魚柄仁之助の食文化情報局ブログ

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【新連載】人情的危機管理 第1回 by 魚柄仁之助

2005年05月21日 | 連載エッセイ 人情的危機管理
WEBでしか読めない、魚柄仁之助さんの新エッセイ、「人情的危機管理」、いよいよ連載開始です!

人情的危機管理 第1回

「妊婦だから」の自己防衛

by 魚柄仁之助

ほんのささいな事で、一生を棒に振る人もある。「何であんな事を?」とくやんでも、そこは刑務所の中であったりする。そんな「ささいな事」は街のいたる所で、本人たちも気づかずに起こっているのです……

東京・山手線のある駅でした。ホームから改札口へおりるエスカレーターにのった私。私の後にはおなかの大きな妊婦さんとその母と、ベビーカーの小さな子ども。お母さんが、ベビーカーを懸命にささえちょる。ベビーカーでエスカレーターって、けっこうたいへん何ですね。あたしゃ心配で、エスカレーターをおりた後、歩きながら振り返ってみたですよ。しかし、そこで見たのはとんでもない「自殺行為」なんだったんだっ。
妊婦、ベビーカー、お母さんの順にエスカレーターから降りた、まではよろしい。あろう事か、この一段は、降りたその場所で立ち止まり、なにやら親子で相談事を始めちゃった。たぶん「どっちへ行くう?」みたいな話だったんでしょうな。
しかし下りのエスカレーターゆえ、次から次に人が降りてくる。その人たちが、妊婦、ベビーカー、母にぶつかる。妊婦さん、ころぶ。母が大声で文句を言う。ぶつかったサラリーマンも言い返す。「こんなところにボケっと立ってんじゃねーよ!!」 妊婦さん、腹をおさえて泣く。あたしゃとりあえず、妊婦さん、ベビーカー、母をわきへ移動させたが、この人たち、完全パニックです。サラリーマン諸氏は、さっさと改札を出て行っちまう。妊婦さんと母は「殺されそうになった」とわめきちらす。バカバカしくなって、あたしも離れたですよ。危機管理のかけらもない被害者意識ってやつですね。

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