在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ・カヌア” セルトリ・サリス

2007-10-04 05:25:13 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Sforzato di Valtellina Canua” Sertoli Salis -Lombardia
セルトリ・サリスの試飲会があった。ローマでこういう試飲会を行うのは初めてとのこと。ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ2種に、スフォルツァート・カヌアのヴェルティカーレverticale(縦型試飲)、4ヴィンテージが紹介された。
ヴァルテッリーナのワインは、ローマからだと距離的な問題があり、まだあまり多くのワイナリーが紹介されていない。しかし、サリスはとても良いワイナリーの一つである。
17世紀から続く名家ということだが、かなり立派な宮殿を持っている。ワイン造りの歴史も実に古い。シャルドネとネッビオーロ(キアヴェンナスカ)で造ったスプマンテ、ネッビオーロの白ワインも含めて、バラエティに富んだワイン造りをしているが、看板ワインがカヌア。スフォルツァート、つまり、力を加えた、手をかけたという意味の陰干しワインで造った辛口赤ワインである。ワイナリーからスイスまで3キロの距離とのことだが(つまり歩いて45分??)、イタリアで最北の一つに位置し、標高も高い訳で、ボディのあるワインを造ろうと思うと、ぶどうを陰干しすることになる。(醸造のコンセプトはアマローネに似ている。)
品種は、地元名でキアヴェンナスカ、つまり、ネッビオーロ。ネッビオーロの歴史は、このあたりの方がピエモンテより古いのだそうだ。
まず、2003年。
色はガーネット色に変化中。やや透明感のある赤。
香りは、フルーツがきれい。そして、花。リコリースがはっきり感じられる。他に、チョコ、ギンバイカmirtoなどの緑の香り。
味は、インパクトがほの甘いくらい。まろやかさがあり、また、タンニンがまだ若くはっきりしている。酸がきれい。フルーツの後味が心地良い。
2002年。他はともかく、ヴァルテッリーナでは非常に良いヴィンテージ。
色が濃い目で、ガーネット色。
香りは、フルーツがコンフィになっている。森の木の実、プルーン、ベリー系、赤リンゴなど、フルーツコンポのよう。他、スパイス、タバコ、リコリース、バルサム臭balsamico、チョコ、トースト臭、カフェ、栗など、奥行きが実にきれい。
味は、柔らかく、甘く感じるくらいで、ボディがある。タンニンがしっかりしていて、味の強さ良く、持続性も申し分ない。凝縮感があり、ワインの肉厚さpolpaを感じる。
2001年。
再び薄め、透明感のある色。ガーネットで、爪がオレンジがかるくらい。
香りは、キナ、ベルガモットなどで、ほろ苦さを感じる。他にサクランボのコンフィ、バルサム臭などのスパイス、ミネラルなど。全体にかなりエレガント。
味もエレガントさが勝る。酸がとてもきれいで、タンニンがあるが、隠れるくらい。結構塩味有りで、味の持続性がとても良い。やや細めだが長い。
1997年。
ガーネット色。かなり濃い目。年により、こうも色が変わるとは。
やや緑がかった香りあり。最初はやや閉じているが、しばらくして、スパイス、チョコ、タバコ、腐葉土、ミント、アメリカンチェリー、トースト臭など、いろいろ出てくる。
味は、タンニンがだいぶ柔らかくなっている。酸がきれい。エレガントで、カカオとフルーツの混じった後味がとてもきれい。きれいに熟しているが10年経っているとは思えない。また、2001年と4年の差とは思えないくらい、まだ若さが端々に残る感じ。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。