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整備手帳  尾崎 剛と北海道の四季とオートバイ

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調子が良くないR100 プラグコードとプラグキャップを交換(2動画)

2014年07月02日 | BMW R100トラッド
最近のR100はアイドリングの調子がいまいちで、すっかりご無沙汰です。
昨年までは銀行や郵便局、支払いや集金、近所の用事、子供の送り迎え、でっかいパニアケースを活用してホームセンターやスーパーの買い物まで、軽四のような扱いで実用車として活躍していましたが、今年はどうも調子が良くない。実用車のポジションも軽四に奪われてしまいました。

「売ろか。」

という声もちらほら聞かれるR100の現在です。


「わし最近調子悪いねん。」

アイドリングの安定が良くない、ときたら、
やれレギュレーターだ、キャブだ、イグニッションコイルだとあれこれ心配するものですが、案外とこの手の不調はもっと簡単な処置だけで治ってしまうことも多いので、とりあえず基本に忠実に、まずスパークプラグをノーマルに戻してプラグコードとプラグキャップを交換することにしました。

ちなみにR100、バッテリーは軽トラックと同じサイズ。国産オートバイの倍はある乗用車サイズのものがシートの下にどん!と鎮座しております。
武骨です。


ガレージに入ります。処置室です。


右のシリンダーにはノーマルのプラグキャップがついてます。


左のシリンダーにはどこからか持ってきたプラグキャップがついてます。何の流用なのかわかりません。なじみのオートバイ屋のガレージに転がっていたものです。


プラグを外すまえに、圧縮空気でシューシューしてプラグまわりのゴミやホコリが燃焼室内部に落ちないようにしっかり吹き飛ばします。これが意外と地味に大事です。


きれいに掃除したプラグ
イリジウムプラグからノーマルのB7ESに戻しました。このR100とイリジウムプラグは相性が良くなかったようです。武骨なエンジンには昔ながらの武骨なプラグですね。


R100のイグニッションコイルはフューエルタンクを外さなくても作業できます。
イグニッションコイルに限らずキャブレターだって何も取り外さなくても作業ができます。
旧BMWは整備作業のしやすさがどれも非常に優れています。さすがは職人の国ドイツ製。近年の日本製はこういう職人魂を失ってしまったような気がします。
BMWはとかく「高級」をイメージしやすいものですが、僕はそういう傾向に反対。
注目すべきはそこじゃない。
BMWオートバイは、これぞ世界一の技術屋たちの最高傑作、ドイツの職人、入魂の骨太の作品。僕はそう思ってます。

残念ながらBMW二輪オーナーの方には鼻もちならないプライドの高い紳士が多いような印象があります。それが、とてもとても残念。
ステイタスをアピールしたい気持ちはわからないでもないですが、そういうことではなく、武骨で骨太で丁寧な造り、魂の込められた機械の生命力に注目してもらいたい。
ドイツの美しい機械の最高傑作のひとつが、まさにこのR系、水平に張り出した空冷エンジン。英国製のバーチカルツインと並んで世界屈指の美しいエンジンです。僕はそう思うのです。

ああ、話題が大きく逸れました。
R100の整備に戻ります。


これは、以前所有していたR100GSパリダカに装着していたダイナコイル。
力強い確かな火花が散ります。手放すときにノーマルに戻したのでまだ手元に残っていました。そのうちイグニッションコイルの交換時期がきたらこれを取り付ける予定です。これも武骨なコイルです。


NGKのプラグキャップとプラグコード。
アイドリングの調子が悪いときはまずプラグコードから攻めよ。の原則。
いきなりキャブレターのエアスクリューとかいじってはダメですよ。


あ!電極(ギボシ)が純正と違う!
右が純正、左が新品のNGK、電極の雄雌が逆じゃないか・・・。
でも心配ご無用。このタイプ(左)のギボシは雄雌兼用なんです。このまま挿すことができます。さすが!


イグニッションコイルから古いのをポンと抜いて、新しいのをポンと挿して、あっという間に作業終了。
NGKプラグも目立たない色なので、違和感ないですね。


さあ始動してみましょう。

【YouTube動画①】BMW R100 プラグコード交換直後の始動

本当に直後です。撮影用にあらかじめ暖気運転して暖めておいたりしてないんです。油臭さまで漂ってきそうな動画になりました。
冷たいうちは乾いた音(600-700回転)ですが、プラグコードを交換したことでアイドリングがプスッと止まってしまうことはなくなりました。1分ほど暖気運転を行い、オイルが馴染んで温まってくるとまろやかな静かな排気音(800-900回転)に落ち着きます。


【YouTube動画②】このあとR100で富良野を走ってきました

さてプラグコードの交換とプラグキャップの交換だけで体調は戻ったのでしょうか?
夕方、富良野に出かけてみました。
ご覧のとおり、新車のような完璧なレスポンスが戻ってきました。

長くカワサキに乗って参りました。もっとも長いもので27年間、今も時々乗っております。これだけ乗れば愛着もひとしおでございます。
BMWには17年。R100GSパリダカに次ぐこれが2台目です。私は大柄で長年Z750FXを手足のように乗りこなして参りましたが、それでも巨大なパリダカは私には大きすぎました。いまのR100はピッタリなので、乗っていてすごく楽しく感じます。
ところで、BMWと、カワサキはじめ国産メーカーのオートバイの違いを申し上げますと、細かく列挙すれば暇がございませんが、もっとも大きな差といえるのは、
「登録から20年経過しても新車とさほどかわらないBMWと、20年たてば旧車になってしまう国産」だと思います。
何が違うのでしょうか。たぶん、質実剛健が常識といわれるドイツの国民性を現しているのだと思います。ハーネスひとつとってみても20年物のカワサキと20年物のBMWは手触りが全然異なります。モノづくりの根本が違うのかもしれません。

とことん使える実用車、BMW R100。
私の所有する4台のうち唯一、すぐにでも日本一周に出かけることができるコンディションを保っている1台。頑丈で簡単には壊れない1台。整備しやすく、すぐ直る1台。20年たってもビクともしない長年使える1台。

頼りになる1台。

やはり手放すのは止そうと思いました。







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