無沙汰です。
昨年までは銀行や郵便局、支払いや集金、近所の用事、子供の送り迎え、でっかいパニアケースを活用してホームセンターやスーパーの買い物まで、軽四のような扱いで実用車として活躍していましたが、今年はどうも調子が良くない。実用車のポジションも軽四に奪われてしまいました。

「売ろか。」

という声もちらほら聞かれるR100の現在です。


「わし最近調子悪いねん。」

アイドリングの安定が良くない、ときたら、
やれレギュレーターだ、キャブだ、イグニッションコイルだとあれこれ心配するものですが、案外とこの手の不調はもっと簡単な処置だけで治ってしまうことも多いので、とりあえず基本に忠実に、まずスパークプラグをノーマルに戻してプラグコードとプラグキャップを交換することにしました。

ちなみにR100、バッテリーは軽トラックと同じサイズ。国産オートバイの倍はある乗用車サイズのものがシートの下にどん!と鎮座しております。
武骨です。


ガレージに入ります。処置室です。


右のシリンダーにはノーマルのプラグキャップがついてます。


左のシリンダーにはどこからか持ってきたプラグキャップがついてます。何の流用なのかわかりません。なじみのオートバイ屋のガレージに転がっていたものです。


プラグを外すまえに、圧縮空気でシューシューしてプラグまわりのゴミやホコリが燃焼室内部に落ちないようにしっかり吹き飛ばします。これが意外と地味に大事です。


きれいに掃除したプラグ
イリジウムプラグからノーマルのB7ESに戻しました。このR100とイリジウムプラグは相性が良くなかったようです。武骨なエンジンには昔ながらの武骨なプラグですね。


R100のイグニッションコイルはフューエルタンクを外さなくても作業できます。
イグニッションコイルに限らずキャブレターだって何も取り外さなくても作業ができます。
旧BMWは整備作業のしやすさがどれも非常に優れています。さすがは職人の国ドイツ製。近年の日本製はこういう職人魂を失ってしまったような気がします。
BMWはとかく「高級」をイメージしやすいものですが、僕はそういう傾向に反対。
注目すべきはそこじゃない。
BMWオートバイは、これぞ世界一の技術屋たちの最高傑作、ドイツの職人、入魂の骨太の作品。僕はそう思ってます。

残念ながらBMW二輪オーナーの方には鼻もちならないプライドの高い紳士が多いような印象があります。それが、とてもとても残念。
ステイタスをアピールしたい気持ちはわからないでもないですが、そういうことではなく、武骨で骨太で丁寧な造り、魂の込められた機械の生命力に注目してもらいたい。
ドイツの美しい機械の最高傑作のひとつが、まさにこのR系、水平に張り出した空冷エンジン。英国製のバーチカルツインと並んで世界屈指の美しいエンジンです。僕はそう思うのです。

ああ、話題が大きく逸れました。
R100の整備に戻ります。


これは、以前所有していたR100GSパリダカに装着していたダイナコイル。
力強い確かな火花が散ります。手放すときにノーマルに戻したのでまだ手元に残っていました。そのうちイグニッションコイルの交換時期がきたらこれを取り付ける予定です。これも武骨なコイルです。


NGKのプラグキャップとプラグコード。
アイドリングの調子が悪いときはまずプラグコードから攻めよ。の原則。
いきなりキャブレターのエアスクリューとかいじってはダメですよ。


あ!電極(ギボシ)が純正と違う!
右が純正、左が新品のNGK、電極の雄雌が逆じゃないか・・・。
でも心配ご無用。このタイプ(左)のギボシは雄雌兼用なんです。このまま挿すことができます。さすが!


イグニッションコイルから古いのをポンと抜いて、新しいのをポンと挿して、あっという間に作業終了。
NGKプラグも目立たない色なので、違和感ないですね。


さあ始動してみましょう。

【YouTube動画①】BMW R100 プラグコード交換直後の始動

本当に直後です。撮影用にあらかじめ暖気運転して暖めておいたりしてないんです。油臭さまで漂ってきそうな動画になりました。
冷たいうちは乾いた音(600-700回転)ですが、プラグコードを交換したことでアイドリングがプスッと止まってしまうことはなくなりました。1分ほど暖気運転を行い、オイルが馴染んで温まってくるとまろやかな静かな排気音(800-900回転)に落ち着きます。


【YouTube動画②】このあとR100で富良野を走ってきました

さてプラグコードの交換とプラグキャップの交換だけで体調は戻ったのでしょうか?
夕方、富良野に出かけてみました。
ご覧のとおり、新車のような完璧なレスポンスが戻ってきました。

長くカワサキに乗って参りました。もっとも長いもので27年間、今も時々乗っております。これだけ乗れば愛着もひとしおでございます。
BMWには17年。R100GSパリダカに次ぐこれが2台目です。私は大柄で長年Z750FXを手足のように乗りこなして参りましたが、それでも巨大なパリダカは私には大きすぎました。いまのR100はピッタリなので、乗っていてすごく楽しく感じます。
ところで、BMWと、カワサキはじめ国産メーカーのオートバイの違いを申し上げますと、細かく列挙すれば暇がございませんが、もっとも大きな差といえるのは、
「登録から20年経過しても新車とさほどかわらないBMWと、20年たてば旧車になってしまう国産」だと思います。
何が違うのでしょうか。たぶん、質実剛健が常識といわれるドイツの国民性を現しているのだと思います。ハーネスひとつとってみても20年物のカワサキと20年物のBMWは手触りが全然異なります。モノづくりの根本が違うのかもしれません。

とことん使える実用車、BMW R100。
私の所有する4台のうち唯一、すぐにでも日本一周に出かけることができるコンディションを保っている1台。頑丈で簡単には壊れない1台。整備しやすく、すぐ直る1台。20年たってもビクともしない長年使える1台。

頼りになる1台。

やはり手放すのは止そうと思いました。







とことん使える実用車 BMW R100トラッド

2014年06月12日 | BMW R100トラッド


2010年5月
パリダカを売ったお金で自分の体格と使用目的にマッチした実用車を探しました。
R100トラッド 1990年

中東向け輸出(おそらくエジプト)だったというこのモデルは、公用車として作られた実用車です。日本には200台ほど輸入されたそうです。

そのうちの1台が、縁あって僕のもとにやってきました。
ANAのパイロット→東京都内のBMWマニアさん→僕、の順で我が家に来ることになったBMWは20歳。少年の青臭さが取り除かれていぶし銀のような様相。

丈夫で長持ちのドイツ製をどんと体現しているかのような、ドイツらしい1台。
高級感はありませんが、ともかく丈夫で働き者です。

フロントフォークOH、ブレーキOH、タイヤ交換など、足回りの整備をとことん行い、エンジン/キャブ調整を行い、オイル滲み原因などをすべて取り除き、新しいオイルを満たして純正のパニアケースを新たに取り付け(なんとヘルメットも入ってしまう)、いま現役でバリバリ働いています。

公用車として作られただけあって、実に使える実用車。
ヘルメットも収まる左右のパニアにはそれぞれスーパーの買い物かご1個分、
計2個分の荷物が無理なく収まり、音は静かで存在をことさら自己顕示せず、
取りまわしは400ccのように滑らかで、燃費もハイブリッドカー並み。

質実剛健。高級感なし(笑)
これぞドイツ製!

僕のお気に入りの1台です。