もちろん家計は火の車

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知られざる名作ホラー・ゲーム「アラン・ウェイク」の続編、ついに登場!

2012年02月23日 | ゲーム

わりと久々に、TVゲーム関連の話題など……。
Xbox360向けのホラー・ゲームに
『Alan Wake(アラン・ウェイク)』という作品があった。
北欧のゲーム制作会社=REMEDY(レメディ)の手による本作は、
現実と悪夢の境界線があいまいになった
その独特の世界観により、かなり「イケてる」名作だったのであるが、
残念ながら日本では、ほとんど注目を浴びずに終わった
(ま~、この日本で「Xbox360専用ソフト」をブレイクさせるのは
そもそも無理があるだろ! ……という話もあるわけだがww)。

この『アラン・ウェイク』というゲーム、
アラン・ウェイクなる作家を主人公に、
(ある特殊能力を有する人間が)「原稿で書いたことが
そのまま現実となる」という、独特の世界観を軸に、
闇から生まれ出てくる"邪悪な存在"と、
彼らの浸食からこの世界を守るべく立ち上がった
アラン・ウェイクの戦いを描いた作品なのだが
(ここまで読んで、映画好きの方は
J・カーペンターの映画『マウス・オブ・マッドネス』との
共通項にお気づきになるかもしれないが、そんな感じであるw)、
プレイしていると、明らかに
「日本製のゲームを意識した作り」となっている点が
散見され、非常に興味深いものがあった。
本作『アラン・ウェイク』の制作スタッフが
おそらく「強く意識していた」と思われる日本製ゲームとは、
具体的にいえば
コナミの『サイレントヒル』シリーズ(特に第1作目)と
SCEの『サイレン』シリーズ(特に第2作目)の2タイトルである。

順番に見ていくと、『サイレントヒル』の第1作目に関して言えば
そもそも「作家が主人公」という図式が、まったく同じ。
で、細かい違いがあるとはいえ、
「人間のイマジネーションが現実世界を浸食し、変えていく」という
物語全体を形成する基本要素が、やはり共通しているのだ。
一方、『サイレン』シリーズとの関連性についてみると、
特に『サイレン2』という作品では、「光と闇」という対立概念が
物語(&戦闘システム)の根底をなしていたのであるが、
こういった部分など、『アラン・ウェイク』という作品に
ほぼ「そのまま引き継がれている」……といってよいかもしれない
(ただし、皮肉なことではあるが
光と闇という要素を「いかにして戦闘システムに取り込むか」という部分では、
後発の『アラン・ウェイク』の方が、はるかに洗練された仕事をしている)。

ついでに書くと、『アラン・ウェイク』の場合、
ストーリーの細部まで解釈しようとすると、ゲーム中に入手可能な
アラン・ウェイクの原稿をすべて回収し、それを読み込む必要があるのだが
こういった、ある意味「不親切な(&プレイヤーの探究心を刺激する)部分も
『サイレン』シリーズと共通のDNAを思わせるものがある。
(実を言えば、コナミ在職中に『サイレントヒル』を開発したスタッフが
SCEに転職後、手がけたタイトルが『サイレン』だった……という経緯があったりする。
こう考えると、『アラン・ウェイク』を開発した北欧の人々は、
●山氏率いる『サイレン』チームと、どこか感性が共通しているのかも知れない。
●山氏率いる『サイレン』チームといえば、つい先ごろ
最新作『GRAVITY DAZE ~重力的眩暈』をPS Vita向けにリリースしたばかりだが、
REMEDYのスタッフが『GRAVITY DAZE』という作品を
どのように評価しているのか、ちょっと気になるところである)。


で、だ……。
前置きが長くなってしまったのだが、その『アラン・ウェイク』の続編、
その名も『Alan Wake's American Nightmare(アメリカン・ナイトメア)』が
22日に、この日本で発売となった。
発売といっても、ゲームショップの店頭にパッケージが並べられたわけではなく、
XboxLiveアーケードを通した「ダウンロード販売のみ(!)」という、
なんとも割り切った売られ方である(つ~か、これ「最初から勝負を投げてる」だろ、絶対!w)。
ま~、今回のマイクロソフトの腰の引けた対応も「仕方がない」といえば、
そうかもしれない。なんたって、『アラン・ウェイク』という作品の
"その後"を気にしているゲーム好きなど、この日本に
おそらく(ブログ主を含めて)ウン百人くらいしか、いないハズなのである……(笑)。

ま~、それはそれ。
とりあえず、無料の体験版も配信されているということで
ブログ主は、さっそくダウンロードして、プレイしてみたのであった。
そしたら……「ダウンロード専売」のわりに、コレ、よくデキてますよ!!
な~んか売られ方もショボくなっちゃったし、かなりのスケール・ダウンを
予期しつつプレイしたのであるが、そんなこと、全然ナシ!
むしろ、ゲーム中に回収する「アラン・ウェイクの原稿」を通じて
ストーリーの行間が補完されていくあたりの仕様は、
あきらかに前作のそれよりも洗練された仕上がりで、
なんだかプレイしているこっちが、嬉しくなってくるようなデキ。
これ、海外ではフル・プライスのパッケージ版で売られてるんじゃないの……!?

でもって、今回の続編『アメリカン・ナイトメア』をプレイしていて、
またまた某・日本産ゲームとの共通点に気づいてしまった次第。
そのゲームの名は……『Steins;Gate(シュタインズ・ゲート)』!
実は「作家が書いた小説の内容が、いかなる理由から
現実世界に影響を与えうるのか?」という部分について、
前作『アラン・ウェイク』では特に説明されてなかったわけであるが、
今回の『アメリカン・ナイトメア』では、そこらへんについて
どうやら「多世界解釈的」アプローチによる説明を試みているらしい
(まだまだストーリー序盤なので、もしかしたら違うかもですが……w)。

なんとなんと、多世界解釈!!
実はブログ主の場合、完全なる「文系人間」なのであるが、
友人に勧められて『Steins;Gate(シュタインズ・ゲート)』というゲームをプレイして以来、
どうやら最先端の量子科学が開いてしまったらしい
禁断のトビラ=多世界解釈に、ハマってしまったのである(笑)。
(ちなみに「多世界解釈」に興味のある向きは、
こちらのサイトなどご覧になってみることをオススメします。
マジで「2重スリットの実験」「シュレディンガーの猫」etc.……
世の中に、こんなにも不思議で面白い(でも、最先端の科学者たちが
本気で"その実在"を議論しているような)世界が存在するのだとしたら……
な~んか、ちょっとワクワクしてくるではありませんか!)

でもって、今回の『アメリカン・ナイトメア』をプレイしていると、
驚くべきことに、なんと! 人工衛星が軌道上から落下してくるのである(笑)。
人工衛星といえば、ほら、アレですよ。
ゲーム『Steins;Gate(シュタインズ・ゲート)』の冒頭で、
秋葉原・ラジオ会館のビル屋上にめり込んでいた"アレ"が……www。

このように「多世界解釈」&「落ちてくる人工衛星がモチーフ」ときた日には、
どうしたって本作『アメリカン・ナイトメア』と
『Steins;Gate(シュタインズ・ゲート)』との共通点に、気付かざるを得ないわけで。
う~ん、前作で『サイレントヒル』&『サイレン』を意識した作りをしつつ、
今回の続編では『シュタインズ・ゲート』と来たかぁ……。
とにかく。
どういうわけかは不明ながら、北欧のゲーム開発会社=REMEDYには
「相当の日本ゲーム好き」がいるに違いないと、ま、そういう話であるw。
ま、"パクリ"とか"オマージュ"とか、言い方はいろいろあるんだろうけど、
こっちとすれば、面白いゲームがプレイできるのであれば、別にどうでもいいんだけどね!


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2 コメント

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Unknown (マジパネェッス)
2016-04-28 21:05:33
アランウェイク、自分も非常に大好きです。
思わず記事を拝見させていただきました。

>知られざる名作ホラー・ゲーム「アラン・ウェイク」の続編、ついに登場!

世界で450万本も売れたゲームも、日本では超マイナ
ーなんですね・・・。
さすが、世界ゲーム市場におけるガラパゴス諸(笑)。
海外制ゲームの独特の雰囲気が苦手な日本人の方、
多いですよね。
かなりがっかりです。
そんな日本で、ブログ主さんみたいなファンの方が
いて喜んでおります。

ネットで調べると2作目の制作をあきらめていない
って出てきますね、非常に楽しみです。
返信する
コメント、ありがとうございました! (「火の車」の中の人)
2016-05-08 20:49:36
> マジパネェッス様

いただいたコメントの公開が
遅れましてスイマセン!
ご覧のブログ、このところ完全放置状態なもので
確認が遅くなってしまいました……。

海外のゲーム、いわゆる“洋ゲー”については
昔から「なぜか日本ではウケない」と
言われ続けてきましたが、それから幾星霜。
あいもかわらずの状況ですよね。
『アラン・ウェイク』も
出来がいいわりに「知る人ぞ知る」といった
作品となってしまっていて、
ファンとしてはなんとも残念な限りですが、
続編の可能性がいまだ消えていないとは
知りませんでした。

とりあえずは、気を長ーーくして
関連情報を待ちたいと思います。
返信する

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