うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

攻殻機動隊 Ghost in the shell + 2.0

2013年06月26日 | 日記
 ARISEを観たので、なんとなく押井版「攻殻」観直しました!あと「2.0」も。


 久しぶりに観るとやっぱり攻殻ってのは95年の映画。18年も前の映画か~。当時はPCのOSもwindows95でインターネットが普及し始めた頃だった時代のアニメ作品ということも考えると、当時の技術でよくこれだけの作品が作れたな、というのと、さすがに古臭く感じてくる部分があるのも事実ですよね。

 特に効果音がいま観るとチープな感じ。オープニング、草薙素子(と同型)の義体(サイボーグの体)が製造される映像が流れますが、その動きにいちいち「ウィーンガチャ」みたいな効果音が付いていて「えっ?」って思います。
 あと当時は緻密に見えた映像も、やはりいま見るともっと描き込みできたんじゃないかというような部分もあるし。とはいえ短い作品とはいえ10ヶ月ほどで作ったらしいのでいまの観賞にも耐えられる作品であることは確かです。押井守の代表作の1つであることは疑いようがないし、SFの傑作のひとつだと思いますね~。


 さて、
 そういう意味では痛し痒しなのが「2.0」。
 2008年に押井守の新作「スカイクロラ」の公開に合わせて作られた「攻殻」のリメイク版。
 大きな変更点は、いくつかのシーンを3DCG化(アバンタイトルシーンと素子がダイビングするところ、あといくつかの乗り物系)、色味の変更(緑っぽかったのが「イノセンス」に合わせてオレンジ系に)、声優の変更(大きいのは人形使い)、あと細かい映像や音声、効果音の撮りなおし。

 いいところは前述した効果音の変更でしょうね~
 やはり押井自身気になったのか、効果音や銃の音はしっかり直しています。これで現在の観賞にも耐えられるような音になっているという感じ。
 逆に賛否両論というか”改悪”とされているのが3DCG化されたシーン。
 どう見てもCGまる出しで他のセル画によって描かれたシーンと合ってない。せめて素子はセル画で描き直して欲しかったですが、突貫工事でそこまでの予算や時間の余裕はなかったのかな、って気はします。

 賛否が分かれたのは色味の変更と人形使いの声優の変更。

 人形使いが男の声から女の声に変わったことにより、素子と人形使いの融合=結婚というような解釈が成り立たなくなった。もちろんベタな恋愛という意味ではなくより哲学的な結婚という意味ですが、人形使い自身が言っているように素子と人形使いが対となっていることと、男と女の(哲学的な)結婚が”完全な人間になる”という発想とが繋がっていたのに、今回の変更でそれが薄れた形。とりあえずバトーがフラれた感は薄くなった(笑)
 あとネット内映像などがグリーンからオレンジになったのも「イノセンス」に合わせたという意味では理由として納得はできますが、逆に言えば「攻殻」と「イノセンス」は主人公が違うので「攻殻」=素子目線の世界・サイバーパンク・グリーン・未来的、「イノセンス」=バトー目線の世界・レトロフューチャー・オレンジ・過去的というような対比が見られていたのにそれがなくなった。単純に”続きもの”になったという感じ。


 おそらくDVDにも監督のコメンタリーはついていないし、インタビューもあんまりネットでは探せなかったので経緯がわかりにくいんですが、一応押井守がリメイクしたということになってはいますが、本当に押井が変えたかった音関係をやる”交換条件”として目玉となる「映像の変更」を許可したんじゃないだろうか、という気はします。
 「攻殻」や「パト2」あたりでのCGの使い方の押井守の発言を考えれば3DCGシーンはあまりにも違和感のある使い方だしありえない。

 ということで、
 音に関しては「2.0」がいいし、映像に関しては個人的には元の「攻殻」の方が好き。なので個人で「2.0」の音を「攻殻」にくっつけるという加工でもしないと満足のいくものはできないってことか…


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