お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

どうぶつ絵本のマスターピース

2009-07-07 | about 英語の絵本

What Do You Do With Tail Like This?

たいていの子どもはノンフィクションの科学絵本が好き。それなのに、大きくなると理科嫌いになってしまう子が多いのはなぜでしょう?なんとも不思議ですね。

日本の科学絵本には実にいろいろなバリエーションがあり、読み聞かせていても楽しかった記憶があります。日本の絵本は一般にきわめて水準が高いですが、いわゆる科学絵本にも、構成に無理がなく、絵も写真もきれいで、また文章もなめらかで完成度の高いものがたくさんあり、飽きずに楽しめます。

先日も登場した五味さんの「みんな うんち」も出色ですが、安野光雅さんの「美しい数学シリーズ」の絵本など、丹念に書き込まれた本当にきれいな絵を眺めるだけでも楽しいうえに、さらにページを繰るたびにパズルのように展開する画面に魅了されて小さな子でも飽きずに眺めることができます。一方、大人の方は一緒に眺めながら「あぁ、数学の概念とは、こういうことであったのか・・・」とあらためて(はじめて?)理解する楽しみがあります。数学好きの友達が、学生時代、くりかえし「数学は美しい」と言っていたのを、私は、年経て学校を遠く離れてから、この安野さんの絵本ではじめて実感しました。

娘が1歳の歩き始めのころの我が家のマイブームは、きうちかつさんの「やさいのおなか」。娘は、買い物についてきては、スーパーマケットでキャベツやカボチャが半分に切ってあるのを見て喜び、家では買ってきたピーマンやトマトを半分に切っては飽きずに"おなか"を見ていました。

その前は平山和子さんの「やさい」と「くだもの」の見るからに美味しそうな絵本が大好きでした。サクランボをみるたびに「食べたいねぇ!」とため息をついていたのがなつかしく思い出されます。

さて"どうぶつ絵本の傑作"をご紹介のはずが、つい前置きが長くなって、野菜の話になってしまいましたが、今日の絵本は "What Do You Do With A Tail Like This?"(こんな尻尾があったら、何する?)です。Steve JenkinsとRobin Pageの共著。実にユニークで読んで楽しく、娘が小さいころに出版されていたらよかったのに・・・と残念でならない絵本のひとつです。

まずイラストが魅力的。それから、え~っ!というような意外な事実が次々と紹介されて刺激的・・・なので、子どもは喜んで読みます。Fun to read! そのうえ、さまざまな動物のさまざまな形態と、それがもつ機能について考えさせて教育的・・なので、親にも人気絶大です。

カモノハシは鼻をつかって土を掘るけれど、ゾウは鼻を使って水浴びをするんだよ、とか。チンパンジーは手をモノを食べるために使うけれど、ヤモリはベたべたした手足を使って天井でも歩けちゃうんだ、とか・・・。思いもよらない話が一見脈絡なく次々と展開するので、子どもたちは息もつがずに魅入られて読みます。大人の読者の中には、「はじめて読んだときは、文字通り、おかしくておかしくて床を笑い転げちゃった!」という人までいます。表紙もなかなかにユニークですが、表紙を見ての期待を、まったく裏切らない内容の本です。

巻末には、登場した動物それぞれの詳しい紹介(Bio:伝記、履歴と題されているところがまたユーモラスですが)が載っていて、それぞれの動物についての読者の理解を助けるべく、さりげない"教育的配慮"が行きとどいています。

ご一読あれ!のお勧め絵本です。




コメント
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