歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

鋼85話「空の箱(からのはこ)」感想その3

2008年08月06日 | ◆新刊読んだ!
もう8月だってのにまだ先月雑誌感想かよ!
てな感じで、ネタバレ回避スクロールぷりーず。

これでよーやく終わりですー。

























エドが三つ編みに戻ってんじゃん?
あれ、絶対、ホーエンハイムに「おそろいだ」って言われるのが嫌で、編んだんだよね!(笑)
ゴリさんに「お、三つ編みか?」とか聞かれて「おっ、おう!機械鎧の指のな!調子を見るためにな!」とかすげー不自然に言い訳してたりな(笑)


そんでさあ!
ホーエンハイムのさあ!
ホーエンハイムの、涙がさあ!!
横顔で、涙を流す、ページ上段の大コマじゃなくて。
左下、眼鏡取って、その手で涙をぬぐう、そのしぐさが、すげえいいのよっ・・!!
思わず、って感じがする。すごい、自然なしぐさ。
「いや・・・ すまん そうだな」って台詞も、すごく自然で。
もうさあ、ほんと、こればっかだけど。
上手いよなあ・・・・・・。

背中向けてるホーパパが芋焼いてるのとかさ。「エドワー・・・どぉ!」って殴られてるとことかさ。
いちいちずっと、ノリが軽いじゃない?軽さが効いてる。どんどん話がすすむのに、息が詰らないの。
こういう調子のよさ、すごい好き。すごいイイよ今月号っ!!
エドもさ。
賢者の石を使わないと即答するところも、一緒に戦ってくれるんだな、というホーエンハイムの言葉にギャグすれすれのむくれ顔で同意するとこも、父親の涙に驚いて戸惑って逃げる(笑)ところも。
ずっとエドがエドらしい表情で、態度で、真っ直ぐで。
「なんで赤なんだよ」「強そうじゃん!血がたぎるっつーか!」でおもきしギャグ顔で(アンテナに花まで咲いてるし!(笑))、でもページをめくった最初のコマに、大コマで左(=未来)を向いて、
「たぶん奴らと最後の戦いになるだろうからさ」
さり気ない、静かな気合。
このコマ、20巻の巻末の予告ページに使ってくれないかなーv
(先月号、今月号は、予告ページにどれが使われるかしら??と読むのも楽しかったりするv)


キメラふたりが、「あっち二人組みと同じで元の身体に戻りたい」とは逆に、「別にこのままでもいいや」な所に、キメラというモチーフ(拙ブログ08.06.24記事の、一つの答えが示されている。
それは、元に戻ることも、そのまま生きることも、「自分の意志で選べる」ということだ。
そして、キメラも人間も、どちらも大して変わらないのだということも。

それは、荒川弘の、たぶん、信念。
あなたの人生はあなたのものだ。
親がどうだろうと、生まれが何であろうと、そんなものはあなた自身の価値とは関係が無い。
それは、エドと同じに。
400年前に滅びた国の、国を滅ぼした錬金術師の、息子。
すごい背景だ。でも、マンガの中にはゴロゴロある設定。
そして、その設定を物語終盤まで明かさない。そんなものはエドという人格に、何の関係も無い。そして明らかになっても、やっぱり関係無いのだ。もう、エドはエドなのだから。
それは、アルと同じに。
鎧だろうと、アルはアルだ。
それは、キメラと同じに。
キメラだろうと、俺は俺だ。
それは、あなたと同じに。
鋼を読む子供たち。キミは、キミだ。


さて!
そうして、アルです!
きょとん、としたエドの顔。「・・・・・・・・・アル おまえどこか悪いのか?」
も、ね!
こやって、すぐ、弟の異常に気付くエドが、私、大好きなんですよっ!!!

アルがどんなに存在が不安定になってても、そしてアル自身が不安と焦りにさいなまれていても、離れているエドはこれっぽっちも気付かない。
けれど、会うとすぐ、気付く。
離れていても分かり合える、なんて幻想はそこには無くて。
精神が混線してる、なーんてトンデモ設定があるのに、それを「アルが元に戻れる理由(肉体の養分&魂の道標)」にしか使わない。この即物的・現実的なこと!!
テレパシーとか幽霊とか、絶対信じてないよね荒川先生!(笑)

そういう所にご都合主義が無いから、だからこそ、余計に。
会ってすぐ、わかる、兄弟の絆にね。
メロメロなんですよ私~~~♪♪


アル、怖い・・・。
最終ページは1ページまるまる、プライドです。
コマをよく割る(スピードを落さない)荒川先生が、プライドについてだけ、かなりゆっくり描いている。セリムがプライドだと名乗るコマも1ページまるまる使った。荒川先生はここぞという時しか1ページ全コマを使わないので、これは18巻唯一の1ページ全コマ場面。
先月号でも、アルの影にプライドが現れるシーンが、1ページまるまる。その後アルを絡め取るシーンも、荒川先生にしてはすごくじっくり描いている。
プライドは、この物語の最後の「何か」だと、この描き方を見ても思う。

アルの鎧という容器いっぱいの、プライドという賢者の石。
アルの鎧というフラスコの中の小人。
国を覆う錬成陣。人柱。扉を開けてなお帰って来れる存在。
いよいよ、長く語られてきたこの物語もクライマックスに向かっています。

ドキドキです。ワクワクです。
今月の12日も早朝コンビニダッシュですー!!


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2 コメント

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コメントありがとうございます。 (歌猫)
2008-08-07 06:13:14
和歌様こんにちは!
そうなんですよ!すごい人物の息子なのに、そんな設定に寄りかからずに、ここまで読者を引き込んでしまう!まあエドは天才で国家錬金術師で機械鎧でチビですから十分設定てんこ盛り(笑)なんですけど!
でもね、同様にリザも、師匠の娘で焔の錬金術を伝えた人、という設定があるのに、それ無しでロイとの絆を描いてる。ほんのひと言、ちょっとした表情で、人間関係をあっという間に描いてしまえる、荒川先生はスゴイです・・・!
戦隊モノのリーダー(笑)ほんとだ!手下とか日陰者とかでも偉そーで、センス悪い派手好きエド、やっぱ可愛いわ~vvv
待ち遠しいけど寂しい、わかりますーわかります!けど!やっぱり私は待ち遠しいv 最終回さえ、楽しみです。寂しくても物語の「完成」がやっぱ楽しみ!
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こんにちわ (和歌)
2008-08-06 12:10:25
またまたお邪魔しております。前回もお忙しいなか、レスありがとうございます。物語も終盤…そうですね、凄い人物の息子なのに、そんな設定なしにしてもエドは充分凄い!赤が強そう…って子供向けの戦体モノのリーダーのようなことを言う、天才最年少・錬金術師が大好きでたまりません。まだまだハガレンに一喜一憂したいので、ガンガンやコミック発売日が待ち遠しいような、終わって欲しくないので、そうでないような…
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