魚柄仁之助の食文化情報局ブログ

食文化研究家・魚柄仁之助さんに密着取材した、公認ブログです。ここでしか手に入らない、お酒や食べ物の情報を満載!

魚柄仁之助連載エッセイ第5回 訪問者に気をつけろっ

2005年09月30日 | 連載エッセイ 人情的危機管理
今日、某宗教団体の方が、ピンポーンって感じで訪問したとです。こんな時、普通はドアを開けずにやんわりと「お帰りいただく」ようにしとりますが、今日はものは試しにとドアを開けたです。そこにおったのは40代の女性一人。手には宗教のパンフレット。
「この近所を訪問させていただいている者ですが、今日は神の教えをおとどけしたくてまいりました。神は私たちに……」と勝手に話し始めたとです。そこで……
「ちょっと待って。アンタ、どこの誰なのか? わしゃなーんもわからん。もしかしたらいきなり包丁でワシを刺すかも知れん。この紙にアンタの住所・氏名・電話番号を書いた上で、このデジカメでアンタの写真を撮らせてくれい。で、今ここでアンタのケータイに電話をかけて、アンタのケータイがなったらアンタの話を聞きますわ。でないと見ず知らずの人の突然の訪問なんぞ、あぶのうてうけ入れられん。」
と言うてみたんですな。するとこの“宗教家”さんは
「そんな個人情報を教える訳には……」ときた。笑わせるんじゃねえよ。神の教えに従って訪問するようなお人が、そんなにガードを固めていいの? ドアロックをした教会なんてそもそも人を信じていないって事でしょ。
アンタ、本当はドロボーで、ピンポーンした後、返事がなけりゃ空き巣に返信してたんとちがう? そうじゃないって言うなら、アンタの住所氏名を出しなさいよう。言えない? あ、そう。じゃ、ケーサツに「不審者が来た」って電話してもいいよネ? 今、電話するから、逃げないでネ。
ここまで言うと、さすがに免許証を出して身分を明らかにしたですよ。
私のようなこわいもの知らずだからここまでやったとですが、訪問販売、訪問布教に対しては、最低限、その人の住所氏名電話番号は書いてもらいましょう。自筆でネ。会社や教団の住所でなく、その個人のものを引き出す事が必須です。だって相手はもう私の住所氏名を知っちゃってるんですぞ。消火器とかを売りつける業者、リフォーム業者から身を守る第一歩は、その訪問者の個人の情報を握ることです。危機管理の基本、相手をよく知るってことでしょネ。

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魚柄仁之助連載エッセイ 人情的危機管理第4回

2005年06月27日 | 連載エッセイ 人情的危機管理
日本酒バカの喜奇管理

 身の安全を保つという事は、時に「何でこげなとこまで?……」にも注意をはらわにゃならんのであります。6月10日、おいさんは『熱血!日本酒バカ』なる本を出しました。
 これまでにも日本酒のガイド本は山のごとく出とったですが、今回の本のようなのはほとんど類をみなんだ。この本、「食中酒」のみにしぼり込んでお酒を選んだんですね。他の酒本って、どんな基準で選んどりますかの?
 曰く、●専門家の選ぶ日本酒ベスト100 ●とりよせてでも飲みたい酒 ●酒通1000人のアンケートで選んだ酒……こんな感じの本が多いですわ。でもネ、どの酒が良いだのすぐれてるだのって、「何の為に飲む酒か?」がはっきりしないと選べんのです。酒だけで十分に旨く、食べ物をうけつけないのもある。また、食べ物と組み合ってこそ旨い酒もある。だから今回はハッキリと「食中酒」として72銘柄を選んだし、本にも明確に「食中酒」と書いたんですよ。――このあたりが実は危機管理なんですね。
でないと「何でうちの酒がねーんだ?」とうらまれてしまう。ズッシリした旨味のある某酒蔵の酒は、今回はずしましたが、酒蔵さんも、「今回の基準じゃ、たしかにうちの酒は合わないネ」と言ってくれたです。ちょっとした気配りですが、これだけで敵を作らずに済むんですね。それどころか、食中酒として取り上げた酒の蔵元さんが「よくぞここまで理解していただけたっ」と限定○本というようなすんごい酒を、「ぜひ飲んでみてくれいっ」と、送ってくれたんですよ。
酒造りのプロでもない単なる酒バカおいさんでも、トコトン危機管理をした上で本を作れば、結果はかなり安全で得をとれるんですね。
 ちなみに7月16日、GAIA主催の日本酒バトルトークには、そげな日本酒を7~8種類試飲していただけそうですど。参加者が増えれば10種類くらいいけそうです。ただしっ、会場が狭い。40人限定! です。

【新連載】人情的危機管理 第1回 by 魚柄仁之助

2005年05月21日 | 連載エッセイ 人情的危機管理
WEBでしか読めない、魚柄仁之助さんの新エッセイ、「人情的危機管理」、いよいよ連載開始です!

人情的危機管理 第1回

「妊婦だから」の自己防衛

by 魚柄仁之助

ほんのささいな事で、一生を棒に振る人もある。「何であんな事を?」とくやんでも、そこは刑務所の中であったりする。そんな「ささいな事」は街のいたる所で、本人たちも気づかずに起こっているのです……

東京・山手線のある駅でした。ホームから改札口へおりるエスカレーターにのった私。私の後にはおなかの大きな妊婦さんとその母と、ベビーカーの小さな子ども。お母さんが、ベビーカーを懸命にささえちょる。ベビーカーでエスカレーターって、けっこうたいへん何ですね。あたしゃ心配で、エスカレーターをおりた後、歩きながら振り返ってみたですよ。しかし、そこで見たのはとんでもない「自殺行為」なんだったんだっ。
妊婦、ベビーカー、お母さんの順にエスカレーターから降りた、まではよろしい。あろう事か、この一段は、降りたその場所で立ち止まり、なにやら親子で相談事を始めちゃった。たぶん「どっちへ行くう?」みたいな話だったんでしょうな。
しかし下りのエスカレーターゆえ、次から次に人が降りてくる。その人たちが、妊婦、ベビーカー、母にぶつかる。妊婦さん、ころぶ。母が大声で文句を言う。ぶつかったサラリーマンも言い返す。「こんなところにボケっと立ってんじゃねーよ!!」 妊婦さん、腹をおさえて泣く。あたしゃとりあえず、妊婦さん、ベビーカー、母をわきへ移動させたが、この人たち、完全パニックです。サラリーマン諸氏は、さっさと改札を出て行っちまう。妊婦さんと母は「殺されそうになった」とわめきちらす。バカバカしくなって、あたしも離れたですよ。危機管理のかけらもない被害者意識ってやつですね。

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