雑談の達人

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裁判員制度をめぐる妄想

2009年09月05日 | その他の雑談
裁判員制度がスタートした。実際に裁判員の参加の下での裁判が行われ、連日報道されたりしている。

法曹のプロの仕事を補完すべく、一般市民の常識とか、生活感覚に期待を寄せているものだと思うが、今後裁判員制度が歴史を重ねていくなかで、一般ピープルの力を借りる以上、「困ったちゃん裁判員」というものが必ず出てくるのではないかと、筆者は懸念(&若干期待)している。以下、筆者の夢想をつらつらと書いてみる。

なお、筆者は裁判員制度について、ちゃんと(というか、全く)勉強していないことを予め告白しておく。情報源は、漫然と見聞きした断片的な報道のみである。次のような裁判員が制度上生じ得るか否か、しっかり下調べした上で書いてもいいが、ごく普通の一般人の知識と感覚で敢えて書いてみようと思う。

①判決の際、がきデカのこまわり君のマネをして、「死刑!」という裁判員
これは、絶対でてくるのではないか。しかもコスプレ裁判員として。裁判長は、退廷を命じたり出来るのだろうか。

②宗教的信条などから、犯罪の事実関係云々とは一切関係なく、とにかく無罪(または、最も軽い刑)にしようとする裁判員
なにしろ神仏は心が広いですからね。そういえば、カトリックの聖職者は、裁判員を辞退する方針なんてのを聞きましたけど。積極的に裁判にかかわり、悪人を懲罰によらず救済しよう、なんて動きがでてこないとは限らない。

③逆に、常に極刑で臨もうとする裁判員
これはこれで困りますね。「ただの死刑では生ぬるい!」とか。「姦通は石打だ!」とか。あのー、もうちょっと冷静に…

④被告に一目ぼれし、恋愛感情を抱く裁判員
B級メロドラマみたいで恐縮だが、多分でてくるんでしょうね。「別れた元カレにそっくり。もう、冷静に審理なんてできない!」とか、苦悩してみたり。あと、裁判員同士でくっつくなんて、もっと可能性は高そう。「被害者を思いやるカレの優しさに惹かれました」とか、「裁判員が縁で、判決の日に告白し、ゴールインしました!」なんて。勘弁してほしい。

⑤裁判中に、心臓発作で倒れる裁判員
どうするんでしょうね。裁判どころじゃないですよ。裁判のクライマックス的場面をぶち壊しにするようなタイミングでバタッと倒れる。おいおい、あんたがクライマックスを迎えてどうする。

⑥笑いのツボが常人とは違う裁判員
映画館とかに、たまにいますよね。何がおかしいのか全くわからない場面で爆笑している人って。真剣な証言の最中、「ひゃーっはっはっは!!!」とか、絶叫したり。

⑦裁判の過程で、実は真犯人であることが判明する裁判員
C級刑事ドラマみたいで恐縮であるが。あるいは、別の事件の容疑者として逮捕されてしまうとか。よくもまぁ、他人の犯罪なんか裁いていられましたね。他にも、飲酒運転の被告を裁く裁判に向かう途中、飲酒運転で捕まるとか。

⑧濡れ衣で無実の罪を被さられ、長年の法廷闘争の末、ついに無罪を勝ち取った元冤罪事件のヒーローの裁判員
やりにくいでしょうね。裁判官も、検察も。権力なんてものを、まったく信じてないですよ、こういう人は。徹底した証拠調べの上に、更に疑念を挟んでくるんじゃないでしょうか。まぁ、新たな冤罪事件の防止になれば、いいのですが。

⑨裁判の過程を小説のネタにし、その後文学賞をとる裁判員
印税生活志望の方々とか、狙ってるでしょうなぁ。別に、あなたを有名にするために裁判員にしたわけじゃないんですけど。まぁ、世の成功者の方々は、だいたい何でも利用しますからね。運よく面白い裁判を経験したのなら、これを使わない手はないですよね。守秘義務とか、多分ありそうですけど。適当に脚色して、「これはフィクションであり、作中に登場する団体、人物等は、実際のそれとは関係ありません。」と言い張れば、きっと逃げ切れますよ。

筆者の貧困な想像(妄想)力ですら、これぐらいスッと思いつく。事実は小説よりも奇なり。筆者の妄想をはるかに超える、規格外の「困ったちゃん裁判員」が、きっと出てくるだろう。


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