●五感俳句385・嗅覚86・杉浦圭祐1・2018-6-25(月)
○「大滝を拝むところに火の匂い」(「現代俳句」)(杉浦圭祐1)
○季語(大滝・三夏)(「俳句201706・創刊65周年記念付録・現代俳人名鑑Ⅱ」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:この「火」は実際の炎ではなく幻想としての火の匂いであろう。大瀑布を間近にして、滝の精から迸る飛沫を浴びている。それが「火の匂い」であると感じたのだ。
●杉浦圭祐(すぎうらけいすけ)
○好きな一句「蜥蜴出て光の壁にぶち当たる」2
○季語(蜥蜴・三夏)(→「現代俳句データベース」より引用)
【Profile】:1968年和歌山県新宮市出身、大阪府在住。中上健次主宰の熊野大学俳句部で俳句に出会う。1994年「草苑」に入会。1997年「草苑」同人。1998年雑誌「quatre」創刊に参加。2001年第19回現代俳句新人賞受賞。「草樹」会員。
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●特集「夏の嗅覚俳句」16句
2010/7/28「→市中は物のにほひや夏の月」(野沢凡兆)『猿蓑(1691)』
2011/5/30「→花栗のちからかぎりに夜もにほふ」(飯田龍太)『定本百戸の谿(1976)』
2012/7/2「→蛍臭き手をほうたるの水に浸く」(加古宗也)『八ツ面山(2000)』
2012/8/13「→売られゆくうさぎ匂へる夜店かな」(五所平之助)『五所亭句集』
2013/5/13「→繪をかいてゐる子の虹の匂ひかな」(國弘賢治)『賢治句集(1991)』
2014/6/23「→金魚売消えて真水の匂ひかな」(仁平勝)
2014/7/28「→百日紅鉄の臭ひの水を飲む」(岩崎健一)
2015/6/22「→夕刊に夏至の匂ひのありにけり 」(百合山羽公)『楽土以後』
2015/7/20「→くみおきて水に木の香や心太」(髙田正子)『花実(2005)』
2016/5/30「→水族館汗の少女の来て匂ふ」(ねじめ正也)『蝿取リボン(1991)』
2016/6/6「→田園の水の匂ひや明易き」(渡部抱朴子)『天籟(2004)』
2016/6/27「→山風のにはかに匂ふ浴衣かな」(奥名春江)『沖雲(1994)』
2017/5/29「→梧桐(アオギリ)の夜は水の香が起ちあがる」(山田真砂年)
2017/6/6「→祭の森百姓の兄匂ふなり」(島津亮)『紅葉寺境内(1952)』
2017/7/3「→深川の潮の匂ひの夜涼かな」(吉田林檎)
2017/7/21「→ほうたるの一火の狂ひ水匂ふ」(谷中隆子)『花蓼(2000)』
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