お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

開くべからず! × 2

2009-07-09 | about 英語の絵本

Do Not Open!

「開くべからず!」と題された刺激的な絵本の出版予告がAmazon.comに出ています。もうすこし詳しく言うと"Do Not Open! A Book Of Bad Manners"というタイトルの本です。「開くべからず! 不躾/不作法の本」とでも訳せばよいでしょうか。

Amazon.comのこの本についての出版案内ページには「この本はまだ刊行されていませんが、予約注文していただくことができます。到着し次第お届けします。ギフト包装もご利用いただけます」との但し書き(This title has not yet been released. You may pre-order it now and we will deliver it to you when it arrives. Ships from and sold by Amazon.com. Gift-wrap available.)があります が、日本のアマゾンのページには簡単に「在庫切れ」と表示されています。

アメリカでは、Amazon.comに限らず、本屋さんの書誌などに時々こういう"まだ出ていない本(≒これから出る本)"の出版案内を見かけます。残念ながら、こういう本を注文した経験がないので、案内が広告された本は必ず本当に出版されるものなのか、正確なところは知りません。これまでは、この手の広告を見るとなんとなく「無名の著者なので、まずは予約注文をとって採算が取れそうなら印刷・刊行するという意味かな?」と根拠のない偏見を持って眺めていました。が、今度ばかりは!!と目を見張りました。

というのも、この出版案内、著者はPablo Echaurrenなのです。同姓同名の他人でなければ、あの、なんとなくダリを思い起こさせる不思議な雰囲気のあるアーティストです。あのパブロが子どもの本を出すの?・・・ならば、内容のほどはさておき、絶対に注目したい一冊なので、まずはご紹介させていただきます。

でも、未刊の本だけではお話にならないので、今日は、もう一冊、既に出版されている「開けるべからず」と題された本をご紹介します。DK出版刊の"Do Not Open" です。

この本の"Do Not Open"というタイトルの趣旨は、おそらく「一度開いて読み始めると、とまらなくなる」から「開くべからず」でしょう。内容は、一言でいうと子どものための"蘊蓄集"です。"知る人ぞ知る"的なさまざまな事実、隠された真相、事件の裏話などなどが、簡単に読み切れる長さでありながら必要十分に詳しく、一見ランダムに、しかし実際には丹念に編集されて"ぎっしり"詰まっています。その意味で、読み応え十分。お買い得です。

それもそのはず、版元のDK出版は、子どもの本、特にノンフィクション分野で数々の優れた本を出し、たくさんの賞を獲得している出版社なのです。この"Do Not Open"も"VOYA Nonfiction Honor List Award"受賞作品ですし、また子どもの興味関心にそった角度から歴史を掘り下げたEye Witnessシリーズでもたくさん受賞しています。

"Do Not Open"所収の数々の蘊蓄話は、おそらく、これらの歴史ノンフィクションの編集過程で得られた、プロの目にもおもしろい"こぼれ話"のコレクションだと思います。また、たとえば「国により文化によるマナーの違い」などのトピックは、旅行ガイドでも定評ある仕事をしているDK出版のお家芸ではないでしょうか。

DK出版のすごいところは、話題性だけではありません。たかが子どもの蘊蓄本(失礼!)に本格的なプロ集団を結集して編集・制作しているところです。表紙裏にクレジットを明記して書き連ねられた名前だけで20人を超えています。全巻どこも手抜きのない作りになっているのも、なるほどとうなづけます。

読み応え満点だけれども、どこから読んでもどこでやめても全然かまわないつくりの、実に気楽に読める本なので、ちょっとした空き時間にも読めるし(だから「バスルームで読むのに最適」との読者評多数)、休日にベッドに寝転がって読むにも最適です。また、乗り物での移動時間などに読むにも最高。

それだけでなく、読めば必ず人に話せるネタ(それも、どうしても披瀝したくなる蘊蓄ネタ)ができるので、読者は学校でも、家族との食卓などでも注目を集め、人気者になること請け合い!です。



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