今月も、面白かったですねえ!
ちょいとネタバレ回避スクロール。
今月は何と言っても。
アル!!!
アル、いいよねえ!もう、優しいし、強いし、真っ直ぐだし、最高だよね!
鋼における「強さ」は、「運命を受け止め、そして乗り越える強さ」。
拳の強さでも、頭の良さでも、仲間の多さでも無く。
スポーツ物や学園モノでは、なかなかに描けない「強さ」。(そしてその「強さ」は、あるいは少女漫画における「強さ」とも通じるのではないか、と思っているのだけれど、この考察はまだ煮詰まって無いのでまたいつか)
その、鋼における「強さ」の象徴は、実はエドではなくて、アルなんだなあ!と。
アルが、キメラの軍人・ザンパノとジェルソを説得したのは、「元の身体に戻る希望」のためではなくて。
それは方法であって、最初の目的は「殺させない」ためだった。
不殺の決意。
それはエドにとっては「殺さないこと」が第一義だけど、アルにとっては「殺させないこと」、なんだ。
「殺させない」は、アル達の旅の本当に最初の方の、ニーナの物語に端を発している。
人と獣のキメラ、ニーナに向かって、アルは言った。
「ごめんね。ボクたちの今の技術では君を元に戻してあげられない」
それから、エドを叱った。
「ニーナみたいな不幸な娘を救う方法もみつかるかもしれないのに!」
そしてラストに叫んだ。
「守れたはずの人が目の前で死んでいくのを見るのは我慢できない!」
そして宣言する。
「だから兄さん ボクは周りの人を守れるくらい強く在りたい!」
エドもまた、クセルクセスで宣言した。「誰かが犠牲になりそうになったらオレが守る」
エドもアルも気持ちの方向は同じ。「同じこと考えてた」。
だけど、エドの方が対象が明確で、アルはもっと幅広いんだ。
エドは「誰か」。それは今はウィンリィだし、ブリッグズ砦の面々でもある。
アルは「周りの人」。だから、敵・キンブリーの手下であろうと、今目の前にいる「人間」を殺させない。
「くたばり時だ さあ殺せ」
という台詞に。
アルは怒った。次ページひとコマ目。ベタバックに顔無し、握った拳。
それは「純粋な憤り」だ。
アルにとって、二人はニーナと同じで、兄とも同じ。
「あきらめないでよ!」
アルは本当に純粋だ。
死ぬなんて許さない。
元の身体に戻りたい。
自分の気持ちに、本当に真っ直ぐ。
だから彼は「子供」なんだと思う。エドよりもっと子供だから、エドよりもっと純粋で、だからエドよりもっと、希望なんだ。
それから。
もしかしたらこれは考えすぎかもしれないけれど、でも私は思った。
アニメ版スライサー兄弟の最期に対する、これは荒川先生の答えなんじゃないかしら、と。
「この先真っ当な人生が送れる訳が無い」
それが事実だとしても、それは諦めるための口実だ。
死刑囚であるスライサー兄弟と、利用された軍人ザンパノらとでは、もちろん境遇が違う。
でも、この場面を読み返したとき、私の頭の後ろをアニメ版スライサーが横切った。
あのアニメ版第五研究所のあたりは、これだけ原作好きの私でも、アニメの方が印象強かった。
けれど、「自分の物語」に対する別の物語を提示されたなら、それに対する「私なら」の答えを、たとえ方向が違っても、どこかに必ず持っているんだと。この場面はその答えの一面なのではないかしら、と。
や、考えすぎっすね(笑)
えっとえっと。
あとは駆け足!
冒頭、バッカニアと眼鏡のおっちゃんと(だから名前をー!固有名詞をくれー!!)オリヴィエの会話。
ああも、すげえいいよう。格好いいよう。こうゆう、大人の会話、もまた、上手いよねえ!
そんで、そこに中央軍をもってきて、タイトルページってゆーのがさ!先号の、マスタングとホークアイの電話のシーンもそうなんだけど、ほんとアニメのアバンとかドラマの出だしみたいで、上手い。
たった数ページで、シリアス→ホッ→ドキドキ を描けちゃう。あーもーすげーうまいー。
エドの表情が豊か!
この豊かな表情が、ぎゅーっと読み手をマンガに引き込むよね!
何人もの思惑がからみあって、スカーに対する感情もキャラごとに全然違う。
けど群像劇の傍観的視点にならないのは、常に焦点がエドだから!
スカーを中心に描かれると、つい彼が憎むべき殺人鬼だったことを忘れそうになる。けれど必ずエド視点に戻るから、散漫にならない。
ああ、そんな理屈は要らないよね!
エドの表情がいっぱい!
それが、嬉しいvvv
キンブリー。
「見下ろすな」もいいんだけど。
錬成陣の両手を広げるズアッのコマが。両手がコマからはみ出して。ページからさえ飛び出して見える。
上手い!怖い!
こういう構図がさあ!荒川先生の「冴え」を感じて、私、嬉しくなるのよ~!!!
ヨッキー大活躍☆もいい!
鉱山とか吹雪とか、北海道知識満載なのがイイなあ~!
アルの生身邂逅・・・・・・!
何よりも、終わりの近さを感じて、寂しいけれどワクワクする。どうやって終わりへ駆け上るのか。
一旦全員集合させて、それからまた散会させる手馴れた手腕。
エドを一人にして。
さあ、どう出るつもりだ荒川弘!!
ここで18巻が終わります。
あーもーヒキも上手いー!
ところで、「お父様」が動かす駒。アルは一本ヅノで、エドは二本角なのが、なんとなく可笑しかったり。
ちょいとネタバレ回避スクロール。
今月は何と言っても。
アル!!!
アル、いいよねえ!もう、優しいし、強いし、真っ直ぐだし、最高だよね!
鋼における「強さ」は、「運命を受け止め、そして乗り越える強さ」。
拳の強さでも、頭の良さでも、仲間の多さでも無く。
スポーツ物や学園モノでは、なかなかに描けない「強さ」。(そしてその「強さ」は、あるいは少女漫画における「強さ」とも通じるのではないか、と思っているのだけれど、この考察はまだ煮詰まって無いのでまたいつか)
その、鋼における「強さ」の象徴は、実はエドではなくて、アルなんだなあ!と。
アルが、キメラの軍人・ザンパノとジェルソを説得したのは、「元の身体に戻る希望」のためではなくて。
それは方法であって、最初の目的は「殺させない」ためだった。
不殺の決意。
それはエドにとっては「殺さないこと」が第一義だけど、アルにとっては「殺させないこと」、なんだ。
「殺させない」は、アル達の旅の本当に最初の方の、ニーナの物語に端を発している。
人と獣のキメラ、ニーナに向かって、アルは言った。
「ごめんね。ボクたちの今の技術では君を元に戻してあげられない」
それから、エドを叱った。
「ニーナみたいな不幸な娘を救う方法もみつかるかもしれないのに!」
そしてラストに叫んだ。
「守れたはずの人が目の前で死んでいくのを見るのは我慢できない!」
そして宣言する。
「だから兄さん ボクは周りの人を守れるくらい強く在りたい!」
エドもまた、クセルクセスで宣言した。「誰かが犠牲になりそうになったらオレが守る」
エドもアルも気持ちの方向は同じ。「同じこと考えてた」。
だけど、エドの方が対象が明確で、アルはもっと幅広いんだ。
エドは「誰か」。それは今はウィンリィだし、ブリッグズ砦の面々でもある。
アルは「周りの人」。だから、敵・キンブリーの手下であろうと、今目の前にいる「人間」を殺させない。
「くたばり時だ さあ殺せ」
という台詞に。
アルは怒った。次ページひとコマ目。ベタバックに顔無し、握った拳。
それは「純粋な憤り」だ。
アルにとって、二人はニーナと同じで、兄とも同じ。
「あきらめないでよ!」
アルは本当に純粋だ。
死ぬなんて許さない。
元の身体に戻りたい。
自分の気持ちに、本当に真っ直ぐ。
だから彼は「子供」なんだと思う。エドよりもっと子供だから、エドよりもっと純粋で、だからエドよりもっと、希望なんだ。
それから。
もしかしたらこれは考えすぎかもしれないけれど、でも私は思った。
アニメ版スライサー兄弟の最期に対する、これは荒川先生の答えなんじゃないかしら、と。
「この先真っ当な人生が送れる訳が無い」
それが事実だとしても、それは諦めるための口実だ。
死刑囚であるスライサー兄弟と、利用された軍人ザンパノらとでは、もちろん境遇が違う。
でも、この場面を読み返したとき、私の頭の後ろをアニメ版スライサーが横切った。
あのアニメ版第五研究所のあたりは、これだけ原作好きの私でも、アニメの方が印象強かった。
けれど、「自分の物語」に対する別の物語を提示されたなら、それに対する「私なら」の答えを、たとえ方向が違っても、どこかに必ず持っているんだと。この場面はその答えの一面なのではないかしら、と。
や、考えすぎっすね(笑)
えっとえっと。
あとは駆け足!
冒頭、バッカニアと眼鏡のおっちゃんと(だから名前をー!固有名詞をくれー!!)オリヴィエの会話。
ああも、すげえいいよう。格好いいよう。こうゆう、大人の会話、もまた、上手いよねえ!
そんで、そこに中央軍をもってきて、タイトルページってゆーのがさ!先号の、マスタングとホークアイの電話のシーンもそうなんだけど、ほんとアニメのアバンとかドラマの出だしみたいで、上手い。
たった数ページで、シリアス→ホッ→ドキドキ を描けちゃう。あーもーすげーうまいー。
エドの表情が豊か!
この豊かな表情が、ぎゅーっと読み手をマンガに引き込むよね!
何人もの思惑がからみあって、スカーに対する感情もキャラごとに全然違う。
けど群像劇の傍観的視点にならないのは、常に焦点がエドだから!
スカーを中心に描かれると、つい彼が憎むべき殺人鬼だったことを忘れそうになる。けれど必ずエド視点に戻るから、散漫にならない。
ああ、そんな理屈は要らないよね!
エドの表情がいっぱい!
それが、嬉しいvvv
キンブリー。
「見下ろすな」もいいんだけど。
錬成陣の両手を広げるズアッのコマが。両手がコマからはみ出して。ページからさえ飛び出して見える。
上手い!怖い!
こういう構図がさあ!荒川先生の「冴え」を感じて、私、嬉しくなるのよ~!!!
ヨッキー大活躍☆もいい!
鉱山とか吹雪とか、北海道知識満載なのがイイなあ~!
アルの生身邂逅・・・・・・!
何よりも、終わりの近さを感じて、寂しいけれどワクワクする。どうやって終わりへ駆け上るのか。
一旦全員集合させて、それからまた散会させる手馴れた手腕。
エドを一人にして。
さあ、どう出るつもりだ荒川弘!!
ここで18巻が終わります。
あーもーヒキも上手いー!
ところで、「お父様」が動かす駒。アルは一本ヅノで、エドは二本角なのが、なんとなく可笑しかったり。
キメラーズを生き延びさせ、味方につけるほどの人格の高さ、まっすぐな魂はもう、私ごときが何を言っても頓珍漢になるほど感動しました。
(キンブリファンの言葉ですかこれ)
以前から好意を持つキャラでしたが、今回ますますぐいぐい好意を寄せました・・・!スライサー兄弟との答えという考察は鋭いですね。
しかし、これが18巻ラストになるんですね。なんとも気になるオチですが。
お父様がイズミせんせいの名を挙げて、後ろに手持ち無沙汰なグリード・・・ということは何ですか、グリードがイズミせんせいをお持ち帰りとか、そんなおいしすぎる(私だけが)展開が錬成されると仮定しても良いということですね!!(どこをどうすればそんな都合の良い展開に)
・・・阿呆な話ですみません orz
ほんと、アルフォンス祭りですよー!先月はウィンリィ祭りだし、その前はロイエド祭りだし、もう毎号見所満載で嬉しすぎますv
ここで18巻終わるって、ほんと上手いですよね!ばらばらに進んでいたストーリーがどんどん収束してく感じ。あとひと揉め北でやって、セントラルに取って返して最終決戦なのかなあ…!お父様の台詞にイズミ師匠が出てくるとは思いませんでした。彼女はピナコと同じくバックヤードキャラと思っていたのですが、もしかして前線にやってきますか?!ウィンリィも来たしなあ…!
グリードリンの活躍も気になります。彼はエドの敵となるのか否か?
どのキャラもすっごい自己主張があって、どんなキャラでも組み合わせられる牛様の自由自在な手練手管<ちょっと違う(笑)。
これからますます目が離せませんよねえ!
コメントありがとうございました~v